1.会社での出来事

桐たんすの組み立て 愛知県I様の桐チェストを作る 2

愛知県からご注文いただきました桐チェストですが、昨日は立側のホゾを取り。地板が立側に入る部分を作り、棚板が入る部分を立側に写すところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

今回のチェストは幅三分の一の所に入るツカがあるのですが、上板にツカを入れるためにツカを半分欠きます。
そして立側に棚板が入る溝を、カッターで掘っていきます。溝は前面までは行かないので、前面は細いノミできれいに掘っていきます。

地板が入る部分をきれいに取っていきます。


溝掘りカッターで棚板が入る溝を掘っていきます。


先の部分はノミできれいに取っていきます。

すべて溝を掘り、棚板やツカの入る部分を欠いたら、立側、上板、地板を長いハタガネを使って組んでいきます。
ホゾの部分にはのりを入れ、3寸の木釘を打って本体を固めていきます。

本体をハタガネで固めていきます。

これで立側が立ちました。のりが乾くまでしばらくはそっとしておきます。のりが乾いたら、ハタガネを外して、本体をカンナで仕上げていきます。

のりが乾いたら、カンナで本体を仕上げていきます。

その後は引出し周りに入っていきます。引出し関係の木取り(底板、ホテ板、先板、カガミ板など)を出して、長さ切りでそれぞれの寸法に切っていきます。

引出し周りに入ります。

今日の私は、衣装箱のフタに使う4分板を切っていました。その後、板を貼り終業の5時を迎え、掃除をしてから弟と2人で徳島県まで桐たんすのお届けに向かうため出発しました。

4分板を切っています。


途中、滋賀県の長浜で前泊し明日、早朝に出発し徳島県阿南市まで向かいます。
明日も、全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 愛知県K様の桐チェストを作る。

今日からは、愛知県からご注文いただきましたK様の桐チェストを作っていきます。まずは、図面を渡し木取りを出していきます。その後、長さ切りで各々の部材を切り分けていきます。そしてカンナ掛けです。写真がなくてすみません。

図面を見ながら、この通りに作ります。

次に上板、立側のホゾを機械で取ります。

ホゾは機械で取りますが、その後、しっかりと手作業で作っていきます。

そして立側の地板が入る部分を昇降盤でカッターを入れ、そこをノミで取っていきます。その後は、上板にツカが入る部分を、地板にも写していきます。

立側に地板の入る部分を作っていきます。

そして立側の棚板が入るところも、反対側の立側に写していきます。その後は、上板に入るツカの部分を毛引きで取っていきます。今回は大きくないチェストですので、以外と早く進みます。

上板のツカが入る場所を地板にも写していきます。


反対側の立側にも棚板が入る部分を写していきます。


上板に入るツカの部分を毛引きで取っていきます。


奥に見えるたんすは、職人・石井君が作っている某博物館からご依頼いただきました○○を収蔵するたんすです。

今日の私は、柾を組んでいました。先日、裏板を切った別注の総盆の柾がやっと目直しを終えて組める段階に来たので、今日は裏と表の両方を組みました。

何本もの柾を組みましたが、長い柾が多いです。

高さ1m81cmのたんすですから、その扉だけでも結構な長さの柾が必要です。常に長い柾は用意してありますが、ここまで長いとちょっと大変ですが・・・。

別注の柾を組んでいます。

明日も全力で頑張ります。

東京まで桐たんすのお届けでした。

今月は組合の展示会に参加したため、搬入や搬出、展示会本番を含めて4回の上京でしたが、今日、再び桐たんすのお届けのため東京まで行ってきました。

起床は午前5時。まだ真っ暗な朝方に弟と工場で合流し一路、関越高速を東京まで。いつもの三芳SAで休憩し、練馬ICからすぐのところのS様のご自宅に、別注の和たんすをお届けさせていただきました。

いつもの三芳SA.

M様は、昨年の代官山での展示会にお出かけいただき、その後、ご自宅の新築を経て、昨年末にご注文をいただきました。展示会にお出かけいただいたときに、今まで使っていた桐たんすが、もう使えなくなったことや、その桐たんすに関する思い出など、いろいろなお話を聞かせていただきました。とても桐たんすに対して、思い出がお有りになる奥様でした。

S様と、別注の和たんす。金具は溜色漆金具です。

今回、桐たんすをお届けさせていただき、お部屋に収まった桐たんすをまじまじとご覧になり、「いいたんすだね、いいたんすだね」と何度もおっしゃって下さいました。ホント、職人冥利に付きます。

その後はお茶をいただき、追加で油単(桐たんすのカバー)のご注文もいただきました。M様、本当にありがとうございました。どうぞ、今後共、お付き合い頂ますよう宜しくお願い致します。

その後は首都高速を走り、横浜の鶴見区まで。今日は珍しく首都高がガラガラで、全く渋滞もなく鶴見区まで行けました。こんな事あるんですね。

鶴見区の立派な高層マンションに再生した桐たんすをお届けさせていただきました。N様、ありがとうございました。帰りの首都高も渋滞もなく、思いの外早く、工場に到着でした。

鶴見区の立派な高層マンションにお届けさせていただいた再生たんす。

今月はまだ、お休みがありませんが、こういう充実した日々ならそれはそれで十分ですね。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの木取り 3分板、4分板を切る。

ここ数日は気温も上がり、2月とは思えない天気が続いています。この辺は雪もなく、このまま春が来るのでしょうか。除雪をした記憶もほとんどない冬だった気がしています。

2月とは思えない天気の工場の板干場。

今日は工場はお休みですが、今度は来週末、桐の蔵の展示会が東京・日本橋で行われるため出勤したら、弟がすでに来ていました。やはり展示会前なので準備に忙しく、頑張っていました。

今日の私は、3分板の裏板、4分板の地板を切り、柾を割り、柾を貼るなどフル回転でした。午後からは、完成した再生たんすの調整と点検を終え、今日一日の仕事を終えました。

3分板を切っています。


今日切った板です。


柾も貼りました。


最後は再生たんすの調整と点検をして一日を終えました。

休日の仕事は効率がいいと言うか、仕事が進みますね。明日は日曜日ですが、全力で頑張ります。

宮崎県 M様の桐たんすを作る 途中から 4

昨日は、宮崎県M様の和たんすの引出しの枠を固めたところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。


引出しの枠を固め、その後は、底板を木釘で打っていきます。

その後は、衣装盆(丸盆)の底板を木釘で打ち終えた後、カンナで底板を仕上げていきます。丸盆は、そのまま底板を仕上げると、底板がたわんで仕上げられなくなるので台を置き、その上に底板を乗せて仕上げていきます。

丸盆の底板を仕上げます。

そして、底板を木釘で打った引き出しを本体に入れるようにカンナで仕上げながら入れていきます。

引出しの上面を削って、仕上げています。

引出しの上、引出しのホテ板(側板)をカンナで削りながら、引出しを入れていくのですが、削っては入れ、削っては入れを繰り返しながら、何度も何度も繰り返して、引き出しを入れていきます。
この繰り返しで、一つ入れると他の引出しがすーーと出てくる気密性の引出しが生まれるのです。

一つ一つ削りながら、引出しを入れていきます。

この後かなり割愛しましたが、宮崎県からご注文いただきました、M様の和たんすが完成致しました。この後は、塗装と金具付けに入り、点検、梱包を経てお客様のご自宅へお届けさせていただきます。

M様の和たんすが完成しました。

今日の私は、ご注文いただきました洋服たんすと整理たんすの裏板と立側を切っていました。

注文が入った、洋服たんすの裏板と立側を切ります。

今日は陽気も良く、気持ちのいい一日でストーブも消して暖かな一日でした。明日は工場はお休みですが、私は仕事、全力で頑張ります。

宮崎県 M様の桐たんすを作る 途中から 3

昨日は衣装盆(丸盆)の内側を貼り付け、のりが乾く間に引き出しに入るところまでをお伝えしました。

今日はその続きで、引出しを固めて行きます。まずは、観音開きの中の小引き出しを作っていきます。引出しの枠を固め、直角に出来ているか定規で測ります。

小引き出しの枠を固め、定規で直角を見ています。

その後は、下台の大きな引出しの枠を固めていきます。カガミ板(前板)とホテ板は蟻組みで継いで、ホテ板と先板はホゾ組みで継いでいきます。蟻組みは、中にのりを入れ打ち当てで少しずつ叩いていきながら、入れ込んでいきます。

大引き出しを固めます。蟻組の部分は、打ち当てで少しずつ入れ込んでいきます。

大きな引出し3杯と、観音開きの中の小引き出し2杯の枠を固めたら底板を打っていくのですが、その前に、衣装盆(丸盆)の内側の付け丸の、のりが乾いたら隅丸サンダーで内側を丸くしていきます。

引出しの枠を先に固めます。

その後は、丸盆の底板を打っていくのですが、その前に、長さ切りで底板のサイズを切り、その後、カンナで底板のサイズにぴったりと合わせていく作業を行います。

丸盆の底板を長さ切で切っていきます。

先に固めた丸盆の枠に、底板をカンナで削りながら一枚一枚合わせていきます。そしてすべての丸盆の底板をカンナで合わせたら、木釘で打って止めていきます。

丸盆の底板を、カンナで一枚一枚削って合わせていきます。


丸盆の底板を木釘で打っていきます。

その後は、引出しの底板を打っていくのですが、それは明日。

今日の私は、引出しの柾と観音開きの扉の柾を組んでいました。その後は、来週、東京・日本橋で行う桐の蔵の展示会に持っていく、新作の金具付けを行い、準備を少しずつ進めていきました。

今日は、柾を組みました。

明日も全力で頑張ります。

宮崎県 M様の桐たんすを作る 途中から 2

雨水の昨日、新潟は午後から雨になりそれ以降ずっとかなりの雨が降り続いていました。今朝になっても、暖かな雨です。

昨日は仙台まで桐たんすのお届けでしたが、今日は、宮崎県のM様からご注文いただきました和たんすの制作の続きをお伝えします。

立側が立ち、引出し周りに入ったところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。まずは、衣装盆(丸盆)の制作から入ります。

最初は、丸盆の材料をカンナで仕上げます。次に、底板の入る部分の溝を昇降盤で取ります。そして、丸盆の継ぎは「留め」(45度)で継いであり、そのために丸盆の四方を留め(45度)に切ります。

丸盆の継ぎのため、留めに切ります。

留めに切ったら、切った部分の木口にのりを付け、自転車のチューブを使って固定し、四方を貼ります。そのまま、のりが乾くまで時間をおきます。のりが乾いたら、一枚一枚チューブを外します。

丸盆をチューブで固定し、のりが乾いたらチューブを外します。

その後、丸盆は付け丸仕様なので、外側の角をのこぎりで切って、外側の切った部分を内側に貼り付けます。この貼り付けた部分を後で、削って丸くしていきます。

丸盆の内側の丸を作るため、外側の角を切ります。

外側の角をのりで内側に付けたら、のりが乾くまで、引出しに入ります。そして引出しをカンナで仕上げていきます。

その切った角を丸盆の内側に貼ります。

今日の私は、午前中は板貼り、その後、完成した桐チェストの調整と点検、梱包までと思いましたが、正午近くにお客様が来店し、桐たんすの説明をさせていただきました。

調整と点検を終えた桐チェスト

その後は、組合の展示会の搬出のため、ダッシュで新幹線に乗り東京まで。搬出を終え、日帰りで新潟に戻りました。2週間の長い展示会がやっと終わりました。

今月3回目の東京です。

明日も全力で頑張ります。

仙台まで桐たんすのお届けでした。

今日は雨水。雪から雨に変わる頃だそうで、今日はその通り暖かな一日で、午後からは雨になってきました。そんな中、今日は桐たんすのお届けに仙台まで行ってきました。

昼食を取った会津の磐梯山SA

今回のお客様は、昨年の11月にお問い合わせをいただき、その後、色々とお話をさせていただきご購入いただきました。

お届けはお客様のお仕事の都合で、午後2時過ぎにとの事で、午前11時に出発。途中、会津磐梯山SAで昼食を取り、一路、東北道を仙台まで向かいました。高速道路の脇には雪が積み上げられてはいるものの、道路には全く雪もなく、順調に仙台のお客様のご自宅に到着しました。


立派なご自宅の和室にピッタリと収まりました。S様、本当にありがとうございました。

今回、お作りさせていただいた和たんすは結構なこだわりもあり、衣装盆(丸盆)が10枚と、帯締め、帯揚げを収納する衣装盆が2枚入った、板厚4cmの大丸でした。

こだわりの衣装盆が入った和たんす

金具も色々と悩んでおられましたが、グレーの南天をお付けさせていただきました。帰りにはお土産までいただきまして、ありがとうございました。

どうぞ今後共、お付き合い頂ますよう何卒、宜しくお願い致します。
明日も、全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 宮崎県M様の和たんすを作る。途中から・・・。

先週は組合の展示会で、東京へ行っておりました。月曜日から金曜日まで5日間、新潟を離れ、ずっとホテル暮らしでした。

私が居ない間しっかりと段取りしてきたのですが、さすがに後半は工場が気になり仕事したいモードでした。金曜日に帰り、週末の土曜、日曜はいなかった分を取り返すべく、工場で仕事をしていました。

ブログでお伝えしていた東京都S様の和たんすはすでに完成しており、続きがお伝えできませんでした。そしてもう、次の桐たんすの制作に入っており、今日からは途中ですが宮崎県からご注文いただきましたM様の和たんすの制作をお伝えします。

宮崎からご注文をいただきましたM様の和たんす

すでに和たんす(今回は胴丸という和たんすです)の立側は立っており、重ねの朴の木を付けるところでした。
その後は、引出し周りに入っていきます。

上台の重ねにつける朴の木をシャコ万で止めています。


引出しの材料を出してもらい、長さ切りでそれぞれの部材を切っていきます。


長さ切りで部材を切っていきます。

今日の私は、午前中は柾を切り、午後からは裏板、タイコの3分板をかなり切っていました。今回は、別注の総盆の注文をいただき、たんすの高さが1m81cmとかなり高いので、それ用の裏板とタイコを切っていきました。

別注の総盆の長い裏板を切っていきます。


板を切っていくと、側や傷の部分は抜きます。


その部分がどんどん溜まります。

その後は、その他の裏板、タイコ、地板と板を切っていった午後でした。
明日も全力で頑張ります。

東京3日目。

東京に来て早くも三日目。組合主催の展示会で、青山の会場で午前11時から午後7時まで来ていただくお客様に接客し、桐たんすの素晴らしさをお伝えしています。

私も東京へは結構来ている方だと思うのですが、来る度に、東京という奥の深さと、そこに住む人達の様々な行き方に興味が湧いてきます。

昨日は隣で、漆器屋さんの店主による壊れた漆器のクリニックが行われていたのですが、その店主と話をした中で、今、日本における伝統工芸品の元気になさを嘆いていました。

でも、その話の中で、「嘆いていただけではダメなんだ」、その中でも出来るところから何かをやっていかなくては・・・。と勇気ある言葉をいただきました。

漆器屋さんの地元である石川県輪島市の輪島塗りの現状は厳しいと言います。それは業種は何であれ、どこも同じような状況なのだと思うのですが、その中で、どこを見て、何をやっていくのか。ということが必要だと言っておられました。

「何の悩みもなく順調」と言うのもそれはそれでいいのでしょうが、「悩みや問題があるから人生が面白い」とその方は言いました。さすがに人生経験が豊富な方です。

今までは作るだけで良かった職人が、これからは作るだけでは飯が食えない。と言います。全くその通りで、「お客様からありがとうと言ってもらえる関係を作っていけ」と言われました。

東京に来ると色々な意味で刺激になりますし、一人の方との出会いで人生が大きく変わる場合もありますから、ご縁は大事ですね。

今日までの3日間で、色々なことを考えます。それを行動に起こさなければ・・・。そんな事を思った日々です。
あと2日間、全力で頑張ります。