晴れ。 梅雨入りはまだみたい。今年の水は大丈夫か?
週末に。地元、加茂市の同業者8社で開催した大きな展示会
「桐たんす展」(作業日記参照)が、昨日で終わった。
6月は、お陰様で、今まで休みがない。
ずーーーーと、展示会続きで、さすがに、体が休みたがっている
気がする。
昨日も、3日間の展示会の後、搬出と、後片付けを終え、
帰宅したのは、午後10時前だった。
軽いはずの桐たんすも、総数80本を超える展示品の
後片付けをすると、腰がワナワナ〜〜って感じに
悲鳴をあげている。
でも、そんな3日間の展示会も、数々の出会いと、
感動のドラマがあった。
最終日の日曜日。
まだ、会場したばかりの午前中だった。
お母さんと、御嬢様のお二人での来場だった。
お母様の方は、お年を召していられ、足が悪く
杖を突きながらの来場だった。
たまたま、私が担当(というか)、お話をすることになり、
一通り桐たんすの説明を、御嬢様にさせていただいた。
その間、足の不自由なお母様は、イスに腰掛けて、私たちを
見守っている。
そのお言葉は、「おまえの好きなものを選べば良いよ」と
いう、温かな一言は聞こえてきた。
慎重に、桐たんすを何度も見て、私の説明を参考にして頂き、
自分なりのお考えで、最終的に、桐たんす(和たんす)を
お選びいただいた。(ありがとうございました)
で、そこからのお話がグッ、、、、、、、、、ときて
今でも、私の脳裏から離れません。
桐たんすをお決めいただき、契約書を書き終え、
話し込んでいた中でのことでした。
「この子の成人式の時には、とっても生活が厳しくて
良い振袖も買ってあげれなかった」とお母様が話し出した。
でも、この妹の時には、その当時、数十万もする振袖が良い!
って言われて、それを買ってあげたんです。と・・・・
でも、この子は、今の家の後を取ってもらわないといけないし、
最近は、きものも少しずつですが、増えてきたようなので、
思い切って、私(お母さん)からのプレゼントで、昨晩、
桐たんすを買いに行こう!と、お金をあげたんです。と、
私にお話をして下さった。
お母さんは、その当時の様子をずーーーーーーと
細かく私にお話してくださった。
生活にあまり余裕がない時代に、長女には良い振袖を
買ってあげれなかった。
でも、次女には、思い通りの振袖を何とかしながら、買ってあげた。
そんな話から始って、今回、桐たんすを買いに来た経緯を話され
ていた時、御嬢様の目が、真っ赤に潤んだ。
その瞬間、御嬢様の目からは、「ありがとう」と、言わんばかりの
涙が頬を伝った・・・。
私も、数々の桐たんすを作り、今まで相当な数の
お客様と接してきた中で、こういう経験はあまりなかった。
どういう言葉も掛けられず、ただ、ただ、
「良い桐たんすを作らせて頂きます」、
その言葉しか出なかった。
桐たんすを買ってもらった御嬢様は、ハンカチで涙を
抑える。
お母様は、
「うん、良かったね。良いタンスがあって」と・・・。
しばしの時間が流れ、そのお客様は、会場を
後にした。
久しぶりに感動しました。
その後の仕事が、出来ないくらいに・・・。
桐たんすにまつわる、エピソードは、本当に、
感動する物語が多い。
この御嬢様の流された涙の意味は、
言葉で表さなくても、伝わってきた。
それ以降、もう、言葉なんて必要なかった。
この親子には・・・。
こんな場面に立ち会えたと言うか、関わらせていただいた、
私は本当に良かった。
昨日、一日は、このお客様との出会いと、ご縁が
何よりの、ご褒美でした。
御嬢様の流された涙。
その意味をしっかりと受け止めて、立派な桐たんすを
お届けさせていただきたいと思います。
本当に、ありがとうございました。
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