2020年 3月 の投稿一覧

桐たんすの組み立て 宮城県M様の整理たんすを作る

今日からは宮城県M様からご注文いただきました整理たんすの制作をお伝えさせていただきます。今回、M様からは小袖たんす3本のご注文をいただきました。

置かれるお部屋の寸法があるとのことで、1本は通常の3尺5寸幅(1m6cm)なのですが、2本目は幅80cm、3本目が幅55㎝の別注の小袖たんすです。

まずは木取りと図面を出します。

長さ切りでそれぞれの部材を、各々の長さに切り分けます。

その後、それぞれの部材をカンナ掛けしていきます。

機械で立側と上板、地板のホゾを取った後に、上板と立側の交わる部分を留め型で留めを作っていきます。(ノミで留め(45度)に取っていきます)

55cm幅の立側の木目。自画自賛ですが、ホント、いい木目です。

地板の前口の部分を、際カンナを掛けていきます。(際カンナとは、通常の面ではなく凹凸がある部分を掛けることが出来るカンナを際カンナといいます。左用、右用があります)

地板の前口、足の着く部分を際カンナで削り、定規を当てて平らになっているか確認しています。

地板に付く、小箱の位置をモノサシで計り、付ける場所を決めていきます。

棚板の立側への入りの部分を作り、入りの部分をぺーパーを掛けて滑らかにしていきます。

今日、仕事が一段落した合間に、桐たんすのホゾを取る機械の刃物の交換をしていました。この機械、かなり大きな機械で、刃物もそれなりに大きく重いのです。ですので、交換も2人で行います。

今日の私はホテ板を作ります。

自動カンナを掛けて、アイバを擦った板を、ホテ板2枚分の幅、1尺1寸で組んでいきます。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 愛媛県K様の整理たんすを作る4

愛媛県K様からご注文いただきました整理たんすの制作ですが、少し時間が空きましたが、今日が最後です。

先回は、引き出しのカガミ板(前板)を仕込むところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

引き出しのカガミ板を仕込んだら、カガミ板の大きさを先板に写していきます。

原始的な方法ですが、カガミ板の大きさをそのままシラガキで先板に写していくのです。

機械で、カガミ板、ホテ板の蟻組みを取っていきます。

そして、先板、ホテ板のもう一方を「ホゾ組」で取っていくため、昇降盤でノコの切り込みを入れていきます。

ホゾ組のノコを入れた部分を、ケヒキで取っていきます。これもなかなかの力のいる作業です。

今回の先板とホテ板は、「先留め」という仕事で、先板とホテ板を「留め」(45度)で組んでいくという高度な技術を用います。

先板の「留め」の部分を作っています。留め型と呼ぶ型で、留めの部分をノミで作っていきます。

ホテ板のホゾ組と「留め」の部分のアップ。手作業で、45度の留めの部分を作っていきます。

引き出しのホテ板を削りながら、引き出しを入れていきます。入れては当たっているところを確認し、また少しずつ削っていくという工程を何度も繰り返します。

引き出しの上の部分も少しずつ削っては入れていき、確認し、また削るという工程も繰り返し行います。

この工程を、何十回と繰り返し、引き出しを入れていきます。

この少しずつ、その引き出しに合わせながら入れていくことで、引き出しを入れると、他の引き出しが出てくるような密閉度の高い引き出し(桐たんす)が完成します。

ここで愛媛県K様からご注文いただきました整理たんすの木地が完成しました。

この後、塗装、金具付けを経て、最終点検、梱包、お届けとなります。

今日は、工場の近所、田上町に桐チェストをお届けに行ってきました。

茶色の天然オイルを塗ったチェストで金具もシンプルです。E様、ありがとうございます。

明日も全力で頑張ります。

東京と神奈川県まで桐たんすのお届けでした。

全国的に新型コロナウイルスが猛威を振るい、首都圏では週末の外出が自粛される中、今日は、神奈川県と東京まで桐たんすのお届けに行ってきました。

起床は午前5時。すでに空は明るくなり始める頃、小雨交じりの新潟を出発し、一路、神奈川県まで向かいます。

高坂SAで休憩し、そこから圏央道→東名と走って横浜青葉ICで下車し、一軒目のおお客様のご自宅に向かいます。やはりコロナの影響なのか、予定よりも早めの到着でした。

素敵なご自宅の和室のお部屋に、和たんすを納品させていただきました。

今回は、衣装盆が「板盆」と帯締め、帯揚げ盆が付いた個性的な和たんすをお届けさせていただきました。

T様、本当にありがとうございました。

その後は、下道を走り世田谷区まで。

再生たんすをお届けさせていただきました。奥様がお留守でしたので、玄関先に置いて下さいとの事で写真は撮れませんでしたが、K様、本当にありがとうございました。

今日は首都高は走りませんでしたが、確かに空いていたようですが、帰りの環八は結構渋滞していました。

来週も全力で頑張ります。

「板入れ完了」

今年の新潟県は雪は少なかったものの(無かった)雨が比較的多く、春になっても、晴れが続く日は少ないような気がしています。

春の桐丸太を仕入れ製材もしているので、新しい板もやってくるし、昨年の春に干した板を入れなければならないので、数日前から天気が気になっていました。

一昨日と昨日は天気だったのですが、昨日は兵庫県まで桐たんすのお届けのため見送り、今日、予報では雨だったのですが、午前中はかろうじて曇りだったので、今日、午前中、板入れを決行しました。

まずは干してある板を、一枚一枚手作業でまとめてトラックに積んでいきます。

そして倉庫に丁寧に崩れないように積んでいきます。

その後、昨秋に一枚広ろげにした板を、ひっくり返してまた干します。

そんなこんなで11時を過ぎて小雨が降って来ましたから、決行して良かったです。後は、製材途中の板を待って、干すだけです。

明日も全力で頑張ります。

兵庫県まで桐たんすのお届けでした。

新潟は寒くなったり暖かかったりで、まさに三寒四温の頃。

今日は兵庫県加古川市まで桐たんすのお届けに行ってきました。

起床は午前4時。いつものように工場で弟と合流し、北陸道を西へ向けて走ります。

今日は5時半頃には空が明るくなってきました。夜が明けるのが早くなりましたね。

いつものように福井県の南条SAで休憩し、そこから舞鶴若狭道→中国道→六甲有料道路を走り阪神高速→加古川バイパスを通り今日の目的地のお客様のご自宅に到着しました。加古川市って姫路の少し手前なんですね。以外と時間がかかった印象でした。

今日のお客様は、愛媛県のK様。お嬢様の婚礼道具として弊社の総桐たんすをお求めいただきました。愛媛県から兵庫県へ嫁ぎます。

今日は愛媛県からお母さまとお嬢様にお出かけいただき、一緒に納品を見守っていただきました。

4尺幅の胴丸の和たんすとワイドの整理たんすをセットでお求めいただきました。

K様、本当にありがとうございました。

納品後には、いろいろとお話させていただきました。

昨年の12月にお電話をいただいた際には、実際に見るところがないですか?とのお話をいただいておりました。

丁度よい展示会がなく、ご迷惑をおかけしました。そんな中、たんすも見なく、一度も顔を合わせたこともない私どもから、桐たんすを購入していただきました。

「不安ではなかったですか?」と聞きましたら、他の家具屋さんも見ましたが、良いものがなく、桐の蔵さんのカタログを信用しました。とのお言葉をいただき嬉しかったです。

最近は、婚礼道具として桐たんすをお持ちになるお客様が減って来ましたが、今日のような、婚礼道具としての納品は、ホント、いいものです。

日本の文化である、「桐たんすを持って嫁ぐ」そんな伝統文化を復活させたいな。と感じました。

K様、本当にありがとうございました。

桐たんすの組み立て 愛媛県K様の整理たんすを作る3

愛媛県K様からご注文いただきました整理たんすの制作ですが、昨日は、地板に台輪を乗せ、寸法を見るところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

台輪の制作に入ります。胴丸という本体が丸い作りですので、台輪も同じように丸い作りになります。前面左右の両角を丸くするために、まっすぐにカットした面に丸くするための面木を貼っていきます。

本体に地板を付けるために、シャコ万とハタガネで地板を付けていきます。

本体を固め、裏板を木釘で打ったら、裏板をカンナで仕上げていきます。

整理たんす本体、立側を面取りの機械で丸く削っていきます。

機械で丸く削った後は、カンナを少しずつかけて丸くしていきます。

本体が完成したら、台輪の制作に入ります。本体がワイドなので、台輪もワイドになります。

台輪が完成したら本体が完成しました。

その後は、引き出し周りに入ります。引き出しのカガミ板(前板)を長台(台の長いカンナ)で削りながら、カガミを仕込んでいきます。(仕込むとは、引き出しが入る部分にカガミ板をピッタリ合わせていくことを、カガミを仕込むと言います)

引き出しを作るに際して使うケヒキ。

4つのケヒキを引き出しを作る時には使います。それぞれのケヒキの刃の位置は、いちいち動かさずに、その時専用に刃の位置が決まっています。

今日の私は板を切ります。各種、いろいろな板を切りましたが、はたまた4分板が少ないことに気づき、昨年干した板干場に板を見に行ったのですが、4分板がない。ちょっと考えます。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 愛媛県K様の整理たんすを作る2

昨日から始めました愛媛県K様からご注文いただきました整理たんすの制作ですが、昨日は、立側に掘った溝をノミできれいに取っていくところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

溝を掘った立側の内側に、ロウを塗って引き出しが入る時に滑りがよくなるようにします。

ツカの地板に入る部分をノミできれいに取っていきます。

立側にツカ、棚板を組み入れて固めていきます。立側の上から木釘を打っていきます。

本体を寝せて、立側に入る棚板をしっかりと締めるために、長ハタガネで締めていきます。

整理たんすを逆さにして地板が真っ直ぐになっているか、定規を当てて見ています。

地板を真っ直ぐにするようにカンナで削っていきます。

カンナで削っては定規を当て真っ直ぐになっているか確認し、また削るを繰り返して、地板を真っ直ぐにしていきます。

このたんすは板厚4cmの胴丸という形です。台輪を当てて感じを見ています。

今日の私は、先日、組んだ底板を奥様が貼り、それを私が削って仕上げて、また貼るように仕上げます。

幅の広い底板は、一度に貼れないので、一回貼ってまた削り、そしてまた貼るという、削るのも2回、貼るのも2回行ってやっと完成します。この作業だけでも結構手間がかかっています。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 愛媛県K様の整理たんすを作る。

今日からは愛媛県K様からご注文いただきました整理たんすの制作をお伝えしていきます。桐の蔵は四国からのご注文が意外にも多く、かなり四国にも桐たんすのお届けに行ってきました。今回は、愛媛県から兵庫県へと嫁ぐK様のお嬢様のお嫁入り道具としてご注文をいただきました。K様、ありがとうございます。

まずは図面を渡し、これに沿って桐たんすを制作していきます。

長さ切りでそれぞれの部材を、各々の長さ、幅に切り分けていきます。

切り分けた部材を、カンナ掛けしていきます。今回の整理たんすは、横長(ワイド)な整理たんすですので、木取り(部材も)横に長い木取りが多いです。

地板が入る部分を作るために、縦引きノコを地板が入る部分に入れていきます。

途中にツカを入れるため、立側からツカの長さと棚板が入る位置をシラガキで写していきます。

棚板が入る溝を掘った立側。その後ろに棚板。

ツカに棚板が入る溝を両面、掘っていきます。

地板に隠し小箱を取り付けていきます。

立側に溝堀カッターで掘った溝を、ノミでさらにきれいに掘っていきます。

今日の私は、板を組みます。主に観音開きの中にある小引き出しの底板です。

奥行1尺4寸の底板を、数種類の幅で組んでいきます。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 大阪府Y様の洋服たんすを作る7

大阪府Y様からご注文いただきました洋服たんすの制作ですが、今日が最後です。昨日は、引き出しの枠を固めたところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

引き出しの底板をハタガネを締めながら木釘で打っていきます。

洋服たんすの引き出しは奥行が深いので、ハタガネも長く、木釘も多く使います。

付属で付く移動式の小箱の引き出しを作ります。小さな引き出しが2段の底板を木釘で打っていきます。

小引き出しの底板を打ち終えたら、木釘を釘切ノコで切り、ペーパー(紙やすり)を掛けて仕上げます。

引き出しを本体に入れていきます。

ホテ板(引き出しの側板)をカンナで少しずつ削りながら、本体に入れていきます。引き出しの奥行が深いので、削るのも大変です。

引き出しを本体に入れてみます。どこが当たったいるのかを目と勘で確認します。削っては入れて見て確認し、また削って見るを、何度も行い、ぴったり引き出しを入れていきます。

今回のたんすの引き出しは、ホテ板に手掛けを彫り込んであります。

洋服たんすの引き出しは奥行が深いので、手掛けがあると持ちやすいです。

観音開きの扉を仕込んでいます。

立側にぴったりと合わせながら、扉がぴったりと立側に付くように合わせて削っていきます。

最後は観音開きの扉を仕上げカンナで仕上げていきます。

これで完成です。

この後は、塗装、金具付け、最終点検して梱包、そしてお届けとなります。

今日の私は、板を組みます。地板、棚板、上板とそれぞれの板を組みました。

明日からは3連休ですが、明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 大阪府Y様の洋服たんすを作る6

大阪府Y様からご注文いただきました洋服たんすの制作ですが、昨日は、本体の丸を面取りの機械で取っていくところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

台輪の制作ですが、大丸の台輪も曲面を多用した作りになっています。

その曲面も手カンナで作り上げていきます。

そして立側(本体)が完成しました。

引き出しが二段付いた、下二と呼ぶ洋服たんすです。

これから引き出し周りに入ります。

引き出しの材料を出してもらい、自動カンナでそれぞれの部材の板の厚さを決め、長さ切りで、それぞれのサイズに切り分けていきます。

カガミ板(引き出しの前板)の大きさを、シラガキを使って先板に移していきます。    原始的な方法ですが、これが一番正確です。

仕込み終えた引き出しのカガミ板(前板)の前組(蟻組)を取ります。

引き出しのホテ板(側板)と先板はホゾ組なので、ケヒキを使ってホゾを取っていきます。

引き出しの前組(蟻組み)を取り、ホテ板と先板のホゾを取ったら、引き出しの枠を固めていきます。組手の部分にのりを入れ、木釘を打って固めていきます。

今日は昨年の年末に仕入れた桐丸太の木はずみに親方と製材所に行ってきました。

木はずみとは、桐丸太を1本、1本見て、どれくらいの厚みに製材するか、丸太が曲がっているからどこから切るか、どう使うか?など、丸太を見ながら今後の使い方を決めることを「木はずみ」といい、桐たんすづくりはここからすでに始まっているのです。

直径2尺8寸(約85cm)のとっても大きな木が1本と、後は、様々な大きさの木が45本。これを親方と一緒に、これはこう使おう!、この木は何分に製材、と2人で木を見ながら決めていきます。

さすがに親方はベテランで、判断が早いです。こういうところも、早く見習わないとです。

明日も全力で頑張ります。