2019年 5月 の投稿一覧

桐たんすの組み立て 東京都T様の和たんすを作る6

少し間が空いてしまいましたが、T様の和たんすの制作は今回が最後です。先回は、衣装盆の制作を終えたところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

引出しの枠を固めて、底板を木釘で打ったら引出しの先板を仕上げていきます。その次に、底板をカンナで仕上げます。(写真がなくてすみません)

その後、引出しを本体に入れていくのですが、ここはキツくてもダメ、ガタガタでもダメで、桐たんすの引出しの出し入れはとても微妙です。

引出しを入れて、当たるところを見つけます。

少し入れて当たっているところを見て、また出して削り、また入れては見て、そして当たっているところを削る。ということを繰り返しやっていきます。

出しては削り、入れては見るを繰り返していきます。

その繰り返しで、引出しを一つ入れると、他の引出しがすーーっと出てくる桐たんす特有の密閉度の高い引き出しになるのです。引出し周りの制作は、この作業にかなりの時間を費やし、これが桐たんすの命と言っても過言ではありません。

何度もやって、やっとスムーズな引出しが完成します。

引出しがスムーズに入ると次は、引出しのカガミ板の全面をカンナで仕上げます。そして全体的に引出しの調子を整えながら、次は観音開きの扉へと移っていきます。

引出しのカガミの前をカンナで仕上げます。

観音開きの扉は、扉をカンナで削った後に、立側に合わせながら扉を仕込んでいきます。その後、扉の上下の長さを決め、少しずつカンナで削りながら、扉を仕込んでいきます。(写真がなくてすみません)
そして最終的に扉を仕上げて召合せを付けて完成となります。

今日の私は、2日間いなかった分の仕事が溜まっており、まずは今日出荷する桐たんすの調整と梱包を行い、その後、奥様が貼っておいてくれた板を削って厚さを合わせ、その後は、裏板、底板、側板をずっと切っていました。

今日の後半はずっと板を切っていました。

月曜日からは、奥様にホットプレス(沿った板や曲がっている板を熱で真っ直ぐにする作業です)を行うので、それまでに出来るだけ多くの板を切っておきたいのです。

明日は土曜日で工場はお休みですが、出勤して板を切ります。
明日も全力で頑張ります。

東京まで桐たんすのお届けでした。

昨日は組合の展示会の打ち合わせで、午前中、少しだけ仕事をして11時半の新幹線で東京へ向かいました。池袋での打ち合わせでしたが、大宮乗り換えが近いと聞いたのですが、埼京線のどれに乗っていいやら。久しぶりに迷いました。

久しぶりの新幹線、もう、車内でコーヒーの販売が終わるとか。

打ち合わせが終わったのが午後5時前。ダッシュで池袋からまた大宮へ。そして上越新幹線で燕三条駅まで帰りました。

そして今日、再び、桐たんすのお届けで東京まで行ってきました。起床は午前4時半。もう、明るい朝です。

昨日仕事ができなかった分、今日は朝早くに行って段取りだけして東京に向かうことに。今日は弟ではなく、職人横山さんと一緒に行きます。午前6時に待ち合わせて一路、東京へ。関越道を順調に走り、いつもの三芳SAで休憩です。

いつもの三芳SAで休憩です。

その後、環八を杉並区まで走って、今日に一軒目のお客様のご自宅へ無事にお届けさせていただきました。3月の日本橋での展示会に、ご両親が和歌山県からお出かけいただき、お嬢様ご夫婦と一緒に和たんすをお求めいただきました。
I様、本当にありがとうございました。

I様へお届けさせていただいた中開きの胴丸の和たんす。

その後は、町田市まで走ります。2軒目もお客様は、高級そうな住宅街の一角にあるI様のご自宅に、グリージオシリーズのチェストをお届けさせていただきました。I様、本当にありがとうございました。

町田市のI様へお届けさせていただいた桐チェスト。

今日の東京は快晴で車の中は暑いくらいの天気でしたが、行きも帰りの順調に行ってくることが出来ました。
2日連続の日帰りでの東京で、少々、寝不足とお疲れですが、明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都T様の和たんすを作る5

随分と間が空いてしまいましたが、東京都T様からご注文いただいた和たんすの続きです。先回は、引出しの枠を固め、底板を打っていくところまでをお伝えしましたが今日はその続きです。

引出しの枠を固めていきます。

引出しの枠を固め、底板を打ったらブラシで木釘を切った場所に水を拭きます。その後、同時に進行していた衣装盆に入ります。

底板を木釘で打ち、ノコで切ってブラシで水を拭いていきます。


衣装盆の枠を組むところと底板を打つところは割愛させていただき、いきなりですが、衣装盆をカンナで仕上げます。


その後、衣装盆の上面をカンナで仕上げ、衣装盆の完成となります。
(今回は全然写真が撮れませんでした、すみません)

次に、底板を木釘で打った引出しを、本体に入れていく作業です。

今日の私は、引出しの先板が無くなってきたので急遽、7分板を切る作業に入りました。7分板を切るついでに、丸盆の材料も切り、丸盆を組む作業をしていました。

丸盆を組んでいます。

明日も全力で頑張ります。

静岡で展示会でした。

週末は日本各地で真夏日を思わせるような天気で、何とこの時期に北海道で38度とか、もう考えられませんね。

そんな中、桐の蔵は静岡市で展示会を行ってきました。出発は、24日(金)の午前10時半。少しだけ仕事をして、気温がジワジワと上がり始めた時刻に出発しました。

静岡までは、関越道→圏央道→東名を走り静岡まで約6時間。新潟からの距離は名古屋なでとさほど変わりないのですが、何だか少し遠く感じます。そしてこんな時に限って、トラックのクーラーが壊れます。もう、日頃の行いがそのまま出ます。

午後5時からの搬入に合わせて到着し、無事に搬入を終え土曜日からの展示会に備えました。静岡では、約10年ほど前に2回展示会を行っており、今回が3回目。数名のお出かけいただけるお客様がおりましたので、今回、静岡で行うことを決めました。

展示会場のツインメッセ。古いけれど快適な施設です。

土日の2日間、静岡は快晴でしたがそれほど暑くはなく、快適に過ごせました。展示会にお出かけいただきましたお客様、本当にありがとうございました。

小さな会場での展示会です。

そして昨日、午後3時に搬出を開始し、午後4時前に会場を出発したのですが、途中、東名の御殿場ICから先で事故のため、横浜まで50分の表示。こりゃダメだとのことで、圏央道が海老名まで開通する前にずっと走っていた、東富士五湖道路から中央道への道を選択します。しかし、これが間違いでした。

東富士五湖道路は快適に走れるのですが、中央道の大月→八王子間が25kmの大渋滞。まだ東名の50分の方が早かったです。

結局、帰りは7時間半かかって夜の11時に工場に到着でした。
さすがに今日はお疲れモードですが、明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都T様の和たんすを作る4

昨日は胴丸の和たんすの、上台と下台の胴巻きをハタガネとシャコ万で止めたところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

立側が立ったら、引出し周りに入ります。長さ切りで引出し周りの木取りを、各々のサイズで切り分けていきます。
その後は、カンナでそれぞれの部材をカンナで仕上げていきます。

引出し周りの材料を切っていきます。

そしてホテ板にカガミの厚さを毛引きで取って、ホテ板に印をつけます。その後は、先板とホテ板のホゾを取り、取った部分の残りをノミで取っていきます。

カガミ板の厚みを、ホテ板に毛引きで移していきます。


ホテ板のホゾを取った残りを、ノミで取っていきます。

そして先板とホテ板のホゾを取ったら、カガミ板とホテ板の蟻組を取ります。引出しの組手を取ったら、引出しを固める工程に入ります。

組み手を取ったら、引出しを固めていきます。

カガミ板、ホテ板、先板の組み手を合わせて、のりを付け、固めていきます。それぞれのホゾにハメていき、手で叩きながら組み手を押し込んでいきます。

ホゾを入れる時は、まずは手で叩いて入れていきます。

そして引出しを固めたら、底板を木釘で打っていきます。底板を木釘で打ったら、釘きりノコで切り、その場所をブラシで水を拭いていきます。引出しの部分はこのまま進んでいきますが、同時に衣装盆も進んでいきます。

引出しの枠を固めたら、底板を木釘で打っていきます。


底板を木釘で打ち、木釘をノコで切ったら、ブラシで水を拭いていきます。


引出しと同時に、衣装盆も作っていきます。

今日の私は嬉しいことがありました。午後から、突然、長野に就職している長男が、休みなので新潟の友だちに会いに来たとのことで、工場に寄ってくれました。事前に奥様には連絡があったとのことですが、あまりにも急だったので、びっくりでした。

正月以来、久しぶりに会う長男ですが、口数は好きないですが本当にいい長男です。遠く離れていて心配はありますが、たまに帰ってくれるだけで嬉しいですね。(親ばかですみません)

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都T様の和たんすを作る3

昨日は、胴丸の和たんすの上台を固め、裏板を木釘で打つところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

裏板を木釘で打ったら、木釘を打った場所を水で拭いて濡らし、木釘を水分で膨らませてから裏板をカンナで仕上げていきます。

裏板を打ったら、カンナで仕上げていきます。


その後は、上台と下台の重なる部分の重ね板をカンナで仕上げていきます。


その後は、上板、立側、地板とたんす全体をカンナで仕上げていきます。

そしてたんす本体が乗る「台輪」を作っていきます。胴丸の台輪は縦目で、本体の角が丸くなっているので、制作が少々手間がかかります。今回は少し端折りますが、これで立側が完成しました。

胴丸の台輪の制作。丸くなる部分に柾目を貼っています。


胴丸の台輪の下には、朴の木を巻いて仕上げます。

この状態で、胴丸の上と下に「胴巻」と呼ぶ、柾を巻いていきます。この胴巻は、以前、動画でもアップさせていただきましたが、幅3cm弱、長さ約2mの柾を曲がるところに切れ目を入れ、その後、水をたっぷり染み込ませたタオルの上からアイロンを何度か当て、熱と水分で胴巻(桐)を曲げていきます。

下台の下には、胴巻きをシャコマンで止めていきます。

曲がった胴巻を、ハタガネとシャコ万でたんすの上台の上と、下台の下に付けていきます。この工程は、結構難しいのです。

上台の上は、長ハタガネで胴巻きを巻いていきます。

今日の私は、昨日に引き続き、板を切っていました。今日は、4分板の地板、胴丸の上と下、そして裏板を切っていました。

今日も一日、板を切っていました。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都T様の和たんすを作る2

昨日からは、東京都T様からご注文いただきました和たんすの制作をお伝えしていますが、昨日は棚板、タイコを作るところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。


中棚とツカを作り、組み立てていきます。


下台の立側です。


次に下台に棚板が入る溝を彫っていきます。定規を当てて、その上を溝切りカッターと呼ぶ機械でみぞを彫っていきます。

下三(下台の引出しが三段)なので、棚板が2枚入る溝を彫ります。溝を彫ったら、引出しが入る部分に引出しの滑りがいいように、ロウを塗ります。


その後は、中棚、ツカ、タイコを組んでいきます。これは、上台の立側に入る部分です。それを先に固めていきます。


上台の立側の中に入る部分を固めたら、次に立側の中に入れていき、シャコ万でしっかりと止めて、固めます。


上台の立側を固めたら、裏板を木釘で打って止めていきます。


今日の私は、昨日の続きでヘギ底(衣装盆の底板)、裏板、立側など一日中、板を切っていました。さすがに衣装盆の底板は、90枚以上切ってしまいました。


切った板を並べて置きます。

明日も、全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都T様の和たんすを作る

今日からは新たに東京都T様からご注文いただきました和たんすの制作をお伝えしていきます。今回のお客様は、誰もが知っている巨大企業の社長の奥様からご注文をいただきました。T様、ありがとうございます。

今回の和たんすも、先回、お伝えした桐たんすと同じ胴丸の下三という形です。

まずはいつものように図面を出してもらい、それに従って木取り(部材)を出します。それを長さ切りで各々の長さ、幅、奥行きに切っていきます。

図面に従って、それぞれの部材を切り分けていきます。

その後、それぞれの部材をカンナ掛けしていきます。カンナ掛けが終わったら、立側(上台)の地板が入る場所を作っていきます。

立側の裏側をカンナで仕上げていきます。


裏板の内側になるところをカンナ掛けしています。


昇降盤で切込みを入れ、そこをノミで取っていきます。次に、棚板の立側に入る部分を作っていきます。

立側に入る部分を欠いて、棚板の総面の部分を作っていきます。そして、立側に入る部分を胴突きで切ります。

棚板の立側に入る部分を定規に当て、ノミできっちりと取っていきます。


棚板の前の部分を胴突きで切っていきます。


その後はタイコの面を面取りカンナで取っていき、タイコを作り準備をしていきます。

今日の私は、午前中は今日出荷する桐たんすの調整と梱包を、午後からはヘギ底(衣装盆の底板)を切っていました。
今日で88枚のヘギ底を切りましたが、明日も引き続きヘギ底を切っていきます。

ヘギ底(衣装盆の底板)を切っていきます。

明日も全力で頑張ります。

東京まで桐たんすのお届けでした。

新緑が目に眩しい季節となりました。そんな中、今日は久しぶりに東京まで桐たんすのお届けに行ってきました。

起床は午前4時45分。もうすでに明るく、朝の早さを感じる時です。工場で弟を待って午前5時半過ぎに東京へ向けて出発です。私はトレーナーでしたが、弟はすでに半袖。さすがです・・・。

今日の高速は連休が終わったのになぜか混んでいました。いつものように三芳SAで休憩を取り、いざ、外環から首都高速へ入ろうと思ったのですが、美女木から中野長者橋間で渋滞12Km、50分の表示。あー、こりゃダメだと思い、その先の川口JCTから首都高に入ることに。これが功を奏して、最初のお客様のご自宅へは、約30分早く到着することが出来ました。

いつもの三芳SAで休憩です。

今日の最初のお客様は、焼き桐仕上げの整理たんすをお届けさせていただきました。N様、お世話になりましてありがとうございました。

最初にお届けさせていただきましたN様。焼桐の整理たんすです。ありがとうございます。

そして次の二軒目のお客様に向かいます。今日の二軒目のお客様は、大田区田園調布。私、田園調布へのお届けは初めてですが、とても素晴らしいご自宅へお届けさせていただきました。

予定時間よりも1時間ほど早い到着でしたが、快く納品させていただきました。素晴らしいご自宅の、品のある和室に小袖の整理たんすをお届けさせていただきました。N様、本当にありがとうございました。

二軒目のお客様は田園調布の素晴らしいご自宅の品のある和室に小袖たんすをお届けさせていただきました。
N様、ありがとうございます。

そして最後に以前お届けさせていただきました、再生たんすの調整に狛江市まで。和たんすの、召合せを少し削らせていただき調整完了でした。

その後の環八の混みようは尋常ではないですね。車が進みませんから。結局、練馬までは約一時間、そこからいつもの三芳SA下りで昼食を取り、一路、新潟までダッシュで帰ります。

今日の東京も初夏を思わせる天気で気温は約25度。しかし、帰りに新潟に入れば車の気温計は30度。おいおい、新潟の方が暑いじゃないですか。

予報では今週の新潟は気温が高い予報。
明日は、ゆっくりとお休みをいただき、週明けから全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県T様の和たんすを作る6

昨日は、引出しの枠を固め底板を木釘で打って止めたところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

引出しの底板を木釘で打っていきます。

引出しの底板を木釘で打ったら、底板、先板をカンナで仕上げていきます。そしてホテ板を削って仕上げながら引出しを入れていくのですが、ここが桐たんすの特徴の一つで、引出しを入れて当たったところで引出して、どこが当たっているのかを見ながら削り、また入れて見て、出して削るの繰り返しで、引出しを入れていくのです。

引出しのホテ板を削りながら、引出しを入れていきます。


どこが当たっているのかを確認しています。

はがき一枚の隙間がない位に引出しを入れていくので、引出しを入れると、別の引出しが出てくるような密閉度の高い引出しが生まれるのです。


引出しを入れると、まだ金具が付いていないので、大きな吸盤で引出しを出し入れします。


どこが当たっているのかを確かめながら、また削っていきます。

それを何度か繰り返しながら、引出しを入れたら、カガミ板をカンナで仕上げます。それで引出しは完成です。

引出しのカガミを仕上げます。

次に観音開きの扉に移ります。扉の両脇に貼り付けを貼り、全体をカンナで荒削りしていきます。
その次に、扉を立側に当ててみながら、扉を仕込んでいきます。

扉を仕込んでいきます。


最後に召合せを付けて、カンナで仕上げて完成です。

今日の私は、柾を組んでいました。注文が入ったたんすの柾は、まず図面に従って大まかな長さに切り、それを柾割機に通して、次に奥様が柾を真っ直ぐに目直しし、それから真っ直ぐに目が伸びた柾をあいばを擦ってから図面に従って柾を組んでいきます。

今日は柾を組んでいました。長い柾が多かったです。


今日はかなりの本数の柾を組みました。

明日も全力で頑張ります。