昨日は、福井県からご注文いただきましたT様の和たんすの組み立てを、「タイコ」「ゲス板」のところまでをお伝えしましたが、今日は、早くも立側(本体)を立てていくところに入ります。
昨日立てた、中棚、ゲス板、ツカ
タイコ(観音開きの中にある、衣装盆を支えている左右両側の板)には、衣装盆が入るタイコのサンというものを付けるのですが、写真が撮れず。
そして、「隠し箱」という、桐たんすにはどこぞに「隠し箱」や「隠し鍵」が潜んでいます。これは、隠し箱の写真ですが、一枚の板をくり抜き、そのくり抜いた板がフタになります。
一枚の板をくり抜き、隠しはこのフタにします。
そのくり抜いた板の下に、箱を取り付け、フタをきちんと乗せると、隠し箱が完成します。ここではどこの場所にあるのかは、説明しませんが、桐たんす職人の遊びココロと、桐たんすは火事になっても燃えにくいとの、性質をうまく兼ね備えた機能です。
くり抜いた板の下に箱を付けます。
その後、昨日、組み立てておいた、タイコ、ゲス板、ツカと今日は、それから進み、タイコ、ゲス板、ツカ、立側(左右)、上板、地板を組み合わせて、上台と下台を組み立てていく工程です。
タイコ、ゲス板、中棚、ツカを組み立てます。
このたんすの形は、「胴丸」という形なので、本体と上板は「ホゾ組」ではありません。立側(本体)の上に、上板が乗る形で組み立てていきます。タイコに中棚(ツカとゲス板がセットになった)を合わせていきます。(本体に入り込む中身です)
その後、本体にこのセットを入れ込んでいくのですが、ここがとても大切で、しっかりと離れないように接着しつつ、シャコ万(クランプ)でしっかりと止めていきます。そして本体と上板を一緒にシャコ万(くらんぷで)で止めていきます。
その後は、下台にかかります。
シャコ万でしっかりと止めていきます。
今回は、2つ重ねの和たんす。上台は、観音開きのみで、下台は引出し一段のみ。高さを抑えた、小袖たんすと呼ぶ桐たんすです。
その下台は、引出し一段ですから、小さな立側と上板(重ね板)、地板の組み合わせです。立側(本体)に上板(といってもここは重なる所の板です)通称「重ね」と呼びます。重ねを止めるるため、木釘で打っていきます。この木釘は3寸(約9cm)を使います。そして地板を接着で止めていきます。
下台に、木釘で止めていきます。
木釘は3寸。しっかりと打っていきます。
今の季節、気温が低いので、接着剤の乾きが悪く、ストーブの近くに置いて(あまり近くですと、熱で反ったりするので微妙に離します)時間をかけて乾かします。
その間は、段取りで他の作業に入るのですが、今日はここまで。立側が立ち始めると、本番モードで気合が入ります。明日からは12月。天気予報も雪のマークが出てきました。明日はタイヤを交換し、雪に備えます。
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