2008年 5月 の投稿一覧

家柄です。

   関西は曇り。   所によって雨でした。

今朝は、午前4時半起床で、5時出発という
関西方面の定番の出発時間。

でも、今の時期は午前4時半といっても明るいから
まだまだ、気持が楽だ。

いつものように、高速道路をひたすら西へと向かう。
助手席の弟は、熟睡。
私は、ひたすらアクセルを踏み、西へと・・・。

途中、約半分を過ぎたところで運転を弟に替わる。
でも、彼、配達中の高速道路で速度違反の切符を
切られているせいもあり、何だかゆっくりと走っている。

「おい、そんなんでは着かないぞ!」っていうと、
安全運転で・・・。と。
まあ、それに越したことはないのですが・・・。

予定していた時間を少し過ぎた、午前11時過ぎに
今日のお客様H様のご自宅に到着した。

玄関前に車を止め、思わず息を呑んだ。
「立派な門構えのご自宅」
チャイムを鳴らし、奥様と御嬢様が出迎えてくれた。

それからは、緊張の連続だった。
だって・・・・、すご過ぎた。

門から、玄関までは、石畳でお庭が続く。
立派で、大きな玄関は総大理石。
そして、玄関を過ぎれば、、ペルシャ絨毯が敷かれた
廊下。
その奥には、十数畳の日本間がニ間続き、その奥には、
きれいに手入れされたお庭が見え隠れしていた。

そのどれもが素晴らしかった。
桐たんすは、玄関を上がった最初の日本間に置かれ、
二本並んだ桐たんすは、そのシチュエーションも相まって
素晴らしく映えていた。

そして、なんと言ってもつつましい奥様のお出迎えと
御嬢様の人柄が素晴らしかった。

これが家柄なのだろう。
と、そう感じた。

全てにおいて、代々、その家に伝わってきた雰囲気というか、
躾というか、その全てが穏やかで、ゆっくりとした空気が
流れていた。

桐たんすや、桐チェストをお求め頂いた多くのお客様に
関わらせていただいてきたが、その誰もが、本当に、
素晴らしいお客様だった。

素晴らしいという意味は、良し悪しではなく、幸せそうな家庭だったと
置き換えてもいい。
前にも、書かせていただいた記憶があるが、
桐たんすをお求めいただける多くのお客様は、本当に
素晴らしい家庭を築いている方が多く、その誰もが
幸せに過ごされてきたのだな。と感じることが多い。

今日のH様も、本当にそうだった。
奥の座敷には、お祝いの品が並び、嫁ぐ日を前にして、
その準備が刻々と進んでいる様子が伺えた。

今日も、H様の結婚に際しまして、桐たんすという品を通して
お役に立てた事を誇りに思うと同時に、H様の益々の
お幸せを、心からお祈りします。

H様。
ありがとうございました。

やっぱり関西は好きです。

     雨のち曇り。   雨が降ると肌寒いです。

思い起こせば、今から20年も前になってしまう。
高校を卒業した私は、初代の創業者「桑原松太郎」さんの
遺言もあり、親戚の伝手を頼って、和歌山県の桐たんす
メーカーに就職(正確には修行)した。

修行にしては、2年間と言う短い間だったが、
今、思い返すと、私としては、仕事に没頭できた貴重な期間だった。

その関西での修行の時期がご縁の始まりなのか、
桐の蔵のお客様は、関西に住む方々とのご縁が多い。

実は、明日も、兵庫県まで桐たんすのお届けに、
弟と二人で行ってくる。
出発は、朝5時。
起床は、当然、4時半だ。
久しぶりに、気合の入る桐たんすのお届けです。

また、それも、お嫁入り道具としての桐たんすなので、
粗相は出来ない。
ご自宅にお届けするまでは、緊張が続きます。

このお客様とのご縁も、本当にすごかった。
今年の4月に京都で行った展示会で頂いた、ご縁なのだが、
実は、お客様(H様)は、別の用事で、会場にお越しになっていた。

用事を済ませ、桐たんすの展示会を行っていると言う事で、
御嬢様と、お母様の二人で、展示会場にお越しいただいたのだった。

私が担当し、話をさせていただいた。
その時は、お買い上げいただけるとは思いも寄らなかった。
お見積もりを書かせていただき、後日、お返事を頂くといった
感じだった。

その後、お見積もりをさせていただいた桐たんすをお求めいただき、
また、その他にも、追加で、和たんすもお求めいただいた。

本当に、人と人とのご縁って分からないものです。
だから、出会いは大切にしなければならないと、
つくづく感じた展示会でした。

私たちの展示会での出会いは、大切な人生の節目に
関わらせていただく、ありがたい仕事です。

この頂いたご縁を、ずーーーと大切にしながら、
この先も、お付き合いをさせていただきたいと思います。

私は、関西と水が合うのかもしれません。
でも、関東に方とも会うのですが・・・。

青森から来ますた・・・。

    晴れ。    今日は快晴でした。

今日は、朝5時半に起きて、福井県まで桐たんすをお届けに
行ってきた。
古くからお付き合いをいただいている家具店へのお届け。

新緑と、田植えが終わった景色を横目に見ながら、
高速道路をひた走り、約4時間で到着。
奥様と、会長様が待っていてくれて、お茶を頂きながら
話し込んだ。

話の内容は、まあ、取り留めのない話だが、これも大事。
その後、すぐに高速道路に乗り、工場へ戻った。

今回も早かった。
工場着は、午後3時前。
昼食は、ゆっくり食べたはずだが、いつもと同じ時間に
工場へ着いた。

今週末は、大阪まで桐たんすをお届けしなければならないので、
その桐たんすの最終点検をしなければならなかったので、
この時間に着いた事は、ホント、助かった。

午後3時の休憩を挟み、現場で仕事をしていたら、
何だか、玄関に若者が一人。
母が、出たらしいが、その若者は、奥で仕事をしていた
私を見ているので、しょうがなく手を止めて、玄関に向かった。

「なんでしょう?」って感じだったと思うが、話し掛けた。
そうしたら、バリバリの津軽弁で、

「あおもりからきますたーーー」
「なますぼりの、りんごのっずーす、いらんべか?」
と、こんな感じだった。

多分、このバリバリの青森弁で言う事自体が、
すでに、マーケティングなのだろう。
まだまだ、若い、20歳台の若者は、いかに青森から来たって
言っても、ここまでの方言は使わないだろ。

あえて、方言丸出しの言葉で話すことが
飛び込み営業のセールストークなのだと、何だか察した。

でも、なぜ、こんな忙しい工場に飛び込みで来るのだろう?
私なら、専業の奥様方のいる、住宅街を周るのに。と思った。
工場なんて、忙しいから断られるのに・・・。

どうも、青森の方の飛び込み営業は、このパターンが多い。
以前も、「青森からきますた、りんごいりますぇんか?」と、
来た若者も多かったし、海産物の青森の方も多かった。

どうやら、青森の営業パターンは、「バリバリの方言で飛び込み」が
多いらしい。

でも、気持は分からないでもない。
私も、以前は、家具小売店を見つけては、飛び込み営業を
繰り返していたから、飛び込みの営業マンの気持は痛いほど分かる。

だから、今回も若者の背中を叩きながら、「ごめんねーーーー」と
謝った。

多分、この若者は、こうして人生経験を積み、
ビックになっていくのだろう。

偉いと思う、飛び込み営業は。
だって、断られて当たり前だから。

でも、そうして得られる事って、ホント、沢山あるような
気がするのです。
私も、また、やろっかな?
飛び込み営業・・・。

「勝って」、「稼いで」。そして・・・。

  雨。     小学校の運動会でしたが雨で中止でした。

地元での展示会が終わった。
結果は?・・・。

目標は下回った・・・。
でも、来てくれるって言っていただいたお客様は、
遠方ながら、お出かけいただき、桐チェストを
お求め頂きました。
M様。本当に、ありがとうございました。

でも・・・・・・。
それからが続かなかった。
欲を言えばきりがないが、経営者である以上は、
「費用対効果」は無視できない。

展示会を終えて、工房に着いたら、いつも週末に送っていただく
某経営コンサルタントからのFAXが送信されていた。

いつも読んでいるが、今日は、展示会を終えて後始末に
忙しく、その場では読む時間がなかった。
でも、何となく気になったので、家に持ち帰り読ませていただいた。

良かった・・・。
このFAXを読んで。

そこには、「勝つ」=「稼ぐ」と置き換えると言ったことが
書かれていた。
「勝って」、「稼いで」何になるのだろうか?と書かれていた。

正直に言うが、私は、ずーーーと、「稼ぎたい」、
「稼がなければいけない」と思ってきた。
それは、この方のFAXを読んだ今でもそう思っている。

でも、この方の言う悟りとも言える言葉も分からないでもない。
しかし、まだ、私は、この方の域にまでは達していない。

今は、それでいいと思うし、いきなりそんなことを思っても
上辺だけの事で終わってしまう気がする。
このコンサルタントの方も、最初からこんな事を言っていたのでは
ないと思うし、経験とその人生観から、そんな言葉が出てきたのだと思う。

だから、私は、まだまだ未熟だから、「稼がなければならない」と
思うし、今は、それでいいと思う。(多くの方の生活がかかっていますから)

そんな経験を数々こなして、工場の経営を引退する頃に、
そんな気持になれたらと思う。

確かに、少し前の、「ITバブル」で財を成した経営者の
その後は、ほとんどテレビでも報道されなくなった。

少し前に流行ったアメリカ的なマーケティングも、今では
影をひそめ、やはり、日本には、日本の商売のやり方があると
思うし、我が国で何百年と続いてきた伝統ある老舗に、学ぶことも
多いと思う。

そんな事も含めて、この方は、長い目で見て「勝つこと」よりも、
「稼ぐこと」よりも、「働くこと」が大事だと言っている。

「一生懸命働けば、自分と自分の家族の何人かが暮れして
いけるだけのお金は稼げるものです」と書かれていた。

この言葉に、もう、これからの生き方が凝縮されている気がした。

「人に負けない。」
「人よりも多く稼ぐ。」

今の社会は、こんな物差しが確かにある。(ような気がする)
今の私も、そんな言葉に躍らせれている時もある。

でも、「私たち家族が食べていけるだけの収入があればいい。」
そんな事を、以前、嫁さんが言っていたような気がする。

お金は、なければならないが、ありすぎても・・・。
展示会を終えて、何だか考えさせられた時でした。

地元での展示会です。

   晴れ。   今日も暖かい。でも明日からは下り坂みたい。

明日からは、地元とも言うべき隣り町、新潟県三条市での
展示会。
ここは、一年に一回は、地元でも開催しようと、数年前から
一年に一回だけ開催してきた。

地元の開催なので、それは良し悪しはある。
でも、地元であろうが、県外であろうが、どこであろうと
素晴らしい出会いと、ご縁はある。

今日も、どこからなのかは分からないが、お問い合わせの
電話が鳴った。

ホント、人生なんてどうなるか、分からないものです。
でも、周到に準備をした展示会と、何にもしない展示会とでは
気持が違うし、どこかでそれを見られているような気がする。

だから、どんな展示かでも準備は怠ってはいけないし
それ以上に、毎日の行いが「運」や「ツキ」を呼んでいるようで
仕方がない。

いつも言うが、明日はどうなるのか分からないから、
「ツキ」を呼ぶ、行いや、行動は怠らないようにしたい。

明日からの、三条市での展示会、どうぞお近くの方は、
お時間を作ってお出かけいただければ幸いです。

お待ちしています。

額に汗と緊張と・・・。

   晴れ。    今日もTシャツでした。

2日前から、緊張の連続です。
このご注文をいただいたのは、今年の1月。
お客様は、かなりのこだわりの方で、多くの家具店や、
専門店を見て、最終的には、桐の蔵にお決めいただいた、
県外にお住まいのお客様だった。

桐たんすの本体をお決めいただき、その後、桐たんすに
お付けする金具をお決めいただくまで、約一ヶ月。
ご希望の金具をお決めいただくまでに、相当の時間を
費やした逸品です。

そのお陰もあり、製作中から気が気でなく、
常に気配りし、2日前から、塗装の段階に入った。

この塗装は、新人の石山君との二人三脚で行った。
石山君の仕事は、ここ最近は、ぐっと上達し、もう、ある程度は
一人で出来る。

しかし、この桐たんすは特別なので、付きっきりで
一緒に仕上げた。

でも、特別な桐たんすと言うプレッシャーが私を襲う。
今日一日は、ずーーーーと付きっきりで、緊張の連続の
あまり、額から何度も汗が流れた。

頭の隅には、お客様の顔が浮かび、「喜んでもらいたい」
一心で、今日一日は、付きっきりで仕上げに当たった。

肉体的な疲労もあるが、精神的な疲労は
その倍以上に疲れてしまう。

でも、何とか、この桐たんすが出来上がった。
M様。
来週には、お届けできると思います。

緊張のあまり、睡眠中も起き、心配だった逸品です。
お届けするまでが、心配ですが、とりあえず、
ご報告まで。

きれいに出来上がりました。

ご祝儀。

   晴れ。    風は冷たいが、いい天気でした。

先週、そして今日と、桐たんす(和たんす)を、お届けしてきた。
そのどちらのお客様も、お嫁入りの際の婚礼道具として
お求めいただいたお客様だった。

最近は、こうした婚礼家具としての需要は減っているが、
でも、まだまだ、きちんとしたお客様も多い。

先週お届けしてきたお客様は、お届けの際は、両家揃っての
お出迎いを受け、緊張したし、今日は、桐たんすをお部屋に
運び入れたら、「いいたんすだね〜」と、お祖母様が、
杖を突きながら、嫁がれるお孫さんに手を引かれて
桐たんすを見に来ていただいた。

こんな時が、私たちが桐たんす作りを行ってきた
最高の時間だ。
昔から、桐たんすは嫁ぐ時の道具としては、
最高のものとされてきた。

それは、時代が変われど、今の時代でも
桐たんすの不動の位置付けは変わらない。

そして、先週も、今日も、帰り際には、
心遣いの「御祝儀」をいただいた。

「御祝儀」
とてもいい言葉だ。

出していただく方も、「おめでたい」と言う気持で、
また、頂く方も、「遠慮なくいただいてしまう」(すみません)

最近、ご祝儀という機会はめっきり減ったので、
先週から、続けざまにいただいた御祝儀は、
思わず、ありがたく頂きました。

S様、Y様。本当にありがとうございました。

一期一会。

   晴れ。  でも、今朝は、ホント、寒かった・・・。

週末の山形市のでの展示会は、厳しかった。
でも、そんな事は分かっていたし、ある程度、
予想もしていた・・・。

でも、そんな中、ありがたい出会いもあった。

このお客様と出会ったのは、もう、4年前位だったと思う。
その時は、別の用事で、この会場を訪れ、たまたま、
行っていた私たちの展示会に足を運んでくれた。

その時の記憶も、今だに鮮明に覚えている。
その時は、「洋服たんすが欲しい」と、お話を聞いた。
ただし、もう少しで、家を新築するのでその時に
洋服たんすを作ってもらう。との事だった。

その後、山形に展示会に行くたびに、ご案内状を
出させていただいた。
でも、それが、お客様の心に引っかかっていたらしい。

今回、最終日にこのお客様は、わざわざ、遠方より
来ていただいた。
そして、「家族の反対があり、洋服たんすは・・・」との
事を、わざわざ言いに来てくれたのである。

私は、顔を見た瞬間、すぐに分かったし、そのお客様も
同じだった。
そして、すぐに話を切り出され、私にお詫びする。

ホント、来てくれるだけでも申し訳ないのに、
わざわざ、そのことだけを言いに、足を運んでくれたのだった。

よくよく、話を聞くと、最初の出会いから、2回、
山形から、桐の蔵の工場にも直接お出かけいただいた
事も分かった。

それが、二回とも日曜日だったために、会えずに
帰ったとの事。
そんな話を聞くと、尚の事ながら、申し訳なかった。

このお客様は、白髪の初老の紳士。
洋服たんすを数年後に求めたいと言った、自分の
言葉が、ずーーーーと胸に引っかかっていたと言う。
そのことを目に涙を浮かべながら、私に話してくれる。

もう、十分です。
わざわざ、1時間半もかけて、そのことを私に伝えたいために
時間を作って来てくれた。
それだけでも、申し訳ない気持だった。

世間では、こんな時代なんて言うが、まだまだ、
このようなお客様もいるのです。

このお客様は、桐たんすは買っていただけませんでしたが、
この出会いからは、それ以上のものを学んだような気がしてなりません。

こんな人になりたい。
本当に、素晴らしいお客様でした。

そして、また、始りました・・・。

    晴れ。   連休中はいい天気でした。

久しぶりにゆっくり出来た(?)連休も終わり、
今日からは、早速仕事モード。

やはり、緊張感と充実感が合わさる現場の仕事は、
気持良いです。
たまに取るお休みも良いけれど、この現場の仕事の
充実感にはかないません。

連休明けの今日は、昨晩から頭に描いていた
段取りを順調にこなし、午後からは、
予定をお聞きしていたお客様が来店。
桐たんすをお求め頂きました。

S様。
遠方よりお出かけいただきまして、ありがとうございました。
また、お気遣いもいただき感謝しています。
ありがとうございました。

やはり人間は、働くように出来ているようです。
休んでいると、体は鈍ってくるし、
気分が乗ってきません。
私にとっては、仕事が一番みたいです。

で、連休が終わったばかりなのに、今週末は
お隣りの山形市で、展示会を行います。

どうぞ、山形県の方々。
お時間を見つけて、桐の蔵の展示会へお出かけください。

今週末も天気は良さそうです。