2018年 10月 の投稿一覧

修理の桐たんすをお持ちいただきました。

昨日、材料がないことに気づいたので、今日は朝から棚板を奥様に貼っってもらい、私は小引き出し周りの細かな板を削って作り始めました。

午前中一杯はそれに費やし、午後から底板に行こうと段取りをしていた所、先日、桐たんすの修理のお問い合わせをいただいた
お客様から、再びお電話をいただき、「午後から桐たんすを持って行くので見てもらえませんか」とのお話でした。


若いご夫婦がお持ちいただいた桐たんす。

午後から新潟市からお出かけいただ来ました、まだお若いご夫婦の方が、車の乗せた2段引出しの古い桐たんすを
「これなんですが、見てもらえませんか」と話し始めました。

何でも奥様の家にあった古い桐たんすだそうで、「古い味も活かしながらきれいにしたい」とのご希望でした。状態もそんなに悪くなかったので、お値段を伝え、修理させていただくことになりました。
Y様、ありがとうございます。

年に何組かは、こうして工場まで桐たんすの修理のご依頼や、ショールームにお出かけいただきます。本当にありがたいことです。


大量の引出しの底板を削ります。

その後は、引出しの底板を削り、何とか就業時間を迎えました。明日は、引出しの底板を組むところまで行けるか。
明日も全力で頑張ります。

材料がなくなる時は、一斉です。

今日は、昨日に引き続き、奥様はホットプレスで板に熱を掛け、板の反りや狂いを取る仕事。私は、昨日、貼った柾板を削って、傷があったらそれを抜き、再び、貼ってきれいな柾板に仕上げる仕事でした。


柾板にあった傷。これを抜きます。


傷を抜いた柾板。 これを接着します。

貼った柾板を削り、傷を抜いて再び貼り直す作業は、とても時間がかかります。今日、傷を抜いた柾板は約30枚ほど。
一枚一枚細かくチェックし、小さな傷でも見逃さず抜きます。
そして接着剤で貼り直すのですが、傷を見極める神経と、貼り直す細かな作業で、目も腰も痛くなります。

そして午後3時過ぎに、やっとこの仕事が終わったのも束の間、職人さんの引出し周りの材料を出したら、材料が少なくなっていることに気づきます。


材料が少ない棚。 明日から作らねば。

先日も、引出しの先板とホテ板(側板)が無くなって、急遽、休日にやったのですが、今度は、棚板、ヘギホテ、ヘギ先板が少ないではありませんか。

言い訳ですが、先週は、ずっと3分板ばかり切っていたので、この板が少ないのに気が付きませんでした。材料がなくなるのってなぜか、一斉です。これもマーフィーの法則かも知れません。

一息つく間もなく、明日は、少なくなった板を作ります。明日も、全力です。

桐たんすの木取り  ホットプレスと柾貼り


板をホットプレスに掛ける奥様。

今日は先週から切り溜めておいた板を、熱で反りや狂いを取っていく「ホットプレス」。この担当は奥様で、もう何年もこれをやっているから段取りも完璧。どの板を、どこからやってどこに置いて行くのか、言わなくても分かっているから本当に助かります。


引出しのホテ板を組む親方。

そして、柾割が残っていたため親方も今日は工場に来ました。ついでに私が土曜日の休日にやっておいた、引出しの「ホテ板」も組んでもらい、これも助かりました。


私が貼った柾板。

そうして浮いた私の時間を、ホットプレスが終わって真っ直ぐになった急ぎの板を作っていったり、これも休日に組んでおいた
扉と引出しの柾を、貼ったりの仕事が出来、今日はずいぶんと仕事が進みました。


今日一日ホットプレスにかけて、真っ直ぐになった板。

今日一日ではホットプレスは終わらないので、明日も一日中、奥様にはホットプレスをやってもらい、私は、貼った柾板を削って、扉と引出しを作る仕事に進みます。

また、明日は先週、親方と買い付けた桐丸太が地元の製材所にやって来ます。出来るだけ早く、木はずみ(どの丸太を何分に製材するか、どこから切るかを決める作業です)して、寒くならない内に、板を干さなければなりません。

新潟は今日は雨。これからはこんな天気が続いて、そしてそれが雪に変わってきます。これからも天気予報と、にらめっこしながら段取りを組んでいきます。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの木取り   ホテ板を作る

一昨日の夕方、無くなっていた先板を何とか作り上げ、今日、引出しのホテ板を大至急作らなければならなかったのですが、
昨日は、親方の定期検診のため、病院まで送迎。

何事もなく、定期検診を終え自宅まで送ったのが午前11時半。そこからダッシュで工場に戻り、引出しのホテ板を作る作業に。


ホテ板の山。  これを削ってから板を組みます。

ホテ板とは、引出しの側板のことを加茂桐たんすではそう呼ぶのです。私が修行していた和歌山県では、「側板」と読んでしました。所変われば、呼び方も変わるのです。

昨日は、いつもよりも早く出社し、ホテ板を作る作業を行っていましたから、午後からの早い時間で終了し、その後は、裏柾を作ったり、月曜日のホットプレスに備えて、地板を切ったり、衣装箱のフタを切ったりしていました。


切った板。月曜日にホットプレスにかけます。

今週は、相当な板を切りました。月曜日に行うホットプレスは、かなりの電気量を使うため、出来るだけ、板をまとめて一度にホットプレスを掛けるようにするのです。ホットプレスは2日間はみっちりとかかりますし、その分、板を集中してホットプレスに掛けるのです。

今週はホント、板を切りまくりました。明日は工場はお休みですが、午前中は工場に行って残った仕事をやって、週明けに備えないといけません。

月曜日も全力で頑張ります。

桐丸太を買い付けに。

先日、いつもお世話になっている新潟県津南町で桐丸太を集めてくださっているFさんから電話があり、桐丸太が集まったとの連絡をいただきました。


集められた桐丸太。

そして天気が安定している今日、親方と一緒に津南町まで桐丸太の買い付けに行ってきました。

新潟県と長野県の県境にある津南町まで高速を使って約1時間半の道のりは、いつものように親方が歩んできた会社の事や、仕事の事話を聞き、それはそれで充実した時間です。


本数は28本。 今年も良い丸太が揃いました。

約束の午前10時に津南町の桐が集めてある土場に到着し、親方と私、Fさんと3人で桐丸太をありとあらゆる角度から見ます。
今年集められた桐丸太はみんなで28本。昨年が48本でしたので、約半分の量。Fさん曰く、年々、良いものが少なくなっていると言いますが、どうして今年は数は少ないものの、程度は上々。28本全てを仕入れ、津南町を後にしました。


引出しの先板を組みます。

午後からは工場に帰って、昨日、職人さんに引き出し周りの材料を出したら、引出しの先板とホテ板がないことに気づきます。
今日の午前中は津南町へ桐丸太の買い付けでしたが、午後からは早く帰って引出しの先板を作らねばと気を揉んでいました。

就業時間の5時ギリギリに何とか先板を組み終え、明日に繋げました。明日はホテ板を作らなければ。明日も全力です。

桐たんすの木取り  「引出しの底板」を切る

昨日の夜から新潟県は雨になり、今日も降ったり止んだりの天気です。予報通り今日は雨、昨日のうちに、8分板を倉庫に入れておいて良かった!とつくづく思いました。


元気に働く親方。

さて、今日は親方が工場にやってきました。昨日のうちに仕事を作っておいたので、今日は工場に来て仕事。
いつもながら、工場に来ると生き生きとして働きます。まだまだ、現役です。


板も貼ります。

そして私は、午前中は板貼り、午後からは引出しの底板を切る仕事。その間に、洋服たんすの梱包もして、何でもやります。

私達のように、零細個人経営は、一人が何役もこなさなければ工場が回りませんし、社長などと言って、社長業だけやっていればいい大きな会社とは訳が違います。次から次へと移り変わる現実に、必死に付いていくしかありません。


幅の広い板を出来るだけ切ります。

桐たんすの引出しの底板は、出来るだけ幅の広い板を切るようにしています。裏板でも書いたように、幅の広い板(木目)を横に3つ並べて、一つの引出しを私達は作るようにしています。なので、自ずと幅の広い板を見つけては、底板用に切っていきます。


床から黒板までを2山切ります。

今日は、午後からずっと底板を切っていたので腰が痛くなりましたが、いつもの目安は床から黒板のところまで板が付く位の山を、2山切ります。

これはかなりの板の枚数、切ることになります。先日の「ヘギ底」と今回の引出しの「底板」を合わせれば、100枚近い板を切っていることになります。

切る板は3分板(正式には3分3厘)桐たんす屋が一番多く使うのが、この3分板です。裏板、底板など、多くの板をこの3分板で賄いますので、この厚みの板を出来るだけ多く製材します。

先週から、結構な数、板を切ってきました。来週は、この板を熱で平らにする、ホットプレスです。

雨が降る前に。

今日は、午前中はご近所の田上町へ再生桐たんすのお届けでした。数ヶ月前にご依頼の電話をいただき、お引取りに伺った際に、普通の観音開きの和たんすを、衣装盆の入る場所を取って、洋服を掛けられるようにして欲しいとの要望でした。

洋服たんすは、奥行きが普通のたんすよりも深く、ハンガーをそのまま掛けれるように鳴っているのですが、和たんすは洋服たんすのように奥行きが深くなく、ハンガーを掛けるには、ハンガーが横になってかかってしまい、数も多く掛けれないのです。


こげ茶色で仕上げたたんす。観音開きの中は、衣装盆を取って、パイプを吊り、洋服が掛けられるように改造しました。

その旨をご了解いただいた上で、和たんすの観音開きの中を衣装盆が入る部分を取って、ハンガーが掛かるパイプを付けて、洋服たんすに改造しました。仕上げは、全体を焦げ茶のオイルで仕上げ、引出しのみ透明なクリアオイルのツートンカラーで仕上げました。

仕上がった桐たんすを見て、「これもありだな」と思う、結構、いい仕上がり。今後は、こんな感じのカラーリングも良いと思いました。


8分板を入れます。

そして午後からは、天気予報では明日は天気が崩れるとの予報でしたので、先日、板入れが出来なくて気になっていた8分板(24mm厚)の板入れを行いました。


トラックに積み込むと結構な数でした。

職人さん達はバタバタと忙しそうでしたので、板入れは私一人でやることに。まぁ、大した板数でもないし、時間も1時間もあれば終わるだろうと思っていましたが、一人って、なかなか進まないんですよね。

でも、雪が降る前に、8分板を倉庫に入れて良かったです。これで、春まで安心です。

桐たんすを梱包する

今日は、再び、桐たんすの梱包です。桐たんす3本、桐チェスト1本の梱包です。

先回も4本の桐たんすを梱包するのに半日かかりましたが、今回も同じ。何せ、桐たんすをダンボールで梱包し、その上からベニヤ板を当てて梱包するので、普通に梱包する倍以上の時間がかかります。

ダンボールをたんすのサイズに切って、そのサイズに合わせてベニヤ板を切って、ダンボールで蓋を作って、たんすの裏側もダンボールを当てとやってると、かなりの時間がかかってしまいます。

それと同時に、梱包しながらも、どこか気になるところはないか、そんな感じで同時進行しながら、桐たんすのチェックも怠りません。

私達が運べれば良いのですが、お客様との日程が合わなかったり、私達の都合が合わなかったりする場合は、運送会社さんに頼みます。

今回のお届け先は、東京、静岡、福岡、福島県です。やはり無事に届くまでは気になって仕方ありませんが、そこは運送会社さんを信用して。

どうか、無事に届きますように。宜しくお願い致します。

東京までお届けでした。

週末の金曜日、今日は東京まで桐たんすのお届けに行ってきました。起床は午前4時半。 本当は5時に起きようと思っていたのですが、年なのか、緊張からなのか、目が覚めてしまうのです。

午前4時半は辺りは真っ暗。やっと5時頃になって少し明るくなってきたかなぁという感じです。工場で弟と待ち合わせし、6時前に出発です。

東京は雨の予報でしたが、三芳SAについた時点で曇り。何とかこの天気が持ってくれと願いながら一軒目のお客様へ。


日本橋のお客様。こだわりの四方角 金具もかなりのこだわりがあります。

一軒目のお客様は、春の代官山の展示会でお求めいただきましたお客様。素敵なご夫婦で、旦那様はデザイナー。桐たんすの形や金具もセンスの良い選択でお決めいただきました。お届けしたのは、日本橋の素敵なマンションの和室。本当に素敵な和室にピッタリと収まりました。O様、ありがとうございます。


ミツ重ねの桐たんすです。

そして二軒目は、大田区のお客様。春にお預かりした再生たんすをお届けさせていただきました。
実は事前に、自宅前まで車が入らない事をお聞きしており、近くに車を止めて台車に乗せて約300mmほどガラガラと押して行かないといけないのです。

しっかりとダンボールで梱包し、雨も降らず、台車に乗せてご自宅までお届けすることが出来ました。S様、ありがとうございます。

そして三軒目は、桐たんすのお引取りでした。偶然に2日前にお客様から桐たんすの修理再生のお問い合わせがあり、今日、東京まで桐たんすのお届けがある旨をお伝えした所、今日、お引取りをご了解いただきました。


焦げ茶色のオイルで仕上げた桐たんす。 時代金具と合う色で私もお気に入りの仕上げです。

そして最後に四軒目は、府中市へ。このお客様も再生の桐たんすをお届けさせていただきました。
春先にお母様から、ご自宅にある古い桐たんすの修理のご依頼をいただき、それをお嬢様が使いたいとのお話でした。

かなり傷んでいた桐たんすでしたが、金具もサビを取り、再塗装し、焦げ茶オイルを塗り、渋く仕上げました。
金具も大きなごつい桐たんすは、こげ茶色に仕上げると本当に渋く仕上がるし、私もお気に入りの仕上げです。金具もそのまま再生し、桐たんすにしっくり来ます。K様、ありがとうございます。

今日は一日で四軒廻らせていただきました。私も一日四軒は初めてです。意外と回らせていただいた地域がコンパクトでしたし、お客様のご厚意で、今日の日を合わせていただきました。ホント、お客様に感謝です。ありがとうございます。

「いろいろな板を切る」

今日は、一日、いろいろな部分の板を切る作業でした。


今日一日で切った板。この後、まだまだ板切は続きます。

先日切った「へぎ底」から始まり、今日はヘギ底約70枚分の板を午前中で切り、午後からは注文が入った裏板、そして、胴丸用の地板、上板と進みます。

倉庫からそれぞれに見合った板を探し、その部分の板を切り、切り屑を焼却する。今日は、その繰り返して一日が終わりました。

午前中に奥様が貼った板を、午後から削って仕上げる作業も同時に行っていたため、気づけば終業の午後5時前。
時間があっという間に過ぎるとはこの事で、出荷前の桐たんすの点検や、梱包も溜まってきて、週末時間を作ってやらなければです。

でも、仕事があることに感謝です。