2019年 5月 の投稿一覧

桐たんすの組み立て 神奈川県T様の和たんすを作る5

昨日は胴丸の和たんすの立側が完成したところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。引出し周りに入っていきます。まずは、引出し、衣装盆の材料を出してもらい長さ切で、それぞれのサイズに切り分けます。

その後、底板、ホテ板、先板、カガミ板などの各材料をカンナ掛けしていきます。次に衣装盆(ヘギ)の制作に入っていきます。

引出しの底板をカンナで仕上げています。

丸盆に対して「ヘギ」は角盆で、外側四方は丸く加工しますが、内側は角で上部も平らになっています。角盆は木釘で打って固めていきます。

ヘギ(角盆)を木釘で固めていきます。

今回の和たんすは衣装盆(ヘギ)が7枚ですので、本体を先に7枚固めてから、底板を木釘で打っていきます。底板を7枚打ったら、衣装盆をハタガネでまとめて留めて、ホテ板と先板はまとめてカンナをかけて仕上げていきます。そして、四方の丸も一緒に丸めていきます。

衣装盆の枠を先に固めていきます。


衣装盆の底板を木釘で打っていきます。


ハタガネで締めてまとめて仕上げていきます。

次は引出しのカガミを仕込んでいきます。カガミを仕込むとは、引出しは入る部分に合わせて、カガミ(引出しの前板)を隙間なくピッタリと合わせていくことを、カガミを仕込むと言います。

小引き出しのカガミを仕込んでいます。

今回は、下三の和たんすなので、大引出しが3杯と、小引き出しが3つのカガミを仕込んでいきます。カガミを仕込んだら次は、ホテ板と底板が入る部分を毛引きで取って、カガミの裏側に印を付けていきます。

カガミの当たっている場所を削りながら、カガミを仕込んでいきます。


ホテ板と底板の入る部分を毛引きで取って、カガミの裏に印をつけます。

そこまでしたら、先板のほぞを取り、カガミ板とホテ板に蟻組を取って、引出しの枠を固めていきます。引出しの枠を固めたら、次に底板を木釘で打って止めていきます。

引出しの枠を作ったら、底板を木釘で打っていきます。

今日の私は、午前中はタイコを作り、チェストの側を作っていました。午後からは、無くなってしまった中棚を作り、明日、間に合わせます。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県T様の和たんすを作る4

昨日は胴丸の和たんすの上台と下台の立側を固め、台輪を作るところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。固めた上台の重ねの部分(上台と下台の重なる部分)を平になっているかを定規で確認しながら削っていきます。

平らになっているかを定規で確認しながら削っていきます。


上台を上下逆にして、重なりを四方削っていきます。

上台の下の部分、重なる四方を全て定規を当てて確認しながら削っていきます。その後は、上台と下台を重ねて上下逆にして重なりの部分を見ながら、ズレていないかを確認しながら、重なったときのズレを削っていきます。

重なりのズレを見るため、上台と下台を上下逆にして重ねます。


重ねた時に少しでもズレがないか確認し、ズレをカンナで取っていきます。


そして裏板をカンナで仕上げていきます。

そして重なりを合わせて、立側をカンナで仕上げたら下台の上板に「重ねのサン」を打ちます。これは、下台の上板に打つサンの事で、このサンによって上台と下台のズレを防ぎ、地震などの時も、上台が落ちてこないように上台をしっかりと支える役目もしています。

重ねのサンを打ちます。これは上台と下台がズレないように、上台が落ちないように止める意味もあります。

その後、台輪を下台に取り付けて、やっと立側が完成しました。この後は、引出し周りに入っていきます。

台輪を取り付けて、立側の完成です。

今日の私は、昨日削って準備していましたホテ板を組む仕事でした。枚数にして80枚近いホテ板を組みました。しかしこれもあっという間に無くなってしまうので大変です。

今日はホテ板を組んでいました。


かなりの枚数のホテ板になりました。

その後は、地板を組み、その板を貼ったり、扉やカガミ板を作ったりで次々と仕事が出てきます。
明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県T様の和たんすを作る3

今日の新潟は天気予報の通りに、夕方から久しぶりの雨が降ってきました。連休前に干した板ですが、雨が少なかったのでこの雨は嬉しいです。

夕方から久しぶりの雨です。

今日も下三の和箪笥の制作のですが、昨日までは観音開きの中の部分、中棚、タイコ、ツカを立てるところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

観音開きの中の部分の、中棚、タイコ、ツカを立てたら次に、上板、地板、立側の中に入れ込んでいき、上台を立てていきます。

上台の立側の中に、中棚、タイコ、ツカを入れ込んでいきます。

上台の作り方として、中の部分を立側本体の中に入れ込んでいくのです。入れ込むときは、長ハタガネと3寸の木釘mそしてシャコ万でしっかりと締めて、のりが乾くまで少しの間置いておきます。

立側をシャコ万でしっかりと締めていきます。

のりが乾いたら、上台の裏板を木釘で打っていきます。裏板を打つ前に、中棚、地板の位置に予め印をつけ、中棚、地板の場所に木釘が打てるようにします。

裏板を打つ準備をしています。


長ハタガネでしっかりと止めながら、裏板を木釘で打っていきます。

裏板を打ったら、下台の立側を組み立てます。下台は引出しが三杯入ります。下台の立側を固めたら、地板の部分を取り付けるため、シャコ万でしっかりと締めて付けていきます。

下台の地板の部分をシャコ万で締めて取り付けます。

その後は、上台の上板と地板を長ハタガネとシャコマンで締めて、のりが乾くまで少しの間、置いておきます。

上台の上板と地板を長ハタガネとシャコ万でしっかりと締めて取り付けます。

のりが乾くまでの間は、台輪の制作に入ります。胴丸の台輪は柾が縦目ですので、縦の目に沿ってカンナ掛けを行います。

胴丸の台輪は柾が縦目ですので、目に沿ってカンナで仕上げます。


胴丸の台輪を組みた立てていきます。

今日の私は、引出しの「ホテ板」がないことに気づき、急遽、ホテ板作りをしていました。1年間天日で干してアクを抜き、乾燥して山のように積んであるホテ板を台車に載せ、手押しで均して自動に掛けて厚みを決め、あいばを擦って組む段階まで持っていきます。

ホテ板を台車に積んで、これから手押しで均していきます。

その後は、カガミの芯を貼ったり地板を削ったりでホテ板を組むことは出来なかったので、明日に回します。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県T様の和たんすを作る2

先回から下三と呼ぶ胴丸の和たんすの制作をお伝えしていますが、先回は各部材のカンナ掛けを終え、棚板の立側に入る部分に毛引きの線を引き、ノコで切るところまでをお伝えしましたが今日はその続きです。

まずはタイコ(衣装盆が入る部分)に衣装盆が乗るサンを木釘で打っていきます。その後は、下台の引出しが入る部分に定規とシラガキで印をつけていきます。

タイコと呼ぶ衣装盆が入る部分にサンを打っていきます。


下台の引出しが入る部分の棚板の位置を定規とシラガキで印をつけます。

そして忍鍵と呼ぶ、隠し鍵の部分を作っていきます。次に、観音開きの中にある小引き出しのツカを組みた立てていきます。

忍び鍵と呼ぶ、隠し鍵を作っています。


観音開きの中にある小引き出しが入る部分のツカを作ります。


そしてタイコのサンを打ち終え、小引き出しが入る中棚の溝を掘り、タイコを立てる準備をします。


そして上台の観音開きの中の部分、タイコ、中棚、ツカをまずは組み立てていきます。

中の部分を組み立て、これを今度は上板、地板と一緒に立側を組んでいくのですが、その前に上板の「戸渡」と呼ぶ、観音開きの扉がちょうどの位置で止まるように、それ以上扉が奥にいかないように、「戸渡」と呼ぶサンを打ちます。

戸渡を打っていきます。

今日の私は午前中はカガミの芯を作り、午後からは芯を加工しカガミ作りを行っていました。天気が良く、工場の二階はTシャツで十分です。

明日も全力で頑張ります。

電気屋さん点検の日。

ここ数日新潟はいい天気に恵まれていますが、今日も朝から天気がよく気持ちのいい朝です。

天気が良く、気持ちのいい朝でした。

5月は天気が安定しているとのことで、毎年、5月のお休みの日に工場の高圧電気の点検を行っていますが、今日がその日。
仕事がお休みの日に数時間、電気を止め点検です。

電気が止まるまでは、胴丸の胴巻を巻いています。

私はいつものように出社し、電気が止まるまでいつものように仕事。その後、電気が止まってからは来週お届けする桐たんすの調整と点検、そして梱包と電気がなくてもやれる仕事をします。

来週お届けする桐たんすの調整と点検、そして梱包です。

しかし、いざ桐たんすの調整してても蛍光灯が点かない、瞬間湯沸かし器が付かないなど、やはり不便なもんですね。
水と電気のありがたさがつくづく分かります。

明日は連休後の日曜日。町内の泥上げがあり朝から出動です。
明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県T様の和たんすを作る

今日からは神奈川県のT様からご注文いただきました和たんすの制作をお伝えしていきます。

今回は和たんすの基本の形「下三」と呼ぶたんすのご注文でした。下三とは、本体が2つに分かれる桐たんすで、上台と下台に分けれます。その下台に引出しが三段付いているので「下三」と呼びます。上台は観音開きで中は衣装盆のたんすです。

まずは図面を渡して、この図面を元に桐たんすを作っていきます。木取りを出してもらい、その全てを台車に乗せて長さ切りで、各々の材料を切っていきます。

図面をもとに、和たんすを作っていきます。


和たんすの木取り一式です。


胴丸は、定規棒がありその定規棒の寸法で上台と下台を切っていきます。

木取りの長さ、幅、奥行き、それぞれの長さに切ったら、次はカンナ掛けです。それぞれの部材の、たんすの内側になる部分をこの段階でカンナ掛けしていきます。

裏板の内側になる部分をカンナ掛けしていきます。


裏板、地板、棚板、上板、タイコなど、それぞれの部材をカンナ掛けしていきます。


棚板を立側に入れ込むために、棚板を欠く部分を毛引きで線を付けていきます。


立側に入る部分をノコで切っていきます。

今日の私は、午前中は棚板の貼り付けを貼り、その後、裏柾の足りない部分を切り、午後からは柾を組んでいました。

観音開きの扉の柾をくんでいました。

明日は午前中、電気屋さんの点検で工場の電気が止まるため、私は電気を使わない仕事を今日中に段取りしてきました。
明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福岡県I様の和たんすを作る5

昨日は、引出しの組み手を取り引出しの枠を組んだところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

衣装盆(丸盆)の底板をサイズに合わせて長さ切りで切っていきます。丸盆の内側を隅丸サンダーで丸くしていきます。

丸盆の底板を長さ切りで切っていきます。


丸盆の内側の丸を作ります。

その後は丸盆の底板を木釘で打っていきます。そして次に、丸盆の上部、側、前、先をカンナで仕上げていきます。仕上げたら、外側の角を丸くして仕上げていきます。

丸盆の底板を木釘で打っていきます。


丸盆の上部をカンナで仕上げていきます。

次に引出しに入ります。引出しの底板を木釘で打ち、止めていきます。

先板、底板を仕上げてから、ホテ板を仕上げながら引出しを入れていきます。入れては出し、出しては入れてを繰り返しながら、当たっている場所を探しながら、引出しがスムーズに入るように削っていきます。

ホテ板を削りながら引出しを入れていきます。


引出しが入ったら、カガミ板をカンナで仕上げます。

丸盆の上部をトリマーで丸く削り、ペーパー(紙やすりをペーパーと呼びます)で一つ一つペーパーを掛けながら仕上げていきます。

トリマーで丸盆の上部を丸くしていきます。


ペーパーで丸盆を仕上げていきます。

そして最後に観音開の扉を仕込みます。立側に扉を当て、扉の側面を削りながら立側のい合わせていきます。観音開きの扉両側を合わせたら、最後に扉、両面をカンナで仕上げて、右の扉に召合せを付けて完成です。
この後は、との粉を塗り、金具を付けて完成となります。

扉を立側に当て、仕込んでいきます。


扉の表と裏を仕上げて完成です。

今日の私は、午前中、ダッシュで昨日の続きの棚板を作り、その後、貼付けを貼り、表の柾が出来るまでに、裏柾を午後から切っていました。

棚板の貼り付けを貼ります。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福岡県I様の和たんすを作る4

昨日は和たんすの立側が完成し、引出し周りの材料を出してもらい、カンナ掛けしたところまでをお伝えしましたが、今日その続きです。

まずは衣装盆(丸盆)の角を毛引きで取り、その部分をノコで切り、切った部分を衣装盆の内側に貼り付けて、丸盆の内側の丸にします。

丸盆の内側に付ける部分を毛引きで取ります。


毛引きで取った部分をノコで切ります。

今回の和たんすの丸盆は全部で9枚。その全てに角を切って、内側に貼り付けて重ねていきます。内側に付けたのりが乾く間に、引出しの底板のカンナ掛けを行います。

切った部分を丸盆の内側に貼ります。


内側に張ったら、一枚一枚重ねていきます。


のりが乾く間に、引出しの底板を仕上げていきます。

次に引出しのカガミ板を仕込んでいきます。引出しを仕込むとは、引出しのカガミ板(前板)を引出しが入る場所にピッタリと隙間なく合わせていくことを「仕込む」と言います。

引出しのカガミを仕込んでいきます。

次に引出しの先板のホゾを昇降盤と毛引きで取って、ホテ板とカガミ板は蟻組を取ります。カガミ板、ホテ板、先板の組み手を全て取ったら、引出しの枠を組んでいきます。

引出しの枠を組んでいきます。


ホテ板と先板。先板のホゾにホテ板を組んで、木釘で止めます。

今日の私は、まずは地板を組んで貼り、次いで昨日切った柾板を、柾割機に通して使えない部分を捨て、良い柾の部分だけを残します。

地板を組んでいきます。


昨日切った柾板を柾割機に通して割っていきます。

そして夕方からは無くなった棚板をダッシュで作りました。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福岡県I様の和たんすを作る3

長かったゴールデンウィークもやっと終わりました。私は少しの時間ですが毎日工場に行き、一人で仕事をしてストレスを発散しておりました。ニュースでも言ってましたが、もう10連休はいらないですね。

さて、連休前から止まっていました福岡県I様の和たんすの制作の続きです。10日も前なので忘れていますが、上台と下台の立側を立てたところまでをお伝えしましたが今日はその続きです。

上台の立側を逆さにして、下台に重ねた時にピッタリと隙間なく会うように、重なりを定規を当てながら削っていきます。

定規を当てながら、重なり部分を平らに仕上げていきます。

前部分、両脇部分、後ろと四方に定規を当てながら、真っ直ぐかどうかを確認しながら削っていきます。

四方とも平らに仕上げていきます。

その後は、重ねのサン(上台と下台が重さなる部分、下台の上板にズレないようにサンを打ちます)をしっかりと噛み合わせるように、毛引きで寸法を取り、サンを打っていきます。

重なる部分に重さなりがズレないようにサンを打ちます。


サンを打つ場所は毛引きで取って印をつけます。

重ねのサンを打ったら、立側を重ねて横にして、長ハタガネでズレないように固定して、立側を横にして一気にカンナをかけて立側を仕上げていきます。

立側を横にして長ハタガネで固定して、立側を一気にカンナで仕上げます。

立側を仕上げたら、上板、地板、全面とすべての部分をカンナで仕上げていきます。そうしたら、立側は完成です。その後はたんす本体が乗る台輪を作って、その後、引出し周りに入っていきます。

立側が立ったら、引出し周りに入っていきます。

引出し、衣装盆の材料を出してもらい、長さ切りでそれぞれの材料を各々の長さに切り分けます。そして次に、その材料をカンナ掛けしていきます。

引出し周りの材料を切った後は、それぞれをカンナで仕上げていきます。

今日の私は、午前中は裏板、地板を削り、板を組んでいました。午後からは柾を切り、柾割機に通す前までを行いました。

柾を切り、印をつけます。


明日は柾割機に通します。

9日間のお休みでしたが、毎日のように工場に来ていましたので、今日は問題なく動けましたね。
明日も全力で頑張ります。

まだ、もう少しおやすみです・・・。


ここ数日は快晴の新潟です。

個人的にはもうお休みは十分ですが、まだお休みは続きます。9連休もあるのに旅行にも行かず、お出かけすることもなく、ちょくちょく工場へ行き、仕事をして帰ってくるという、貧乏症の私の性格がそのまま出た一週間でした。

休日は誰もいないので、仕事が進みます。

今日も、午前中は奥様の買い物に付き合い、午後からは工場で仕事。そして夕方は、東京へと帰る次女ゆうちゃんを送りに燕三条駅までと、充実した一日を過ごすことが出来ました。

和たんすの立側を作ってきました。

明日は今日よりも気温が上がり天気が続く予報。
明日は連休明けの仕事を想定して、準備をしてきます。