1.会社での出来事

愛知県まで、桐たんすのお届けでした。

11月4日(日)、大安吉日の良き日に、今日は愛知県田原市まで桐たんすのお届けに行ってきました。

起床は久々の午前4時。緊張のためか、夜中に1時間おきに起きてしまい、幾分寝不足でしたが、工場で弟と5時に待ち合わせ、一路、愛知県まで北陸道、上信越道、中央道、東名とひた走ります。

東名豊川ICで降りて、そこから約30分下道を走ると、田原市に入ります。事前に、近くの道の駅に着いたら電話して下さいとの事でしたので、電話をし、数分待って、お迎えに来ていただきました。

その後は、新築のご自宅に到着し、お届けをさせていただいたのですが、新築のご自宅の素敵さ。素晴らしいご自宅でした。
W様のセンスなのでしょう、お庭の作りといい、アプローチ、そして玄関からお部屋の中も全てセンスあふれる素敵さでした。


お部屋に収めさせていただきました、和たんす「春」

そんなご自宅の一室に、弊社の最高級和たんす「春」をお納めさせてただ来ました。たんすの金具は、桐の蔵オリジナルの「ため色漆金具」をお選びいただきました。


桐の蔵オリジナルのため色漆金具です。

帰りには、お土産もたくさんいただき、帰路につきました。往復10時間とちょっとの道のりでしたが、今日も良い一日でした。
W様、本当にありがとうございます。

今週は土曜が仕事、今日がお届けで、お休みがありませんでしたが充実している証。
明日からも全力で頑張ります。

桐たんすの木取り  底板を作る。

11月に入りました。昨日と同様、今日も足りなくなった木取り(部材)との戦いでした。が、午前中は、長岡市まで桐たんすのお届けに行ってきました。

予定では、午前11時頃には帰れる予定でしたが、押せ押せのお届けで、帰ってきたらちょうど正午。人生、何があるか本当に分かりませんね。


奥様が貼ってくれた引出しの底板。 ホント、仕事が早くて感謝です。

正午に帰ってきて、昼食を挟み、午後からの段取りを考えます。奥様が午前中に貼ってくれた底板を削って、底板を作らなければならないのですが、その他にも、今日、やらなければならないことが次から次へと降ってきます。

急遽、立側を作らなければ間に合わないことに。ホント、マーフィーの法則の如く、無くなるのは一斉です。
その後は、立側を作って終業を迎えようと思ったのですが、なかなか思うようには行かず、明日に回すことに。


山形県酒田市から依頼された修理の桐たんす。 緊張と責任とプライドで修理します。

そうしたら、仕上げ職人の石山君が、数日かけて仕上げた、再生たんすが出来上がっていましたので、その調整をすることに。
このたんす、山形県酒田市から修理を依頼されたたんすで、弊社に届いた時から雰囲気が違っていました。

どう見ても、酒田船箪笥の面影を残しているたんすでした。その修理・再生を承っていましたので、相当な責任と、何とかしてきれいにしてお戻ししたいとの職人のプライドで、この仕事を請け負いました。完成したたんすを見て、これで良かったと思いました。修理する職人さんと、仕上げる職人さんの思いが一致しました。


こんなたんすは中々、お目にかかれません。きれいに完成して、本当に良かったです。

本当に、桐たんすはどんなに古くなっても、その当時の思い出と、その方の思いを現代に繋いでくれる素晴らしい日本の文化だと思っています。

古い桐たんすの再生事業を立ち上げて良かったと、本当に感じています。明日は工場はお休みですが、私は仕事です。
休日こそ、全力で頑張ります。

桐たんすの木取り  底板と木はずみと。


貼り付けを貼った棚板。 奥様は仕事が早いです。

ここ数日、足りなくなった板(部材)を作るのに、必死です。今日は、昨日奥様に貼って頂いた棚板を、さらに奥様から貼り付けを貼ってもらい、私はその間に、残った引出しの底板を削る作業へ。


引出しの底板を組んでいます。 木表、木裏を確かめ大きな木目三枚で組みます。

今日の段取りで、何とか午前10時から引出しの底板を組んで、一枚でも多く今日の内に組んでおきたいと、必死かつ慎重に底板を組み、約半分組んだところで、午前中が終わりました。


お昼休みに自動の刃物を交換します。

午後からはやる事が目白押しのため、お昼休みに自動(自動カンナ)の刃物を交換し、午後からの仕事に備えます。

午後からは、奥様に貼り付けを貼っていただいた棚板の厚みを最終的に決めるため、刃物を変えたばかりでテロテロの自動(自動カンナ)を掛けます。これで、やっと棚板が完成し、ホット一息付く間もなく、束の間の晴れ間を縫って、親方と共に地元の製材所へ。


1本1本、慎重に丸太を見ていきます。

先日仕入れてきた桐丸太が製材所に並べてあり、木はずみをするために親方と製材所へやってきました。木はずみとは、丸太1本1本をじっくり見て、何分に製材するか、曲がっていたらどこから切るかを決める作業です。
今回は、3分板と4分板、そして7分板を取ることに。全部で28本ですので、本当はもう少し欲しいところですが・・・。


やっとで80数枚の引出しの底板を組み終わりました。重ねて積み上げると2本のタワーになります。

時間にして約30分の木はずみを終え、急いで工場へ戻り、やりかけの引出しの底板を組む仕事を再開です。
午後4時半過ぎに、引出しの底板83枚と、三割用の底板20枚を組み終わりました。ここで、やっと今日の最低限の段取りを終えることが出来ました。

その後は、引出しの芯を作っていたら、弟が「今作っているたんすの棚板をもう一枚作って!」とのことで、急遽、板を切って作ることに。

そんなこんなで、バタバタと就業時間の5時を迎えました。今日は全力でやりきった!前の日からイメージしていた時間どおりの段取りでした。

これも奥様や親方、職人の皆さんのおかげです。ホント、ありがとうございます。
明日も、全力で頑張ります。

修理の桐たんすをお持ちいただきました。

昨日、材料がないことに気づいたので、今日は朝から棚板を奥様に貼っってもらい、私は小引き出し周りの細かな板を削って作り始めました。

午前中一杯はそれに費やし、午後から底板に行こうと段取りをしていた所、先日、桐たんすの修理のお問い合わせをいただいた
お客様から、再びお電話をいただき、「午後から桐たんすを持って行くので見てもらえませんか」とのお話でした。


若いご夫婦がお持ちいただいた桐たんす。

午後から新潟市からお出かけいただ来ました、まだお若いご夫婦の方が、車の乗せた2段引出しの古い桐たんすを
「これなんですが、見てもらえませんか」と話し始めました。

何でも奥様の家にあった古い桐たんすだそうで、「古い味も活かしながらきれいにしたい」とのご希望でした。状態もそんなに悪くなかったので、お値段を伝え、修理させていただくことになりました。
Y様、ありがとうございます。

年に何組かは、こうして工場まで桐たんすの修理のご依頼や、ショールームにお出かけいただきます。本当にありがたいことです。


大量の引出しの底板を削ります。

その後は、引出しの底板を削り、何とか就業時間を迎えました。明日は、引出しの底板を組むところまで行けるか。
明日も全力で頑張ります。

材料がなくなる時は、一斉です。

今日は、昨日に引き続き、奥様はホットプレスで板に熱を掛け、板の反りや狂いを取る仕事。私は、昨日、貼った柾板を削って、傷があったらそれを抜き、再び、貼ってきれいな柾板に仕上げる仕事でした。


柾板にあった傷。これを抜きます。


傷を抜いた柾板。 これを接着します。

貼った柾板を削り、傷を抜いて再び貼り直す作業は、とても時間がかかります。今日、傷を抜いた柾板は約30枚ほど。
一枚一枚細かくチェックし、小さな傷でも見逃さず抜きます。
そして接着剤で貼り直すのですが、傷を見極める神経と、貼り直す細かな作業で、目も腰も痛くなります。

そして午後3時過ぎに、やっとこの仕事が終わったのも束の間、職人さんの引出し周りの材料を出したら、材料が少なくなっていることに気づきます。


材料が少ない棚。 明日から作らねば。

先日も、引出しの先板とホテ板(側板)が無くなって、急遽、休日にやったのですが、今度は、棚板、ヘギホテ、ヘギ先板が少ないではありませんか。

言い訳ですが、先週は、ずっと3分板ばかり切っていたので、この板が少ないのに気が付きませんでした。材料がなくなるのってなぜか、一斉です。これもマーフィーの法則かも知れません。

一息つく間もなく、明日は、少なくなった板を作ります。明日も、全力です。

桐たんすの木取り  ホットプレスと柾貼り


板をホットプレスに掛ける奥様。

今日は先週から切り溜めておいた板を、熱で反りや狂いを取っていく「ホットプレス」。この担当は奥様で、もう何年もこれをやっているから段取りも完璧。どの板を、どこからやってどこに置いて行くのか、言わなくても分かっているから本当に助かります。


引出しのホテ板を組む親方。

そして、柾割が残っていたため親方も今日は工場に来ました。ついでに私が土曜日の休日にやっておいた、引出しの「ホテ板」も組んでもらい、これも助かりました。


私が貼った柾板。

そうして浮いた私の時間を、ホットプレスが終わって真っ直ぐになった急ぎの板を作っていったり、これも休日に組んでおいた
扉と引出しの柾を、貼ったりの仕事が出来、今日はずいぶんと仕事が進みました。


今日一日ホットプレスにかけて、真っ直ぐになった板。

今日一日ではホットプレスは終わらないので、明日も一日中、奥様にはホットプレスをやってもらい、私は、貼った柾板を削って、扉と引出しを作る仕事に進みます。

また、明日は先週、親方と買い付けた桐丸太が地元の製材所にやって来ます。出来るだけ早く、木はずみ(どの丸太を何分に製材するか、どこから切るかを決める作業です)して、寒くならない内に、板を干さなければなりません。

新潟は今日は雨。これからはこんな天気が続いて、そしてそれが雪に変わってきます。これからも天気予報と、にらめっこしながら段取りを組んでいきます。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの木取り   ホテ板を作る

一昨日の夕方、無くなっていた先板を何とか作り上げ、今日、引出しのホテ板を大至急作らなければならなかったのですが、
昨日は、親方の定期検診のため、病院まで送迎。

何事もなく、定期検診を終え自宅まで送ったのが午前11時半。そこからダッシュで工場に戻り、引出しのホテ板を作る作業に。


ホテ板の山。  これを削ってから板を組みます。

ホテ板とは、引出しの側板のことを加茂桐たんすではそう呼ぶのです。私が修行していた和歌山県では、「側板」と読んでしました。所変われば、呼び方も変わるのです。

昨日は、いつもよりも早く出社し、ホテ板を作る作業を行っていましたから、午後からの早い時間で終了し、その後は、裏柾を作ったり、月曜日のホットプレスに備えて、地板を切ったり、衣装箱のフタを切ったりしていました。


切った板。月曜日にホットプレスにかけます。

今週は、相当な板を切りました。月曜日に行うホットプレスは、かなりの電気量を使うため、出来るだけ、板をまとめて一度にホットプレスを掛けるようにするのです。ホットプレスは2日間はみっちりとかかりますし、その分、板を集中してホットプレスに掛けるのです。

今週はホント、板を切りまくりました。明日は工場はお休みですが、午前中は工場に行って残った仕事をやって、週明けに備えないといけません。

月曜日も全力で頑張ります。

桐丸太を買い付けに。

先日、いつもお世話になっている新潟県津南町で桐丸太を集めてくださっているFさんから電話があり、桐丸太が集まったとの連絡をいただきました。


集められた桐丸太。

そして天気が安定している今日、親方と一緒に津南町まで桐丸太の買い付けに行ってきました。

新潟県と長野県の県境にある津南町まで高速を使って約1時間半の道のりは、いつものように親方が歩んできた会社の事や、仕事の事話を聞き、それはそれで充実した時間です。


本数は28本。 今年も良い丸太が揃いました。

約束の午前10時に津南町の桐が集めてある土場に到着し、親方と私、Fさんと3人で桐丸太をありとあらゆる角度から見ます。
今年集められた桐丸太はみんなで28本。昨年が48本でしたので、約半分の量。Fさん曰く、年々、良いものが少なくなっていると言いますが、どうして今年は数は少ないものの、程度は上々。28本全てを仕入れ、津南町を後にしました。


引出しの先板を組みます。

午後からは工場に帰って、昨日、職人さんに引き出し周りの材料を出したら、引出しの先板とホテ板がないことに気づきます。
今日の午前中は津南町へ桐丸太の買い付けでしたが、午後からは早く帰って引出しの先板を作らねばと気を揉んでいました。

就業時間の5時ギリギリに何とか先板を組み終え、明日に繋げました。明日はホテ板を作らなければ。明日も全力です。

桐たんすの木取り  「引出しの底板」を切る

昨日の夜から新潟県は雨になり、今日も降ったり止んだりの天気です。予報通り今日は雨、昨日のうちに、8分板を倉庫に入れておいて良かった!とつくづく思いました。


元気に働く親方。

さて、今日は親方が工場にやってきました。昨日のうちに仕事を作っておいたので、今日は工場に来て仕事。
いつもながら、工場に来ると生き生きとして働きます。まだまだ、現役です。


板も貼ります。

そして私は、午前中は板貼り、午後からは引出しの底板を切る仕事。その間に、洋服たんすの梱包もして、何でもやります。

私達のように、零細個人経営は、一人が何役もこなさなければ工場が回りませんし、社長などと言って、社長業だけやっていればいい大きな会社とは訳が違います。次から次へと移り変わる現実に、必死に付いていくしかありません。


幅の広い板を出来るだけ切ります。

桐たんすの引出しの底板は、出来るだけ幅の広い板を切るようにしています。裏板でも書いたように、幅の広い板(木目)を横に3つ並べて、一つの引出しを私達は作るようにしています。なので、自ずと幅の広い板を見つけては、底板用に切っていきます。


床から黒板までを2山切ります。

今日は、午後からずっと底板を切っていたので腰が痛くなりましたが、いつもの目安は床から黒板のところまで板が付く位の山を、2山切ります。

これはかなりの板の枚数、切ることになります。先日の「ヘギ底」と今回の引出しの「底板」を合わせれば、100枚近い板を切っていることになります。

切る板は3分板(正式には3分3厘)桐たんす屋が一番多く使うのが、この3分板です。裏板、底板など、多くの板をこの3分板で賄いますので、この厚みの板を出来るだけ多く製材します。

先週から、結構な数、板を切ってきました。来週は、この板を熱で平らにする、ホットプレスです。

雨が降る前に。

今日は、午前中はご近所の田上町へ再生桐たんすのお届けでした。数ヶ月前にご依頼の電話をいただき、お引取りに伺った際に、普通の観音開きの和たんすを、衣装盆の入る場所を取って、洋服を掛けられるようにして欲しいとの要望でした。

洋服たんすは、奥行きが普通のたんすよりも深く、ハンガーをそのまま掛けれるように鳴っているのですが、和たんすは洋服たんすのように奥行きが深くなく、ハンガーを掛けるには、ハンガーが横になってかかってしまい、数も多く掛けれないのです。


こげ茶色で仕上げたたんす。観音開きの中は、衣装盆を取って、パイプを吊り、洋服が掛けられるように改造しました。

その旨をご了解いただいた上で、和たんすの観音開きの中を衣装盆が入る部分を取って、ハンガーが掛かるパイプを付けて、洋服たんすに改造しました。仕上げは、全体を焦げ茶のオイルで仕上げ、引出しのみ透明なクリアオイルのツートンカラーで仕上げました。

仕上がった桐たんすを見て、「これもありだな」と思う、結構、いい仕上がり。今後は、こんな感じのカラーリングも良いと思いました。


8分板を入れます。

そして午後からは、天気予報では明日は天気が崩れるとの予報でしたので、先日、板入れが出来なくて気になっていた8分板(24mm厚)の板入れを行いました。


トラックに積み込むと結構な数でした。

職人さん達はバタバタと忙しそうでしたので、板入れは私一人でやることに。まぁ、大した板数でもないし、時間も1時間もあれば終わるだろうと思っていましたが、一人って、なかなか進まないんですよね。

でも、雪が降る前に、8分板を倉庫に入れて良かったです。これで、春まで安心です。