桐たんすの組み立て 東京都S様の和たんすを作る 5

昨日は、和たんすの立側を立て、板盆の「はしばみ」を作る工程までをお伝えしましたが、今日はその続きです。

今日は引出し周りに入っていきます。まずは、引出しの前の蟻組みを取ります。(これは機械で取ります)その後、蟻組みが中で付きやすいように内側をノミで少し取っていきます。

蟻組みを取った後に、ノミで付きやすいように奥の方を取っていきます。

その後は、引出しのホテ板、先板のホゾを昇降盤で取ります。そして、スッキリと取れない部分はホテ板をまとめてノミで取っていきます。

昇降盤でホテ板のホゾを取ります。


残った部分をまとめてノミで取っていきます。


先板もホゾを取ります。

かなり端折りましたが、これで引出しの枠を固める準備が出来ましたので、次にヘギ(衣装盆)に入っていきます。

ヘギのカガミを打っていきます。

まずはヘギのカガミ(前板)、ホテ板(側板)、先板を組んでいきます。カガミとホテ板は欠いて木釘で打ち、ホテ板と先板は木釘で止めていきます。

ヘギの枠をまとめて作っていきます。

今回の和たんすはヘギが7枚ですので、枠を7枚分作ったら、底板を打っていきます。これも木釘で打って止めていきます。

ヘギの底板を打っていきます。

その後は引き出しに入っていきますが、今日はここまで。明日も、全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都S様の和たんすを作る 4

今朝は冷え込んだものの、日中は気温も上がり今日も快適に仕事ができました。今日は、久しぶりに親方も工場にやってきて、作っておいた仕事(柾割)をやってもらいました。いつものことながらすこぶる元気で、仕事もバリバリやっていました。

柾を割る親方。いつも元気です。

昨日は和たんすの上台、下台の立側を立て本体を寝せてハタガネで固定して、立側を一気にカンナで仕上げた所までをお伝えしましたが、今日はその続き。

立側を仕上げた後は、本体の前面を仕上げていきます。9分厚(27mm)の立側に真っ直ぐにカンナを乗せていかなければならないため、慎重にカンナをかけていきます。

たんす本体の全面をカンナで仕上げていきます。

その後はこのたんすは、四方丸(たんすの四隅が丸)なので、その内側を小刀で一つ一つ丸く仕上げていきます。そして削ったところは桐に付けたペーパー(紙やすりのことをペーパーと呼びます)を丸くしたところにかけ、きれいに仕上げていきます。

小刀でたんすの内側の丸を作っていきます。


丸く削った後、ペーパーをかけて仕上げていきます。

これでやっと立側が立ちました。

下三と呼ぶ和たんすの立側が立ちました。

次は引出し周りを作っていきます。引出し、衣装盆、小引き出しの材料を出してもらい、長さ切りで各々の長さに切っていきます。


引出し周りの木取りを出してもらい切っていきます。

またこのたんすには「板盆」が付くのです。板盆とは、主に「帯」を乗せるための衣装盆なのですが、最近では色々な使い方をされるようです。

板盆を作ります。

板盆は「はしばみ」と呼ばれる四方を留め(45度)で切り、それを貼って留めていく仕事のことで、無垢板が狂わないようにする技術です。この技術を板盆に使い、手間はかかりますがしっかりと作っていきます。

「はしばみ」と呼ぶ仕事で無垢板を狂わないようにする技術です。

今日の私は、昨日、削ってアイバを擦ったヘギ底板を組む作業でした。約80枚のヘギ底を組むのに半日かかってしまいました。

衣装盆の底板を組んでいます。

今日も天気が良く仕事が進みました。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都S様の和たんすを作る 3

立春も過ぎ昨日は季節外れの春一番、そして今日は小春日和と2月とは思えない天気の新潟です。

雪もなく陽が差している2月です。

昨日は上台、下台の立側を固めたところまでお伝えしましたが、今日はその続きです。上台の立側を固め、次に裏板を打つのですがその前に裏面が平らかどうかを定規で確かめて、平らになるようにカンナで削っていきます。

裏板を打つ面が平らかどうか、定規で見ています。


平らでなければ、カンナで削って平にしていきます。

その後は、上台の裏板を木釘で打っていきます。

ドリルで穴を開け、木釘を打っていきます。

次に下台に入ります。下台は引出しが入るところですので、引出しと引出しの間には棚板が入ります。裏板が付くと見えませんが、裏板を打つ前の棚板は空気を通すための空気穴が棚板にあります。引出しを入れると、他の引出しが飛び出てくるのはこの空気穴の影響です。

下台の裏板を打つ前です。 棚板に空気穴が開けてあります。

そして下台の裏板を木釘で打っていきます。木釘で裏板を止めたら、次は裏板をカンナで仕上げていきます。

下台の裏板を打ち、カンナで仕上げていきます。

上台と下台の裏板をカンナで仕上げたら、次に本体を寝せて上台下台を長ハタガネで固定して、立側をカンナで一気に仕上げます。

本体を横に寝せて、ハタガネで固定し、カンナで一気に仕上げます。

今日の私は、柾を切り、ヘギ底を削っていました。午後からは、ポカポカ陽気でストーブの切ったほど。
明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都S様の和たんすを作る2

今日の新潟は曇ってはいたものの気温が上がり、春一番が吹いたとか。全国的にも気温が上がったところが多かったようですね。


今月2月7日に発売になる雑誌「ミセス」の3月号に桐の蔵の桐たんすを始め、桐チェストが掲載されます。お時間がございましたら、ご覧いただければ幸いです。


桐の蔵の桐たんすと桐チェストが紹介されています。

さて、先週から東京都S様からご注文いただきました和たんすの制作に入っておりますが、今日はタイコのサンを打つところから始めます。

タイコのサンを木釘で打って止めていきます。

タイコのサンとは、観音開きの衣装盆が入る場所を「タイコ」と呼び、タイコのサンとは、衣装盆が乗るサンを打つことを言います。

タイコに衣装盆が入る間隔を開け、木釘でサンを打って止めていきます。その後は、下台の引出しが入る場所を計算しシラガキで印を付けていきます。

下台の引出しが入る間隔を計算し、シラガキで印をつけます。

そして観音開きの中の小引き出しが入る「中棚とツカ」を組んでいきます。

中棚とツカを組みます。

タイコのサンを打ち、中棚とツカを組んだら、タイコ、中棚、ツカを組んでいきます。(観音開きの中を組んでいきます)

観音開きの中のタイコ、中棚、ツカを組んでいきます。

その後、立側に上板と今固めた、タイコ、中棚、ツカを合わせて組んでいきます。木釘とノリで固めて行くのですが、はみ出たのりはすぐに固まってしまうので、ブラシで丁寧に拭いていきます。

立側にタイコ、中棚、ツカを合わせて組んでいきます。

上台の立側を組んだら、今度は下台を組んでいきます。立側に棚板、重ねを乗せ、まずは木釘で打ち固めていきます。

下台の重ね板を木釘で止めていきます。

今日の私は、週末の土、日と間に合わない木取りをやっていましたのでその続き。立側を作り、上板、ホテ板を切り、柾を貼ったりと目まぐるしく動いていました。

ちょっと動くと暑くなるような天気でしたので、仕事もはかどりました。
明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都S様の和たんすを作る


昨日は関東地方でも雪が降ったようですが、今日の新潟は寒い日でした。朝、工場に行ったら雪も積っており、そこからは気温の上がらない一日でした。


昨日は秋田県K様の整理たんすの木地が完成し、その後、時代焼きの仕上げを施し完成いたしました。


今日からは東京都のS様からご注文いただきました和たんすを制作していきます。まずは図面のとおりに木取りを出して、各々の部材を長さ切りで寸法通りに切り分けます。


その後は、各板を手カンナで仕上げていきます。


次に地板をシャコ万で四方板を巻きます。


立側、上板のホゾを機械で取り、立側の先を留めを切るため胴突きを入れていきます。


胴突きで留めを切ったら、留め型を使いノミできれいに仕上げていきます。


その後は立側の地板が入る場所を造っていきます。昇降盤で切込みを入れてある程度カットした部分に、総面取りで合わせるためにノミで面取りの部分を造っていきます。


面の寸法一分(約3mm)を作るためにノミで3mmの部分を造っていきます。


次に立側の内側にタイコが入る位置を計算し、定規とシラガキで印をつけていきます。


タイコが立側に入る部分に毛引きを入れ、そこをノミで取っていきます。

今日の私は、午前中はカガミの芯を作り、小引き出しのホテ板、チェストのホテ板を作り組んでいく作業。午後からは立側、観音開きの扉を作る仕事でした。


チェストのホテ板を組んでいます。

明日はお休みですが、私は仕事です。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 秋田県K様の整理たんすを作る 6

昨日は桐たんすのお届けでしたので制作はお休みでしたが、秋田県K様の整理たんすは引出しの枠を作り、そこから底板を打っていく所までをお伝えしておりました。今日はその続きで、底板を仕上げていきます。


底板を仕上げていきます。

底板を仕上げたら、先板を仕上げ、そこからホテ板を仕上げながら引出しを入れていきます。ここからは入れては削り、入れては削りながら何度も何度も、引出しの中で当たっているところなどを確認しながら、引出しを入れていきます。


削っては入れ、削っては入れしながら引出しを入れていきます。


引き出しの中でどこが当たっているか確認していきます。

引出しがある程度入ったら、引出しの上面を削って仕上げ、最終的にきちんと入るか確認しながら、引出しの上面を削っていきます。


引出しの上面を仕上げます。

その後、引出しの前面を最後に仕上げて、カガミ板の下に彫り込みを掘っていきます。そして全体を確認して、今回の整理たんすは完成となります。


最後に確認をして完成となります。この後、時代仕上げに入ります。

この整理たんすは「時代仕上げ」といい、全体をバーナーで焼き、白との粉を塗り込んでいく、最終的にはグレー色の仕上げになるたんすです。この工程は後ほど行いますが、なかなか渋い仕上げになります。

今日の私は、奥様が貼ってくれた「柾板」を自動(自動カンナ)で削り、柾板の中にある「傷」を抜く作業を延々とやっていました。柾板は、和たんすの観音開きや、引出しの前面に使うため少しでも傷や変色、節などがあるとそれを一つ一つ抜いていくのです。

この作業がかなり細かくて、私はとても神経を使う作業でヘトヘトになります。私の手が遅いのか、今日半日で5~6本分しか傷が抜けませんでした。

明日は引出しのカガミを造ったり、ホテ板を造ったりしなければなりません。明日も全力で頑張ります。

茨城県と東京まで桐たんすのお届けでした。

今日は今年初めての県外までの桐たんすのお届けでした。起床は午前5時。当然ながら辺りは真っ暗。昨日から雪の状態が気になっていましたが、この辺りは雪もなく安心して出発できました。

新津ICから磐越道でいわきJCTまで、途中、会津地方は雪がありましたがこの程度であれば余裕でした。その後、常磐道に入りひたちなか市まで向かいますがそこで少しハプニングが。


常磐道の日立中央PAでエンジン浄化を試みますがダメでした。

数日前に、愛車ハイエースの排ガス浄化のサインが点灯し、それに従いエンジンを浄化したのですがその後、今度はエンジン点検のサインが点灯したのです。翌日トヨタに持ち込み見てもらうと、「これ最近多いんですよね」と・・・。(これってリコールですよね)

部品もなかなか入らず、何も出来なくて今日の配達を強行したのですが、やはりそこは無謀でした。途中、急に出力がなくなりスピードが出なくなりました。トヨタに電話したら、止まりはしないけれど出力がなくなりますとのことでしたので、このまま走り続けることに。


すぐに一軒目のひたちなか市のM様の素敵なご自宅に小袖の和たんすをお届けさせていただきました。M様、そして、ご注文いただいたお母様のA様ありがとうごいました。

その後は、スピードの出ない車のアクセルを必死に踏み込み、常磐道を東京に向けて走ります。


そして二軒目の板橋区のO様のマンションに正午頃到着し、焼桐の整理たんすをお届けさせていただきました。O様、ありがとうございました。

ここでやっと、スピードの出ない車ですが帰路につけると安心しました。帰り道は止まらないことを祈りつつ、何とか工場まで走って来れました。ハイエースはこんな車じゃないはずなんですが、トヨタさん、お願いしますよ。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 秋田県K様の整理たんすを作る 5

昨日は引出しの「カガミを仕込み」、引出しの組み手を蟻組にした所までをお伝えしました。今日はその続きです。


まずは引出しの枠を組んでいきます。先板はホゾ組みを取り、ホテ板とカガミ板は蟻組みで組み立てます。


蟻組のところにのりを入れて組み入れ、先板とホテ板はホゾに組み入れたら打ち当てを当てながら、玄能で叩き、少しずつ入れ込んでいきます。その後、木釘で打って止めていきます。


先板とホテ板をホゾ組みと木釘で止めていきます。

今回のたんすは引き出しだけで6段の引出しがあり、下台3段、上台3段の整理たんすです。普通、引き出しには取手金具が付くのですが、このたんすは金具はなしで、カガミ板(引出しの前板)の下に彫り込みが掘ってあり、そこに手をかけて出し入れするタイプです。最近は、取手金具のないスッキリとしたタイプのものも出てきており、桐たんすも少しずつ変わってきています。


引出しの枠を6段分打ち、のりが乾くまでストーブの近くに置いておきます。


引出しの枠を6段分打ったら、次は底板を打っていきます。枠にのりを付けて、ハタガネで締め、木釘で打って止めていきます。これもひとつずつ、6段分の底板を打っていきます。


一つずつ底板を打ち終えると、引出しの内側から余分なのりが出てきますので、それをブラシで取ります。


底板を打ち終えた引出し。のりが乾くまで少しの間置いておきます。


その後は、底板を手カンナで仕上げていきます。

実は昨日からちょっと気になることがありまして、心配しながら今日を迎えました。午前中に何とか方向性が見えてきたのですが、お昼休みもままらなず、午後一番に何とか解決し、事なきを得ました。問題を抱えながらの一晩は心配で仕方がなかったのですが、ホント、解決出来て良かったです。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 秋田県K様の整理たんすを作る 4

先週は秋田県K様の整理たんすの立側をカンナで仕上げる所までをお伝えしましたが、今日はその続きです。


本体を寝せた状態で立側をカンナで仕上げたのですが、今度は上台、下台とそれぞれ、上板、重ねとカンナで仕上げていきます。

上台と下台の重なりは、乗せたり降ろしたりしながら何度も繰り返して重なりを合わせていきます。今回のたんすは、乗せても降ろしても使えるようにするので、この重なりを合わせていくのも慎重にやっていきます。
これで立側が立ち、この次は引出し周りへと入っていきます。


まずは引出しの木取りを出してもらい、長さ切りで先板、底板、ホテ板をそれぞれの長さに切っていきます。


長さ、幅を切りそろえたら次はカンナを掛けていきます。引出しの内側になる方を、一つ一つ手カンナを掛けていきます。


その後は、カガミ板(引出しの前板)を仕込んでいきます。仕込むとは、カガミ板を引き出しが入る場所に合わせてきっちりと隙間なく入るように合わせていくことを「カガミを仕込む」と呼びます。

その作業を、引出し一つ一つ丁寧にやっていきます。これも合わせては削り、削っては合わせるという繰り返しの作業です。こうすることで、引出しを入れると他の引出しが飛び出てくる、密閉度の高い引出しになるのです。


その後は、カガミ板の厚みを毛引きで取り、ホテ板に写していきます。こうしてカガミ板、ホテ板を「蟻組」という組み手を取っていきます。(今は機械で取ります)


今日は、午前中に地元加茂市に桐たんすをお届けに行ってきました。昨年末にご結婚を終えたご実家に、下ニの和たんすをお届けさせていただきました。B様、いろいろとお世話になりましてありがとうございました。

明日も全力で頑張ります。

休日ですが・・・。

今年一番の寒波が来ているということで、今日明日は大雪の予報。
北陸地方の多いところでは一晩に100cmの積雪があるとしきりにニュースでやっていました。


朝起きてみると薄っすらと雪化粧。そこから次第に雪も降り出し、一時はかなりの雪が降ってきましたが、今は落ち着いています。明日までには、どれくらい積もるのでしょうか。


今日は、東京から金具が届くのを待って朝から工場で仕事をしながら金具が届くのを待っていました。以外にも早く到着し、それを付けて梱包し出荷の準備が整いました。また来週お届けの桐たんすの点検と梱包も合わせて行い午前中の仕事を終えました。

その後はホームセンターまでノギスを買いに走り、新作の金具付けを終えて、夕方、今日の仕事を終えました。

皆さん同じだと思うのですが、一人で仕事をしているといろいろと考えます。
今日のこと、明日のこと、これからのこと。やらなければいけないこと、やりたいこと。

一度には出来ませんが、コツコツと進んで行かねばです。
来週も全力で頑張ります。