宮崎県 M様の桐たんすを作る 途中から 4

昨日は、宮崎県M様の和たんすの引出しの枠を固めたところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。


引出しの枠を固め、その後は、底板を木釘で打っていきます。

その後は、衣装盆(丸盆)の底板を木釘で打ち終えた後、カンナで底板を仕上げていきます。丸盆は、そのまま底板を仕上げると、底板がたわんで仕上げられなくなるので台を置き、その上に底板を乗せて仕上げていきます。

丸盆の底板を仕上げます。

そして、底板を木釘で打った引き出しを本体に入れるようにカンナで仕上げながら入れていきます。

引出しの上面を削って、仕上げています。

引出しの上、引出しのホテ板(側板)をカンナで削りながら、引出しを入れていくのですが、削っては入れ、削っては入れを繰り返しながら、何度も何度も繰り返して、引き出しを入れていきます。
この繰り返しで、一つ入れると他の引出しがすーーと出てくる気密性の引出しが生まれるのです。

一つ一つ削りながら、引出しを入れていきます。

この後かなり割愛しましたが、宮崎県からご注文いただきました、M様の和たんすが完成致しました。この後は、塗装と金具付けに入り、点検、梱包を経てお客様のご自宅へお届けさせていただきます。

M様の和たんすが完成しました。

今日の私は、ご注文いただきました洋服たんすと整理たんすの裏板と立側を切っていました。

注文が入った、洋服たんすの裏板と立側を切ります。

今日は陽気も良く、気持ちのいい一日でストーブも消して暖かな一日でした。明日は工場はお休みですが、私は仕事、全力で頑張ります。

宮崎県 M様の桐たんすを作る 途中から 3

昨日は衣装盆(丸盆)の内側を貼り付け、のりが乾く間に引き出しに入るところまでをお伝えしました。

今日はその続きで、引出しを固めて行きます。まずは、観音開きの中の小引き出しを作っていきます。引出しの枠を固め、直角に出来ているか定規で測ります。

小引き出しの枠を固め、定規で直角を見ています。

その後は、下台の大きな引出しの枠を固めていきます。カガミ板(前板)とホテ板は蟻組みで継いで、ホテ板と先板はホゾ組みで継いでいきます。蟻組みは、中にのりを入れ打ち当てで少しずつ叩いていきながら、入れ込んでいきます。

大引き出しを固めます。蟻組の部分は、打ち当てで少しずつ入れ込んでいきます。

大きな引出し3杯と、観音開きの中の小引き出し2杯の枠を固めたら底板を打っていくのですが、その前に、衣装盆(丸盆)の内側の付け丸の、のりが乾いたら隅丸サンダーで内側を丸くしていきます。

引出しの枠を先に固めます。

その後は、丸盆の底板を打っていくのですが、その前に、長さ切りで底板のサイズを切り、その後、カンナで底板のサイズにぴったりと合わせていく作業を行います。

丸盆の底板を長さ切で切っていきます。

先に固めた丸盆の枠に、底板をカンナで削りながら一枚一枚合わせていきます。そしてすべての丸盆の底板をカンナで合わせたら、木釘で打って止めていきます。

丸盆の底板を、カンナで一枚一枚削って合わせていきます。


丸盆の底板を木釘で打っていきます。

その後は、引出しの底板を打っていくのですが、それは明日。

今日の私は、引出しの柾と観音開きの扉の柾を組んでいました。その後は、来週、東京・日本橋で行う桐の蔵の展示会に持っていく、新作の金具付けを行い、準備を少しずつ進めていきました。

今日は、柾を組みました。

明日も全力で頑張ります。

宮崎県 M様の桐たんすを作る 途中から 2

雨水の昨日、新潟は午後から雨になりそれ以降ずっとかなりの雨が降り続いていました。今朝になっても、暖かな雨です。

昨日は仙台まで桐たんすのお届けでしたが、今日は、宮崎県のM様からご注文いただきました和たんすの制作の続きをお伝えします。

立側が立ち、引出し周りに入ったところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。まずは、衣装盆(丸盆)の制作から入ります。

最初は、丸盆の材料をカンナで仕上げます。次に、底板の入る部分の溝を昇降盤で取ります。そして、丸盆の継ぎは「留め」(45度)で継いであり、そのために丸盆の四方を留め(45度)に切ります。

丸盆の継ぎのため、留めに切ります。

留めに切ったら、切った部分の木口にのりを付け、自転車のチューブを使って固定し、四方を貼ります。そのまま、のりが乾くまで時間をおきます。のりが乾いたら、一枚一枚チューブを外します。

丸盆をチューブで固定し、のりが乾いたらチューブを外します。

その後、丸盆は付け丸仕様なので、外側の角をのこぎりで切って、外側の切った部分を内側に貼り付けます。この貼り付けた部分を後で、削って丸くしていきます。

丸盆の内側の丸を作るため、外側の角を切ります。

外側の角をのりで内側に付けたら、のりが乾くまで、引出しに入ります。そして引出しをカンナで仕上げていきます。

その切った角を丸盆の内側に貼ります。

今日の私は、午前中は板貼り、その後、完成した桐チェストの調整と点検、梱包までと思いましたが、正午近くにお客様が来店し、桐たんすの説明をさせていただきました。

調整と点検を終えた桐チェスト

その後は、組合の展示会の搬出のため、ダッシュで新幹線に乗り東京まで。搬出を終え、日帰りで新潟に戻りました。2週間の長い展示会がやっと終わりました。

今月3回目の東京です。

明日も全力で頑張ります。

仙台まで桐たんすのお届けでした。

今日は雨水。雪から雨に変わる頃だそうで、今日はその通り暖かな一日で、午後からは雨になってきました。そんな中、今日は桐たんすのお届けに仙台まで行ってきました。

昼食を取った会津の磐梯山SA

今回のお客様は、昨年の11月にお問い合わせをいただき、その後、色々とお話をさせていただきご購入いただきました。

お届けはお客様のお仕事の都合で、午後2時過ぎにとの事で、午前11時に出発。途中、会津磐梯山SAで昼食を取り、一路、東北道を仙台まで向かいました。高速道路の脇には雪が積み上げられてはいるものの、道路には全く雪もなく、順調に仙台のお客様のご自宅に到着しました。


立派なご自宅の和室にピッタリと収まりました。S様、本当にありがとうございました。

今回、お作りさせていただいた和たんすは結構なこだわりもあり、衣装盆(丸盆)が10枚と、帯締め、帯揚げを収納する衣装盆が2枚入った、板厚4cmの大丸でした。

こだわりの衣装盆が入った和たんす

金具も色々と悩んでおられましたが、グレーの南天をお付けさせていただきました。帰りにはお土産までいただきまして、ありがとうございました。

どうぞ今後共、お付き合い頂ますよう何卒、宜しくお願い致します。
明日も、全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 宮崎県M様の和たんすを作る。途中から・・・。

先週は組合の展示会で、東京へ行っておりました。月曜日から金曜日まで5日間、新潟を離れ、ずっとホテル暮らしでした。

私が居ない間しっかりと段取りしてきたのですが、さすがに後半は工場が気になり仕事したいモードでした。金曜日に帰り、週末の土曜、日曜はいなかった分を取り返すべく、工場で仕事をしていました。

ブログでお伝えしていた東京都S様の和たんすはすでに完成しており、続きがお伝えできませんでした。そしてもう、次の桐たんすの制作に入っており、今日からは途中ですが宮崎県からご注文いただきましたM様の和たんすの制作をお伝えします。

宮崎からご注文をいただきましたM様の和たんす

すでに和たんす(今回は胴丸という和たんすです)の立側は立っており、重ねの朴の木を付けるところでした。
その後は、引出し周りに入っていきます。

上台の重ねにつける朴の木をシャコ万で止めています。


引出しの材料を出してもらい、長さ切りでそれぞれの部材を切っていきます。


長さ切りで部材を切っていきます。

今日の私は、午前中は柾を切り、午後からは裏板、タイコの3分板をかなり切っていました。今回は、別注の総盆の注文をいただき、たんすの高さが1m81cmとかなり高いので、それ用の裏板とタイコを切っていきました。

別注の総盆の長い裏板を切っていきます。


板を切っていくと、側や傷の部分は抜きます。


その部分がどんどん溜まります。

その後は、その他の裏板、タイコ、地板と板を切っていった午後でした。
明日も全力で頑張ります。

東京3日目。

東京に来て早くも三日目。組合主催の展示会で、青山の会場で午前11時から午後7時まで来ていただくお客様に接客し、桐たんすの素晴らしさをお伝えしています。

私も東京へは結構来ている方だと思うのですが、来る度に、東京という奥の深さと、そこに住む人達の様々な行き方に興味が湧いてきます。

昨日は隣で、漆器屋さんの店主による壊れた漆器のクリニックが行われていたのですが、その店主と話をした中で、今、日本における伝統工芸品の元気になさを嘆いていました。

でも、その話の中で、「嘆いていただけではダメなんだ」、その中でも出来るところから何かをやっていかなくては・・・。と勇気ある言葉をいただきました。

漆器屋さんの地元である石川県輪島市の輪島塗りの現状は厳しいと言います。それは業種は何であれ、どこも同じような状況なのだと思うのですが、その中で、どこを見て、何をやっていくのか。ということが必要だと言っておられました。

「何の悩みもなく順調」と言うのもそれはそれでいいのでしょうが、「悩みや問題があるから人生が面白い」とその方は言いました。さすがに人生経験が豊富な方です。

今までは作るだけで良かった職人が、これからは作るだけでは飯が食えない。と言います。全くその通りで、「お客様からありがとうと言ってもらえる関係を作っていけ」と言われました。

東京に来ると色々な意味で刺激になりますし、一人の方との出会いで人生が大きく変わる場合もありますから、ご縁は大事ですね。

今日までの3日間で、色々なことを考えます。それを行動に起こさなければ・・・。そんな事を思った日々です。
あと2日間、全力で頑張ります。

東京に来ています。

昨日までの新潟を離れ、今日は朝から奥様と次女ゆうちゃんと3人で東京までやって来ました。

東京駅で分かれ、私は青山での組合の展示会に、奥様とゆうちゃんは春からの新居を探すために不動産屋さんに行きました。

青山一丁目にある会場です。

当初、東京は新潟よりも寒いな!と感じたものの、仕事を終えた夜は、幾分暖かな東京でした。日帰りで帰る奥様たちは、無事にゆうちゃんの新居が契約できたみたいです。私は15日まで、青山の伝統工芸青山スクエアで当番として出勤しています。

本数は少ないですが、コンパクトな作品が多いです。


桐小物も並んでいます。

お時間ありましたらお出かけいただければ幸いです。明日も頑張ります。

三連休ですが・・・。

ここ数日の寒波の影響で新潟は大雪にはなりませんが、冷え込む日々が続いています。今朝も薄っすらと雪が積っていました。

今日の工場。雪が薄っすらと積りました。

昨日のブログでもお伝えしましたが、今日は次女ゆうちゃんの専門学校の感謝祭の日。学校のカフェやレストランを一般の方々やご父兄の方々に開放し、ケーキやパンを販売する一大イベントに行くために、今朝も早起きし工場で一仕事してから、専門学校に向かいました。

2年間、専門学校のカフェ学科で学び今月が最後になる集大成のイベントに私と奥様、そして次男たくみとお出かけしてきました。

4人で写真を撮っていただきました。専門学校のスタッフの皆様、2年間ありがとうございました。

ゆうちゃんの作るパフェとパンケーキを頂きましたが、さすがに二年間学んだだけありますね、親バカですみません。

次女ゆうちゃんが作ってくれたパフェ。次男たくみが美味しい!とペロリ。

その後は、工場に戻りまた一仕事してから帰宅しました。

木取り、板貼りを終え、何とか目標の仕事を終え明日から東京へ向かいます。

実は、明日からたんす組合の展示会で東京へ一週間行ってきます。そのためにここ数週間、土日返上で段取りでした。

明日からはしばらく桐の蔵三代目ブログは、桐たんす制作バージョンをお休みさせていただき、変則的東京バージョンでお伝えできるかどうかわかりませんが・・・。

明日11日から15日まで東京青山一丁目の伝統工芸青山スクエアにおりますので、お時間ありましたら、お出かけいただければ幸いです。

明日も全力で頑張ります。

休日ですが、桐たんすの木取りです。

世間では3連休の初日の土曜日ですが、今日は工場で木取りの仕事です。今日の新潟は、昨日から薄っすらと雪が降り、積もらないながらも寒い朝を迎えました。

最強の寒波と言う割には、雪もない新潟です。

桐の蔵も今日から3連休ですが、そうも言ってられない事情があり今日はフルで仕事でした。

朝8時からは、立側を作り、1寸3分(40mm)の上板と地板を作り、板を組み、次から次へとやってくる木取りの仕事を着実に進め、今日も一日フルに充実した一日でした。

タイコを組みます。

組んだ板を貼ります。


週明けの段取りをしました。


再来週にお届けの桐たんすの点検と調整も行います。

昨日から弟の鈴木が東京に行っており、ホントは私が行くつもりだったのですが、急遽、代わってもらい、今日一日、現場での仕事が出来ました。お陰様で、大分、仕事が進みました。ありがとうございます。

明日も午前中は工場に行き段取りをして、午後からは次女ゆうちゃんの専門学校の最後の発表会に行ってきます。

2年間通った学校の集大成としての発表会が今日、明日あるのでそれを見に行ってきます。ここ数週間、お休みがあまりありませんが来週までの辛抱です。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都S様の和たんすを作る 6

この冬最強の寒波がやって来ているようで、全国的に寒い日が続くようです。今日の新潟は薄っすらと雪が積り、久しぶりに寒い朝を迎えました。

薄っすらと雪が積もった工場。

東京都S様からご注文いただきました和たんすも佳境に入ってきました。昨日は、ヘギ(衣装盆)を作りましたが、今日は引き出しに入っていきます。

まずは蟻組を取ったカガミ板にホテ板、先板を組んでいきます。カガミ板とホテ板はのりを付け、蟻組みに玄能で最初叩いて入れ、そこからは打ち当てを当て、叩きながら入れていきます。

蟻組みのカガミ板にホテ板を入れていきます。


打ち当てを当てながら入れていきます。

カガミ板にホテ板を入れたら、次はホテ板と先板を入れていきます。ホテ板と先板はホゾ組みを取っていますので、そこにへら棒と呼ぶ、のりを付ける棒でホゾのところにのりを付け、ホゾに入れていきます。

へら棒でのりを付けていきます。

ホゾは最初手で叩き、打ち当てを当てながらホゾに入れていきます

ホテ板と先板を組んでいきます。

そして引出しの枠が完成しますが、その枠がしっかりと直角に出来ているかを、定規を当てて確かめます。

組んだ引出しが直角かどうか定規を当てて確かめます。

大きい引出し3段と、観音開きの中の小引き出し3個の枠をまずは固めて、その後に底板を木釘で打っていきます。

引出しの枠をまずは固めます。


その後、底板を木釘で打っていきます。

今日の私は、昨日、一昨日と奥様が貼ってくれたヘギ底(衣装盆の底板)を削って仕上げ、完成させていました。ヘギ底は、傷や変色、節などもあったりするので、それがあれば一つ一つ抜いていき、きれいな板にするため、結構な手間が掛かります。

その後は、板を貼り、立側を削って作るなどの木取りを続けていました。明日からは三連休、寒波の影響で寒い三連休になりそうですが、私は工場で全力で頑張ります。