桐たんすの組み立て 東京都K様の和たんすを作る4

東京都K様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、昨日は、下台の重ね板を仕上げるところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

中台の上に上台を乗せて逆さにし、上台の地板と中台の重ね板の重なり具合を見ています。カンナで少しずつ削りながら調整していきます。

上に乗った中台をずらし、上台の地板の奥の部分をカンナで削って重なり具合を見ます。

重なりが合ったら、重ね板に「重ねのサン」(各上台、中台、下台)がズレず、落ちないように重ね板にサンを木釘で打っていきます。

木釘で重ねのサンを打ったら、カンナで仕上げていきます。

上台、中台、下台を重ねて長ハタガネを締めて横に寝かせ、立側をカンナで一気に仕上げていきます。

たんすの裏側は長ハタガネで締め、表側の各台の重なり部分には小さなハタガネを使って締め、各台がズレないようにしながら一気にカンナで仕上げていきます。

各台(上台、中台、下台)が仕上がったら、本体を重ねて立側が完成です。上台をよいしょ!と持って重ねていきます。こんな時、桐たんすは軽くていいなぁと感じます。

次にたんす本体が乗る「台輪」の制作に入ります。

今日は、本来であれば東京の伝産協会へ行き、伝統工芸「桐たんす」の全国の5産地の代表が集まっての会議の予定だったのですが、急遽、新型コロナウイルスの感染者が急増したという事で、リモート会議に。

初めての経験でしたが、スムーズに行うことが出来ました。テレビのニュースに出ているようにテレワークが新しい生活の一部になるように、経験すると、これが今後、当たり前の世界になってくるのでしょう。いい経験をさせて頂きました。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都K様の和たんすを作る3

東京都K様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、昨日は、下台の立側、地板、重ね板を固めた所までをお伝えしましたが、今日はその続きです。

下台の裏板を打つ前の準備です。チューブに入っているのは「のり」これに入れて、細いチューブの先からのりが出ていき、細いところでもきれいに付きます。そして、引出しと引出しの間にある「つっかえ棒」は、棚板を真っ直ぐにしておくためにつっかえ棒を入れておきます。その上から裏板を木釘で打っていくのです。

下台に裏板を乗せたところ。後ろには裏板を打つ前の中台があります。

中台の裏板を木釘で打っていきます。規則正しい間隔の木釘が美しいです。この間隔は職人の経験から生まれ出た間隔です。職人によって若干、違いがあります。

下台の「足」を制作しています。「足」は、下台と台輪を繋ぐ部分です。

このたんすは四方丸ですので、たんすの上下左右の四方が丸くなっています。その下台の左右の外側の丸を、カンナで削って作っています。

台輪の制作です。台輪のホテ板(側板)と先板を打っています。

下台の重ね板を定規を当てながら平らに削っていきます。

下台の重ね板を長台(台の長いカンナ)で仕上げていきます。

今日の私は、ご注文いただきました洋服たんすの板を倉庫から出し、立側を切ります。洋服たんす様に幅の広い「新潟県津南町」産の板を取っておいてあります。(幅1尺7寸(約51cm)幅の広い桐板。

その後は、3分板のヘギ底板を中心に切ります。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都K様の和たんすを作る2

昨日から始めました、東京都K様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、昨日は、中台の立側の内側に、棚板の入る位置をシラガキで印を付ける所までをお伝えしましたが、今日はその続きです。

上台のタイコの入りの部分をノミできれいに取っていきます。

タイコのサンにのりを付けて、衣装盆の型を当てながらタイコに付けて行きます。

タイコのサンにドリルで穴を開け、木釘を打っていきます。

棚板の立側に入る部分「留め」の部分を留め型を使ってノミで作っています。

三つ割りの小引き出しが入る部分の棚板に「忍び鍵」を付けています。

上台の上板、立側、地板を固め、地板と立側を木釘で止めていきます。地板を打ち当てを使って、立側に入れていきます。

地板を木釘で打って止めていきます。

下台の立側、地板、重ね板を固め、打ち当てを当てて地板を立側に入れ込んでいきます。

今日の私は、昨日に引き続き桐チェストのホテ板を組みます。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都K様の和たんすを作る

今日からは東京都のK様からご注文をいただきました和たんすの制作をお伝えします。

実は、兵庫県に住むご両親からのご結婚のお祝いという事でご注文をいただきました。ご両親のN様ありがとうございます。

まずは図面を出して、この図面をもとに桐たんすを制作していきます。

木取り(部材)を出して、長さ切りでそれぞれの部材を各々の長さ、奥行に切り揃えていきます。

それぞれの部材をカンナ掛けしていきます。(これは棚板です)

地板の三方をシャコ万で巻いていきます。

上板、立側、地板のホゾを取り、上板のホゾとホゾの長さから棚板の長さを入りも含めて見ていきます。

ホゾを取った立側。今回の和たんすは三つ重ねの和たんす。これは上台です。

中台の立側の内側に、引出しと棚板が入る位置をシラガキで印を付けていきます。

今日の私は、「板盆」の木取りを行います。7分板を切り、自動にかけ、あいばを擦り、組み作業でした。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県S様の和たんすを作る5

神奈川県S様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、今日が最後です。先週は、衣装盆の底板をカンナで仕上げるところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

衣装盆のカガミ板(前板)の底板が入る部分を昇降盤で欠いていきます。

衣装盆(角盆)の枠を固めていきます。ホテ板に先板を木釘で打っていきます。なぜか職人さんは裸足が多いです。弟も夏は裸足。私は夏も靴下を履きますが・・・。

衣装盆の底板をハタガネを締めながら木釘を打っていきます。

衣装盆の枠を固めたら、底板を木釘で打っていきます。木釘を打ったら釘切ノコで木釘を切るのですが、そのテンポは素早く、あっという間に木釘を切っていきます。

底板を木釘で打ったら、底板をカンナで仕上げていきます。その時は、衣装盆の下に台を入れ、底板が直接当たるようにしてから底板をカンナで仕上げていきます。

衣装盆のホテ板、先板、カガミ板の上面をカンナ(長台)で仕上げます。

今回のたんすは「総盆」と言い、衣装盆が15枚、衣装盆だけの和たんすです。ある程度、衣装盆をまとめてハタガネで締め、角をカンナで丸く削っていきます。

ここも型とかではなく、あくまでも勘と経験できれいな丸を作っていきます。

衣装盆のホテ板(側板)をカンナで仕上げていきます。

衣装盆が出来上がると、最後に観音開きの扉を仕込みます。分割しない1本もののたんすなので、扉も大きいです。長い柾も必要ですし、木取りも制作も大変です。本体に扉を当て仕込んでいきます。

扉を仕込み終えたら、最後に扉をカンナで仕上げて完成となります。この後、塗装、金具付け、調整、検品、梱包して、お届けとなります。

今日の新潟は雨が降ったり止んだりの天気。湿度が高く蒸し蒸しとしていました。九州の大雨で被害に遭われました皆様にはお見舞い申し上げます。

明日も全力で頑張ります。

福井県敦賀市まで桐たんすのお届けでした。

昨日までの雨が何とか上がった梅雨の晴れ間(曇り)。今日は、福井県敦賀市まで桐たんすのお届けに行って来ました。

起床は午前5時。いつものように工場で弟と合流し北陸道を福井県に向けて走ります。途中は雨の所もあり不安でしたが、何とか天気は持ってくれました。

途中、石川県の不動寺PAで休憩し、いざ、福井県へ向けて最後の追い込みです。

昔(20年ほど前)までは、毎週のように福井県まで桐たんすの配達(小売店卸)に行っていたものですが、その後はほとんどなく、今では懐かしささえ感じます。

そして予定通りの時間に、敦賀市のY様のご自宅に胴丸の小袖の和たんすをお届けさせていただきました。

Y様のご自宅は素敵な一軒家。きちんと整理された和室にぴったりと納まりました。Y様本当にありがとうございました。帰りにはお心遣いまでいただき恐縮でした。

帰りは順調そのもので、夕方には工場に帰って来ることが出来、一仕事やることが出来ました。

明日からはまた雨が続きそうですが、今日は曇りでホントついていました。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県S様の和たんすを作る4

神奈川県S様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、昨日は、四方丸の外側の丸をペーパー(紙やすり)で滑らかにしていくところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

たんす本体の足をシャコ万とハタガネで止めています。本体は逆さまになっています。

のりが乾く間に、衣装盆(角盆)の材料を出して長さ切りで長さを切っていきます。

衣装盆のカガミ板、先板、ホテ板をカンナで仕上げていきます。

たんす本体ののりが乾いたら、四方丸の外側の丸をカンナで削って丸くしていきます。型もあるのですが、職人はほぼ勘で正確な丸を作り上げていきます。

裏板をカンナで仕上げていきます。この和たんすは「総盆」、「一本立」と呼ばれ、どこからも分かれない一本のたんすですので、裏板も長く、カンナを途中で止めずに一気に仕上げます。

四方丸の内側の丸を小刀で作っていきます。これも型があるのですが、ほぼ、勘で正確な丸を仕上げていきます。

たんす本体の下の「足」ののりが乾いたら、平らになるように定規を当てながらカンナで削っていきます。この下に台輪が付きます。

衣装盆(角盆)の底板をカンナで仕上げています。

今日は桐チェストの先板が足りないため7分板を切ります。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県S様の和たんすを作る3

神奈川県S様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、昨日は、和たんす本体の立側と上板を木釘で打って、タイコをシャコ万と長ハタガネで締めたところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

立側を固めてのりが乾いたら、裏板を打つ前に、たんす本体の裏側を長台(台の長いカンナ)で平らに均していきます。

次に玄翁で裏板を打つ場所を「木殺し」していきます。木殺しとは、玄翁の頭で裏板を打つ場所を少しつぶして、のりの水分と木釘を打った時に裏板がしっかりと付くように、打つ場所の表面をつぶすことを「木殺し」と言います。

ドリルで穴を開け、裏板を木釘で打っていきます。

木釘を打ったら、カンナで裏板を仕上げていきます。

裏板を打ったら、地板を平らにするために(この場所に台輪が付くので平らでなくてはなりません)定規を当てながら平らになるように削っていきます。

ホゾの部分は、普通のカンナでは少し使いずらい場合は、「際カンナ」を使って削っていきます。「際カンナ」とは、普通は桐の表面の平らな部分を削っていきますが、際カンナは、刃の端だけを使って削っていき、普通の部分では削れない凸部分なども削れるカンナです。

たんす本体は四方丸と呼び、四方の角を丸く作るため、上板の両角をカンナで丸くしていきます。

カンナで丸くした後は、桐板にペーパー(紙やすり)を貼ったもので、角を滑らかにしていきます。

今日は激しい雨が降ったり止んだりの天気。干してある板は、「渋」が抜けていきます。この梅雨時期の暖かい雨が、桐の渋を抜くには欠かせないのです。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県S様の和たんすを作る2

昨日から始めました神奈川県S様からご注文をいただきました和たんすの制作ですが、昨日は、タイコの面を面取りカンナで取ったところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

タイコのサンをカンナで仕上げ、角をカンナで斜めに削っていきます。

タイコのサンにのりを付け、タイコに打っていきます。

サンとサンの間に衣装盆の木型を挟み込んで、木釘を打つ前にドリルで穴を開けていきます。

木型を挟み込んだまま、木釘でサンを打っていきます。

サンを木釘で打ったら、カンナで仕上げていきます。衣装盆が15枚のたんすですので、タイコも長く、タイコのサンも多いのです。

タイコにサンを打ったら、立側を固めていきます。立側の中にタイコを入れ込み、上板と立側のホゾを組んで、長ハタガネで締めて木釘を打っていきます。

上板の上からドリルで穴を開け、長ハタガネを締めながら3寸の木釘を打っていきます。

上板の木釘を打ったら、たんすを寝せてハタガネとシャコ万で締めて、のりを乾かせます。

今日の私は「柾を組み」ます。昨日までに切った柾板を奥様が「柾の目直し」(柾を細かく割って、柾目を真っ直ぐに伸ばす作業)をしてくれた柾を、図面通りに、柾を組んでいきます。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県S様の和たんすを作る

今日からは神奈川県S様からご注文をいただきました和たんすの制作をお伝えします。

まずは図面を渡してこれを元に制作をしていきます。

長さ切りで木取りをそれぞれの長さや幅に切り分けていきます。

それぞれの木取り(部材)をカンナで仕上げていきます。(これは裏板をカンナで仕上げていきます)

タイコをカンナで仕上げていきます。

上板と立側のホゾを取り、留め型を使って留めをノミで作っていきます。

中棚のタイコに入る部分をケヒキで引いていきます。

上板にタイコに入る溝を溝切りカッターで掘りました。

タイコの面を面取りカンナで取っていきます。

今日の私は、またまた「柾」を切ります。明日も全力で頑張ります。