1.会社での出来事

桐たんすの組み立て 秋田県K様の整理たんすを作る 2

今日の新潟は雨ながら思いの外暖かく、仕事も順調に進みました。
昨日は、立側を立てる準備をする所までをお伝えしました。今日はその続きです。


立側に棚板が入る溝を堀り、そこに棚板を入れ込み、上板と立側を組んでいきます。今回のたんすは、引き出しに金具が付かず、引き出しのカガミ板の底に彫り込みの取手が付く桐たんすです。

そうすると棚板が通常、立側と同じところに来るのですが、彫り込み取手の場合は、棚板が引っ込む作りなのです。今は、このように金具が付かず、彫り込み取手の桐たんすが増えてきましたので、時代の流れで、順応していかなければなりません。


上板と立側を組んだら、そこに木釘(3寸)を打ち、しっかりと止めていきます。その後は、棚板の反りを見ながら、風穴を開け、棚板が反ったり、まっすぐでなかったら、つっかえ棒を入れて棚板を真っ直ぐにしていきます。


棚板が真っ直ぐかどうか確かめて、まっすぐでなかったらつっかえ棒を入れます。


その後、長ハタガネで締めて、地板をシャコ万で挟んで止めていきます。


次に裏板を打つのですが、棚板がある場所に木釘を打っていくので、裏板に棚板のある場所を鉛筆で印を付けていきます。そうしたらハタガネで裏板を締めて、裏板を木釘で打っていきます。


ハタガネで締めて、木釘を打っていきます。


今日の私は、8分の先板、立側など厚板を切っていました。奥様は昨日の続きでホットプレスを行っていましたが、今回は切った板の量が通常よりも多かったので、休憩も取らずずっとやってくれました。お陰で、昨日、今日とクタクタだと言います。しかしそのお陰で、2日間でこれだけの大量の板をホットプレスで真っ直ぐな板にしてくれました。感謝です。


ホットプレスにかけた大量の板。真っ直ぐになっています。

明日は、ホットプレスにかけて真っ直ぐになった板を、私が造っていく番です。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 秋田県K様の整理たんすを作る 


昨日の夜からチラチラと雪が降り始め、今朝、どのくらい積っているのだろうと思い、起きてみれば、以外にも少ない新潟です。

今日からは秋田県からご注文いただきました、整理たんすを造っていきます。今回のお客様のご希望は、重ねても降ろしても使えるようにして欲しいというご希望でした。これを叶えるために、いろいろと試行錯誤を重ね制作していきます。


まずはご注文いただいた桐たんすの木取り(部材)を出し、図面を見ながら長さ切りで、各々の長さに切り分けます。

その後は、各部材のカンナ掛けです。棚板、裏板、立側、地板、上板、それぞれの内側に入る部分をカンナ掛けします。


棚板をカンナ掛けしています。

そして上板、立側のホゾを取ります。(ホゾ取りは機械で取ります)ホゾを取ったら、棚板の立側に入る部分を
毛引きで印をつけます。

次に地板の入る部分を昇降盤でカッターの線を入れ、ノミで地板が入る部分を取っていきます。その後は、立側に棚板が入る溝を掘る線を付けていき、溝を掘っていきます。


地板が入る所を作り、棚板の入る位置に印をつけます。

今回ご注文頂いた桐たんすは、焼き仕上げという桐をバーナーで焼いて焼き色を付ける仕上げで、完成してからでは焼きずらい部分を、立側を固める前に焼いていくために、棚板を重ねて焼いていきます。

立側を立てる前に、引っ込む作りの棚板をこの後、焼いていきます。

その後、立側に棚板が入る溝を掘って、立側を立るための準備を行います。

今日は、今まで切りためておいた各部材の板を、熱でプレスして反りや狂いを直すホットプレスの作業を奥様が行う日。切りためた板は結構あるのですが、まだ、引き出しの底板が足りなかったので、朝から底板を切り続けていました。

今まで切った板。

その傍らで、奥様は黙々と板をホットプレスをして板を真っ直ぐにしていきます。このホットプレスの作業を「段取り8分」と言い、自身の頭の中で、板の長さ、幅、厚さを見極めて、計算しながらやっているようです。
でも、ホットプレスにかけた後、板を積んで置くのですが、これがきれいに積んであって、この後の作業がしやすいです。

ホットプレスをしてきれいに積み上げられた板。

明日もこのホットプレスの作業は続きます。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福島県A様の和たんすを作る その6

先週末は、引き出しの枠と丸盆の枠を組んで、底板を木釘で打つ所までをお伝えしましたが、今日はその続きです。

丸盆の枠を組んで底板を打つ前です。


今日はまず面白い写真から。これ何してると思います。カンナを上の方に掲げて、外の方を見ています。
実はこれはカンナの台を直しているんです。カンナの台は樫の木で作られているのですが、樫の木はとても固い木なのですが、やはり木ですから狂うんですね。狂うとは、カンナの台が反ったり反ったりするのです。そうすると桐をカンナで削ろうと思っても、台が狂っているから思うように削れないのです。ですから、このようにカンナの台に定規を当てて、真っ直ぐかどうか(正確には真っ直ぐでもダメなのですが)を見て、カンナの台を削る「台直し」というカンナで台を直していくのです。
今の新潟のように湿気が多いと、台が狂いやすくなります。

台を直したら、次は底板を打った引き出しを入れていきます。先板、底板、ホテ板を削りながら、引き出しを入れていくのですが、これも引き出しを仕込むときと同じように、削っては入れ、削っては入れを繰り返しながら、どこが当たっていて入らないかを見ながら、少しずつ入れていきます。
こうすることで、引き出しを入れると他の引き出しが出てくるような密閉度の高い引き出しが生まれるのです。

引き出しを入れていきます。

まだ金具が付いていない引き出しは、吸盤(大きな吸盤です)を使って引き出します。密閉度が高いので、なかなか引き出せません。


引き出しが全て入ったら、棚板(引き出しの乗る板)にロウ(イボタロウ)を塗って、引き出しの滑りを良くするために、ロウを塗ります。


その後は丸盆を仕上げます。丸盆は、逆にして中に台を入れて、直接底板が当たるようにして、カンナで仕上げていきます。


その後は、丸盆の名の通り、上面を丸く仕上げていきます。上面を丸く削り、その後はペーパー(紙やすりを我々はペーパーと呼びます)を掛けながら、丸面をきれいに仕上げていきます。これで丸盆は完成します。

そして次は、観音開きの扉を仕込む工程ですが、ここは写真がなくすみません。観音開きの扉を仕込み、カンナで仕上げたら完成です。

ここまで6回に渡りお伝えしましたが、実際にはもっとかかります。
これで桐たんすの木地が完成し、この後、塗装と金具付け、そして点検の後、梱包という流れになります。

今日はここまで。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福島県A様の和たんすを作る その5

今朝は本当に寒い朝でした。明日からは大学センター試験が始まりますが、毎年、この時期になると決まって大雪に見舞われます。昨年も大雪で電車が進めなくなり、電車の中で一夜を過ごした事があったのもこの時期です。
今年は珍しく明日からは冬型が緩む予報。受験生の皆さんは、頑張って望んでください。

さて、今日の桐たんすの組み立てですが、昨日は立側が立って、次に引き出し周りに入る所からお伝えします。
引き出し周りの材料、引き出しの先板、ホテ板、底板、そして衣装盆の先板、ホテ板、底板を出して、長さ切りで各々の長さに切り分けます。


各部材を各々の長さに切り揃えます。

その後は、各部材をカンナ掛けです。


各部材の内側をカンナで仕上げます。

まずはこのたんすは丸盆仕様なので、丸盆を組み立てます。丸盆の先板とホテ板を留め(45度)に切って、自転車のチューブを使ってのりを付けて接着します。

丸盆とは、外側、内側、上面も全て丸く作られる衣装盆です。外側はカンナで丸めていきますが、内側は昨日の本体の内側と同じで、内側に桐を貼って、その貼った桐を丸く削っていくという、付け丸というやり方で丸くしていきます。

付け丸のノリが乾くのを待つ間に、引き出しに入ります。カガミ板(引き出しの前板)を引き出しが入る場所に当てて、どれくらいの寸法で入るのかを確認し、印をつけます。


カガミ板を引き出しの入るところに当てて、シラガキで印をつけます。

その後は、カガミ板をはいる場所にきっちりと当てながら、カガミ板を仕込んでいきます。
当てては削り、当てては削りしながら、一つ一つ引き出しの入る場所に合わせて仕込んでいきます。


カガミ板を当てながら、仕込んでいきます。


当てては削り、当てては削りを繰り返し仕込んでいきます。

その後は、カガミ板とホテ板を前組(蟻組)で組みます。(今は機械で蟻組を取ります)
そして、先板とホテ板の先は、ホゾ組です。

蟻組を取ったホテ板とカガミ板。

引き出しの側を先に組んで、その後、底板を木釘で打っていきます。それと同じく、丸盆も側を先に組んで、底板を木釘で打っていきます。


引き出しの側を先に組んでいきます。


丸盆も側を先に組んでいきます。


そして、引き出しの底板を木釘で打っていきます。

今日はここまで。

今日の私は、一日中、板を切っていました。その殆どを、ヘギ底(衣装盆の底板)を切るのに費やしました。
今日切った衣装盆の底板は81枚。その後、地板を40枚ほど切ったでしょうか。


ヘギ底を切ります。

今日は、やりきった感がありますね。明日はお休みですが、私は仕事。明日も、全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福島県A様の和たんすを作る その4

昨日の夜から雪がチラホラ降っていて、今朝は積っているかな?と思えば、以外とそうでもなく、ほんの少し積っている程度でした。

そんな午前中、私は柏崎市まで再生する桐たんすのお引取りに行ってきました。長岡市や柏崎市の方は雪が多いと思い早めに出たのですが、何のことはない三条、加茂の方が雪が多かったのです。里雪でしょうか。


桐たんすを引き取りに行く道中、道路は雪でした。

さて、昨日は小袖和たんすの立側が立った所までをお伝えしました。今日はその続きです。

上台、下台の立側が立ったら、下台に足を付けます。足とは、下台と台輪を繋ぐ部分の事で、直接、下台の下に台輪を付けても良いのですが、今回は桐たんす本体が四方丸ですので、足を付けて本体を少し浮かせて、下台の両角を丸くします。


下台にシャコ万で足を付けます。

その後、足を付けてのりが乾く時間に、台輪を作ります。台輪とは桐たんす本体が乗る台の事を、「台輪」と呼びます。高さが3寸(約9cm)の高さの台の上に、桐たんす本体が乗ります。


台輪を作ります。

その後は、2つ重ねの桐たんすの重なりを合わせていきます。下台を上下逆に置き、その上に上台を乗せて重ねて、重なりが合っているかを削りながら見ていきます。


たんす本体を逆さにして、上台と下台の重なりを見ます。

重なりはとても重要で、重なりが合っていないと、桐たんす自体がガタガタしたり、観音開きがきちんと閉まらなかったりで、とても支障が出てきます。ですので、長い定規で真っ直ぐかどうか確認しながら、念を入れて仕上げながら重なりを合わせていきます。


重なりがまっすぐかどうか、定規で見ながら削ります。


重なりを削ります。

この作業を終えると、桐たんす本体をカンナで仕上げます。重ねを合わせた桐たんす本体をずれないように長ハタガネで固定し、そのまま本体を寝せて立側をカンナで仕上げていきます。


たんすを長ハタガネで固定して横にし、一気にカンナで仕上げます。

立側を仕上げたら、本体を寝せて前面を仕上げていきます。この時も、長ハタガネを付けて固定しながら前面を平らに仕上げます。上台と下台を乗せた状態で、前面がピシッと合うようにここも念を入れて仕上げます。


裏板を下にして、たんすの前面を平らに仕上げます。

その後は、上板、立側、地板、全ての外側を面取りカンナで面を取っていきます。そして、昨日もお伝えした四方丸の部分、内側の丸は外側の丸に合わせて小刀で、丸を作っていきます。


面取りカンナで外側の面を取っていきます。


内側の丸を小刀で作っていきます。


外側と内側の丸を手作業で作っていきます。見事な職人技です。

こうして立側がやっと立ちました。今日はここまで。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福島県A様の和たんすを作る その3

今日も親方が工場に来て、昨日の続きの柾割を行いました。今日の柾は長い柾でしたので、少々大変そうでしたが、まだまだ現役、体調も良さそうで仕事を終えて元気に帰っていきました。

今日の親方。 

さて、昨日はタイコにサンを木釘で打っていく所までをお伝えしました。今日はその続きで、タイコにサンを打ったら、それをカンナで仕上げます。

タイコに打ったサンをカンナで仕上げます。

その後は、タイコ、中棚、ツカを組んでいきます。中棚とツカを組んだ後に、タイコも組んでいきます。そして、立側、上板、地板の順に組んでいきます。

タイコ、中棚、ツカを組んでいきます。

立側、上板は、ホゾとホゾをしっかりと組んでいき、その後、木釘(3寸)で、ホゾの間をしっかりと打っていきます。

上台の立側。上板、側、地板、タイコ、中棚を組み、長ハタガネとシャコ万で固定します。

上台を組んだら次は下台を組んでいきます。下台も、地板と立側はホゾとホゾをしっかりと組んでいき、ホゾの間は木釘(3寸)でしっかりと打っていきます。

下台も組んでいきます。

上台、下台共に、立側を立てたら、内側の丸を付けます。今回のたんすは「四方丸」という、桐たんすの四方が丸くなっている作りで、内側、外側共に丸くなっています。

その内側の丸は、丸くするために内側に桐を貼り、それを削って丸くします。その角に丸くするための桐材を貼ります。

内側の丸を作るため、内側に桐を貼ります。

その後は、上台の裏板を打っていきます。立側、上板、洋地の内側にのりを付けて、裏板を打っていきます。

上台の裏板を打ちます。

下台は、裏板を打つ前に、引き出しが入る棚板が真っ直ぐなのかを目で確認し、少しでも曲がっていると、引き出しがスムーズに入らないので、つっかえ棒を立てて、棚板の曲がりを直して、それから裏板を打っていきます。

棚板が真っ直ぐか目で確かめます。まっすぐでなかったら、つっかえ棒を入れて、真っすぐにします。

上台、下台共に、ドリルで穴を開け、木釘を打ち、釘きりで切って、水を拭いておきます。水を拭くことで、桐が膨張し、釘切りノコで切った傷や、玄能で叩いた跡も、カンナをかければきれいになくなります。

下台の裏板を木釘で打っていきます。

今日はここまで。

今日の私は、注文が入った桐たんすの、立側、裏板を切っていました。背の高い注文があり、長い板を倉庫から取り出して切っていました。

今日の私は木取り。裏板、立側の板を切っていました。

明日も、全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福島県A様の和たんすを作る その2

三連休も終わり、気がつけば今日はもう15日。昔で言う「小正月」です。今は小正月も忘れ去られるようで、寂しいです。

今日は、3連休のうちに親方の仕事を作っておきましたので、親方が工場にやってきて仕事です。柾割機に柾を通して、柾を割るという工程を行います。今回は、結構な枚数の柾を私が切りましたので、今日明日と二日間に渡って工場で仕事です。

親方が柾割機で柾を通しています。

さて、先週末は福島県からご注文いただきましたA様の小袖和たんすのホゾを取り、留めを作り、タイコ(衣装盆の入る所)の印をつけ、隠し小箱の蓋を切る所までをお伝えしましたが、今日は、上台の地板の入るところを作っていきます。

上台の地板が入る部分を作ります。

予め昇降盤でノコを入れて、そこから胴付きとノミで地板の入る場所を作っていきます。その後、棚板に毛引き墨(線)を入れ、立側に入る部分を作っていきます。

立側に入る部分を毛引きで引きます。

細かい部分をお伝えすると、今回は総面取りですので、毛引きを引く時に、一枚薄い板を毛引きに噛まして、面の取れる部分だけの線を引いていきます。

毛引きに薄い板を一枚噛まして、総面の面の部分を毛引きで引きます。

そして、上板にタイコ(衣装盆が入る部分)が入る溝を掘っていきます。次に観音開きの中にある、小引き出しが入る部分の中棚とツカを作ります。ツカには、忍錠(しのびじょう)と呼ぶ、隠れた鍵が付いています。その部分を作ります。

上板にタイコが入る溝を掘っていきます。


観音開きの中の小引き出しのツカ。忍錠の入る部分を作ります。


詳しい説明は省きますが、これが忍錠です。


観音開きの中の、中棚とツカを組んでいます。

ここまで出来たら、タイコ(衣装盆が入る場所)のサンを作っていきます。タイコのサンは、4分板で盆と盆が入る間隔の板です。サンは、先の方を細く削り、盆が当たらずに入りやすいようにしていきます。

タイコのサンを作ります。先の方を削って、盆が入りやすいようにします。

その後は、衣装盆の型を当てながら、サンをタイコに木釘で打っていきます。今日は、ここまで。

衣装盆の型を当てながら、タイコのサンを付けます。


ドリルでタイコのサンに釘穴を開けます。


木釘で打って、カンナで仕上げます。

今日のこの工程も結構な時間がかかっていますが、今日はここまで。明日も、全力で頑張ります。

三連休ですが・・・。

今日から三連休のところも多いかと思いますが、桐の蔵も三連休。私は誰もいない工場で、一人仕事です。

今日は、午前中は出荷前の桐たんすの調子を見て点検。その後は梱包に入り、合計2本の桐たんすの梱包で午前中が終了。

再生たんすの点検です。


出荷のため、梱包中です。


午前中で2本、梱包でした。

午後からは、今、懸案になっている新作の金具付けを行いましたが、これがなかなか大変。今までやったことがなかった金具もあり、試行錯誤の連続です。まぁ、これが試作品ですから失敗も許せますが、この精度を高めて行かなければなりません。

初めて取り組むものは、やはり自分がやらないと気がすまないタイプですので、他の人には任せられません。自分がやって、どこをどうすればいいのか、どんな具合なのか?を体験しないことには、他の職人さんにも伝えられないからです。

まだまだ途中ですが、少しずつ形になってきました。あと少し、全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福島県A様の和たんすを作る。

今日からは、福島県からご注文をいただきました和たんす(小袖たんす)を造っていきます。桐の蔵の一般的な桐たんすの基本の高さは5尺7寸(約1m73cm)ですが、小袖たんすとは、背が低いたんすの事を指す呼び方です。

今回ご注文いただきました和たんすも、2つ重ねの和たんすですが上台が少しだけ低い型になっているのです。
(その分、衣装盆が少ないタイプです)

まずは図面と木取り一式を出して、台車に積んでいきます。そこからは、長さ切りで各部材を各々の長さに切り分けていきます。

木取り一式を台車に積んで長さ切に向かいます。

次に、各部材のカンナ掛けです。いつものように、たんすの内側に入る部分の各部材を手カンナで掛けていきます。

カンナで棚板を仕上げます。

その後は、洋地(上台の地板)の板を四方、巻いていきます。次に上板、立側(左右)、地板のホゾを取っていきます。
これは、機械で取ります。

洋地の裏側にシャコ万で桐を巻いていきます。

ホゾを取ったら「木殺し」と呼んでいますが、ホゾの部分を玄能で叩いて、ホゾとホゾが付きやすいようにする隠し技を使います。

ホゾを玄能で「木殺し」します。こうすることで、ホゾとホゾが良くくっつきます。

次に、立側と上板をホゾで組み時に、お互いの板が直角で組み合うように、留め(45度))にするために、胴付きを入れていきます。

留め(45度)を作るため、胴突きを入れていきます。

その後は、衣装盆が入る「タイコ」と呼ぶ位置を計算し、、直角定規で位置を見て、シラガキで印をつけていきます。

そして隠し箱を造っていきますが、これはカタログ、ホームページどこにも出ていない隠し機能です。その隠し箱の蓋を胴付きで切っていきます。一枚の板をくり抜いていきますので、木目はそのまま繫がっています。

今日はここまで。明日からは桐の蔵は三連休ですが、私は明日は仕事。また、週明け全力で頑張ります。

桐たんすの木取り  底板を組む

今朝は、水を入れるポリタンクを用意して、少し早めに自宅を出て工場に向かいました。工場の前にはすでに給水車が待機しており、工場に行く前に給水させていただきました。

その後、工場につき水道の蛇口をひねったら、水が出て来て、何とか、予定時間の7時を前に普及したようです。ホント、水がない生活は困ります。

今日の私は、昨日、水道が止まって出来なかった引き出しの底板の続き、底板を組んでいました。荒削りした底板の木目を見ながら、幅尚広い板を中心に、左右にその木目に見合った板を配置するように組んでいきます。


幅の広さに応じて板を分けて積み、そこから板を取って組んでいきます。

その際には、木裏、木表を確認し、全体の寸法を確認して、幅が足りなかったり、長過ぎたりしたら、足したり引いたりの調整をしながら、底板を組んでいきます。


幅の広い板を3枚に隣り合わさるように、組んでいきます。

幅の広い桐たんすの4尺用の底板、3尺6寸、5寸用の底板、そして3尺3寸用の底板をまずは組みます。今日は、その3種類の底板だけで72枚の底板を組みました。


最終的には、積んだタワーが2つ。72枚の底板を組みました。

その後は、三割の小引き出し用の底板を、4尺用と、3尺6寸用の2種類を組み、終わったのは夕方近くでした。
午前中は、隣で奥様が板を貼っていましたので、その貼った板を削ったりの仕事をしながらでしたので、意外と時間がかかってしまいました。


板を貼る奥様と貼るのを待つ板。

その後は、明後日出荷の再生たんすの梱包と、完成した桐たんすの点検などをこなし、終業を迎えました。

明日終えれば、またまた3連休。明日も、全力で頑張ります。