先週末は、引き出しの枠と丸盆の枠を組んで、底板を木釘で打つ所までをお伝えしましたが、今日はその続きです。
丸盆の枠を組んで底板を打つ前です。
今日はまず面白い写真から。これ何してると思います。カンナを上の方に掲げて、外の方を見ています。
実はこれはカンナの台を直しているんです。カンナの台は樫の木で作られているのですが、樫の木はとても固い木なのですが、やはり木ですから狂うんですね。狂うとは、カンナの台が反ったり反ったりするのです。そうすると桐をカンナで削ろうと思っても、台が狂っているから思うように削れないのです。ですから、このようにカンナの台に定規を当てて、真っ直ぐかどうか(正確には真っ直ぐでもダメなのですが)を見て、カンナの台を削る「台直し」というカンナで台を直していくのです。
今の新潟のように湿気が多いと、台が狂いやすくなります。
台を直したら、次は底板を打った引き出しを入れていきます。先板、底板、ホテ板を削りながら、引き出しを入れていくのですが、これも引き出しを仕込むときと同じように、削っては入れ、削っては入れを繰り返しながら、どこが当たっていて入らないかを見ながら、少しずつ入れていきます。
こうすることで、引き出しを入れると他の引き出しが出てくるような密閉度の高い引き出しが生まれるのです。
引き出しを入れていきます。
まだ金具が付いていない引き出しは、吸盤(大きな吸盤です)を使って引き出します。密閉度が高いので、なかなか引き出せません。
引き出しが全て入ったら、棚板(引き出しの乗る板)にロウ(イボタロウ)を塗って、引き出しの滑りを良くするために、ロウを塗ります。
その後は丸盆を仕上げます。丸盆は、逆にして中に台を入れて、直接底板が当たるようにして、カンナで仕上げていきます。
その後は、丸盆の名の通り、上面を丸く仕上げていきます。上面を丸く削り、その後はペーパー(紙やすりを我々はペーパーと呼びます)を掛けながら、丸面をきれいに仕上げていきます。これで丸盆は完成します。
そして次は、観音開きの扉を仕込む工程ですが、ここは写真がなくすみません。観音開きの扉を仕込み、カンナで仕上げたら完成です。
ここまで6回に渡りお伝えしましたが、実際にはもっとかかります。
これで桐たんすの木地が完成し、この後、塗装と金具付け、そして点検の後、梱包という流れになります。
今日はここまで。明日も全力で頑張ります。