2020年 2月 の投稿一覧

神奈川県と東京まで桐たんすのお届けでした。

2月に入りこんなにも雪のない2月は記憶にないのかも知れません。そんな中、今日は、桐たんすのお届けに神奈川県と東京まで行ってきました。

起床は午前5時。

あたりはまだ真っ暗なものの、少しずつ夜明けも早くなって来たなと感じる頃です。午前6時に工場で弟と待ち合わせて、いざ、関越高速を東京へ向けて出発です。

いつものように、三芳SAで休憩し、都内へ入ります。相変わらず渋滞の首都高を走り、神奈川県鶴見区の素敵なマンションまで。

一軒目は、M様へ整理たんすのお届けでした。素敵なマンションの和室に、ぴったりと収まりました。

帰りには、お土産とお茶までいただきまして、M様、本当にありがとうございました。

その後は、2軒目の東京都目黒区まで向かいます。

実は、2軒目のK様は、着物が多く収納できる和たんすをお求めいただいたのですが、2階に置きたいとのことで、以前、一回下見をさせていただいたのですが、どうしても二階へは無理なため、桐たんすの形を二重ねから三重ねへ変更し、しかし、収納力は変わらないという形を提案させていただきました。

お陰様で、何とかご希望の二階へ納めることが出来ました。K様、本当にありがとうございました。

その後は、全く雪のない関越道を帰り、無事に工場へ到着でした。

毎回思うのですが、桐たんすをご注文いただき、製作し、お届けさせていただく。この当たり前のようで、実は当たり前ではないこの現実に、感謝します。

明日は一日ゆっくりさせていただきます。

来週も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県M様の整理たんすを作る4

神奈川県M様からご注文をいただきました整理たんすですが、昨日は、整理たんす本体を固め、外の丸と内側の丸を作るところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

上台の地板(縦方向)を長台(台の長いカンナ)で平らに削っていきます。

平らに削るときは、台の長いカンナ(長台)を使います。

地板の横方向を長台で削っていきます。

常に定規で平らになっているかを確認し、削っては確認を繰り返し行っていきます。

たんす本体を重ねて逆さにして、重なる部分の目違いをカンナで取っていき、重なる部分を平らにしていきます。重なる部分がどこか分からないくらいに、ぴったりとくっつきます。

上台と下台がぴったりと重なるかを見ています。

どこが当たっているのかを確認しながら、少し削っては確認し、ずらしては削り、確認するを繰り返し行います。

重なりがぴったりいかないと、桐たんすにはなりません。

重なりが出来たら、重なる部分をハタガネで止め、たんす本体を横に寝せて、立側をカンナで仕上げます。カンナ掛けは止めずに一気に仕上げます。

立側をを仕上げたら、そのまま裏板を下に寝せて、前面をカンナで仕上げていきます。

これで桐たんすの本体が完成しました。

次に引き出し周りに入ります。

引き出し周りの材料を出してもらい、長さ切りでそれぞれの部材を、各々のサイズに切り分けていきます。

引き出し周りの材料。

引き出しの先板、底板、ホテ板(側板)

今日も親方が工場にやって来ました。

先日からの柾割の仕事で、やり残しがあったのでした。

で、今日の私は3分板を切ります。

倉庫から3分板を持ってきて板を切るのですが、今回の板は私の背の倍ほどの板ですので、切るのも運ぶのも一苦労。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県M様の整理たんすを作る3

神奈川県M様からご注文いただきました整理たんすですが、昨日は、棚板にツカを入れるところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

整理たんす本体を固めていきます。

下台の立側に棚板を入れ込んでいきます。立側の方から木釘(3寸)を打っていきます。

次に上台の立側に棚板とツカを組み込んだ部分を入れ込み、ドリルで穴を開け、木釘を打っていきます。

上台の裏板を長ハタガネで止めながら木釘で打っていきます。

木釘は均等にバランス良く打ちます。木釘の間隔が美しいです。

下台の裏板も打ち、地板のホゾの部分をカンナで平らに仕上げていきます。

地板のホゾの部分はその所に「足」と呼ぶ部分が付くため、平らに仕上げなければならず、定規で平らかどうかを確認しながら、カンナで削っていきます。

地板が平らに削れたら、足をシャコ万とハタガネで止めます。

整理たんすの上台の本体が固まりました。四方丸の外側の丸はカンナできれいに丸く削り、内側の丸を作るために、内側に桐を貼っています。

今日の私は、7分板を組みます。

ヘギのホテ板、丸盆のホテ板、チェストのホテ板など。組んだ板は、台車の上に積んでいきます。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県M様の整理たんすを作る2

先日から始まりました神奈川県M様からご注文いただきました整理たんすの制作ですが、先日は、棚板の両端をカンナで面を取るところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

棚板の立側(本体)に入る部分を作っています。

棚板の両端を昇降盤で欠いて、ノミで入る部分をきれいに取っていきます。

胴付きノコで棚板の全面を直角の型を当てながら切り込みを入れていきます。

胴付きノコを入れたら、ノミで型を当てながらきれいに仕上げていきます。

次に「ツカ」を作っていきます。

ツカが上板と棚板に入る部分を作ります。胴付きノコで入りの部分を切っていきます。

ツカが完成したら、側板に棚板が入り込む「溝」を溝切りカッターで掘っていきます。

立側の内側に掘った溝。ここに棚板が入ります。

棚板にツカを入れていきます。

今日は久しぶりに親方が工場にやって来ました。

親方の仕事である「柾割」を作っておいたので、その仕事をお願いしました。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 神奈川県M様の整理たんすを作る

今日からは神奈川県M様からご注文いただきました整理たんすの制作をお伝えしていきます。

まずは、図面を出していきます。

桐たんす職人はこの図面一枚で桐たんすを作っていきます。

木取りを出して、それを長さ切りでそれぞれの部材を、各々のサイズに切り分けていきます。

幅の広い板を贅沢に使った裏板。きれいな木目です。

立側の裏側をカンナで仕上げていきます。

地板をカンナ掛けしていきます。

地板はそのままカンナを掛けると、板にカンナが当たりにくいので、地板の下に箱を入れて、直接地板の板が当たるようにしてから、カンナを掛けていきます。

上板の幅から中棚の幅(中棚の入りの部分)を測って、シラガキで印を付けます。

棚板の立側に入る部分をモノサシで計って、ケヒキに取って印を付けていきます。

棚板の両端(立側に入る部分)をケヒキで引いていきます。

棚板の立側に入る部分を昇降盤とケヒキで取った部分を、ノミとペーパー(紙やすり)できれいに仕上げていきます。

棚板の両端をカンナで面を取っていきます。

今日の私は、板盆用の板を組み、立側を作ります。やっと少しずつ、木取りが追い付いて来ました。

明日は祝日なんですね、少し微妙な日程です。

桐たんすの組み立て 北海道S様の和たんすを作る8

北海道S様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、今日が最後です。昨日は、引き出しの底板を木釘で打つところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

引き出しの枠の底にのりを付け、底板を乗せたらハタガネで底板を締め、ドリルで穴を開けて木釘を打っていきます。

木釘を打ち終えたら、底板をカンナで仕上げていきます。

底板はそのままカンナを掛けると、引き出しは中が空間なので思うようにカンナが掛かりません。そこで、引き出しの中に箱を入れて底板が直接当たるようにして、カンナを掛けていきます。

底板の次は引き出しのホテ板、先板のカンナを掛けていきます。

それと同時に、引き出しが入る場所に引き出しを入れていきます。

そこで、引き出しがすんなり入るか、当たっている場所はどこか?を目と勘で確認しながら、少しずつ引き出しを入れていきます。

どこが当たっているのかを確認し、鉛筆で印をつけます。

大きな吸盤(この吸盤が貴重でなかなか売っていません)で引き出しを吸いながら引き出し、引き出しては削り、入れてはどこが当たっているのかを確認する作業を、何度も繰り返します。

引き出しを入れ終えると、衣装盆(丸盆)に入ります。

丸盆の底板を、ハタガネで締めながら木釘で打っていきます。

丸盆の枠が完成したら、まとめて外側の丸をカンナで丸くしていきます。ハタガネで止めてまとめて丸くすると、一度に同じ丸に仕上がります。

引き出し、丸盆が完成したら、観音開きの扉を仕込みます。観音開きの扉を仕込み、カンナで仕上げたら完成です。

この後、塗装、金具付け、検品、梱包して北海道までお送りさせていただきます。

今日の私は、昨日、足りなかった棚板をダッシュで作り、何とか間に合わせました。いつものことですが、木取りが足りないとさすがに焦ります。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 北海道S様の和たんすを作る7

北海道S様からご注文いただいております和たんすの制作ですが、昨日は、引き出しの先板のほぞをノミで取っていくところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

引き出しの先板とホテ板(側板)の留め(45度)の部分のアップ。

先板、ホテ板共に8分板を使用し、厚く、留め加工という手の込んだ技術で高価な桐たんすを演出しています。

ホテ板にのり(接着剤)を付けて、これから引き出しを固めていきます。

まずは、カガミ板にホテ板を組み入れて、その上に先板を乗せて手で叩きながら入れていきます。

そして少し入ったら、打ち当てを使って少しずつ叩いて入れ込んでいきます。

次に衣装盆(丸盆)に入ります。

ゴムチューブで固めた丸盆の角を取るのですが、その線をケヒキで引いていきます。

ケヒキで線を引いて、のこぎりで切った角を内側にのりで貼り付けます。

角を切って、内側に角を張り付けてのりを乾かしている丸盆。

冬は寒いので、なかなかのりが乾きません。

次に引き出しの底板を打っていく準備をします。

引き出しの枠の底板を打つところにのりを付けていきます。

今日の私は、木取り(部材)づくりに追われました。棚板がないな、と思っていましたが、バタバタと棚板がなくなり、至急、作ります。

明日も、全力で棚板を作ります。

桐たんすの組み立て 北海道S様の和たんすを作る6

北海道S様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、昨日は、引き出し周りのカンナ掛けまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

衣装盆(丸盆)の留めを、留めを切る型に合わせながら、昇降盤で切っていきます。

留めを切った丸盆のカガミ板と先板、そしてホテ板。きれいに留めが切れています。

衣装盆(丸盆)の底板をカンナ掛けしていきます。

カンナ掛けする時は、途中で止めないで一気に掛けます。

丸盆の留めを切ったら、留めの部分にのりを付けて、ゴムチューブで固定してのりを乾かします。

そしてカガミ板を仕込んでいきます。

仕込むとは、引き出しの前板(カガミ板)を、引き出しが入る場所に合わせていくことを、引き出しを仕込むといいます。これが、引き出しを入れると、他の引き出しが、ピット出てくるような、密閉度の高い引き出しになります。

カガミ板を仕込んだら、底板の入る部分を昇降盤で欠き、きれいにノミで取っていきます。

今回の引き出しは、先板とホテ板が留め加工ですので、ホテ板と先板の交わる部分を留め(45度)に胴付きで切り、ノミできれいに取っていきます。

先板のホゾをノミで取っていきます。

今日は、夕方から雪が降り始めました。

今週はやっと雪の予報です。明日までにどれくらい積もるのでしょうか。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 北海道S様の和たんすを作る5

北海道S様からご注文いただいております和たんすの制作ですが、昨日は、桐たんす本体の裏板をカンナで仕上げるところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

上台の上板をカンナで仕上げていきます。

1寸3分(4cm)の厚みの上板は、重厚感たっぷりです。その無垢板をカンナで仕上げていきます。

たんす本体を重ねて寝かせ、長ハタガネで固定して全面の縁を丸く面を取っていきます。

その後に、ペーパー(紙やすり)で丸く削ったところをきれいにしていきます。

たんすの四方の外側をカンナで丸く仕上げたら、今度は内側の丸を作っていきます。

前もって丸を作るために貼ってあった部分を、小刀で丸く削っていきます。ここも職人の技術とセンスが発揮される部分です。

下台の裏板をカンナで仕上げていきます。カンナは止めずに一気に引いてかけていきます。

その後は、台輪の制作に入ります。今回の台輪は、高さが3寸5分(約10.6cm)の高めの台輪です。

台輪を切り組んでハタガネで止めています。

こうして桐たんすの本体(立側)が完成しました。

そのあとは、引き出し周りに入っていきます。

引き出しの底板をカンナで仕上げています。観音開きの中の小引き出しの底板です。

引き出しの先(奥の方)の板、「先板」も仕上げます。

こうして引き出し周りや、衣装盆などの部材をカンナ掛けしていきます。

今日の私は、様々な木取りを行います。

上板や衣装盆の底板を組み、それを奥様が貼っていきます。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 北海道S様の和たんすを作る4

先週から始めました、北海道S様ぁらご注文いただきました和たんすの制作ですが、先週は、下台の裏板を木釘で打っていくところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

下台の下の丸を作るために、まずはのこぎりで下台の両角を切っていきます。

そこから一つ一つ丸みを確認しながら、カンナで削って丸を作っていきます。

丸が完成したら、足と呼ぶ下台と台輪をつなぐ部分を、シャコ万とハタガネで止めていきます。

足を付けたら、上台の上に下台を乗せて桐たんす本体を逆さにしながら、重ねを合わせていきます。

通常のように、下台の上に上台を乗せると、上台が重いので、少しでも軽い下台を上に乗せて、重なりを合わせていきます。

下台を少しずらして、前の部分を少しずつ削りながら重なり具合を合わせていきます。

下台と上台が重なったところ。どこが重なった部分かわかりますか?

上台と下台の重なりの部分に隙間が全くないこの職人技。これが桐たんす職人の技術です。

重なりが完成したら、裏板をカンナで仕上げていきます。

カンナで仕上げるとき、木口を削るときはブラシで水を付けて削ると、木口はきれいに削れます。

先週の土曜日は、神奈川県まで桐たんすのお届出した。

昨年からの展示会で、何度もお出かけいただきましたK様の素敵なご自宅に、上下開きの和たんすと、整理たんすをお届けさせていただきました。

K様、本当にありがとうございました。

明日も全力で頑張ります。