1.会社での出来事

桐たんすの組み立て 広島県M様の和たんすを作る7

広島県M[様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、昨日は、引出しの蟻組みを取った後、ノミできれいに取るところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

上台は小さな観音開きで丸盆が4枚入ります。その丸盆の外側の角を切り、内側に貼る作業を終え、交互に丸盆を積んでいきます。

のりのチューブにのりを入れていきます。こののりのチューブ、昔気質の職人さんは絶対に使いませんが、使ってみると意外と便利で良いものです。時代は変わって行くのですが…。

昇降盤でノコ目を入れた先板。

先板のホゾ組をケヒキで取っていきます。

引出しの枠を固めていきます。蟻組み同士を入れ込み、ホゾ組を入れ込んで、木釘を打って止めていきます。

ホテ板の出た部分を長台で削って落としていきます。

引出しの底板を木釘で打つため、ドリルを揉んでいます。

ドリルを揉んだ後、木釘を打って底板を止めていきます。

今日の天気予報は「暴風雪」 予報通り、風が強く体がもっていかれそうです。そんな中、新潟市内まで修理の桐たんすの引取りへ。新潟市内に入ると雪の量がぐっと減りますね。

桐たんすの組み立て 広島県M様の和たんすを作る6

三ツ割の小引き出しのカガミ(前板)を仕込んでいます。仕込むとは、引出が入る場所にカガミ板を当てて、ぴったりと入るように合わせていく事を「仕込む」と言います。

カガミ板を入る場所に合わせたら、盤に置いて合わせたい個所をカンナで削って調整していきます。

そしてまた再び、引出が入る場所に合わせていきます。これを何度も繰り返すことで、密閉度のある、引出しを入れると他の引出しがぴ!っと出てくるような引出が完成します。

大引き出しを仕込み、カンナで削って調整しています。

大引き出しのカガミ板を入る場所に当てながら仕込んでいきます。引出しが多いと仕込む回数も増え、何十回と仕込んでいきます。仕込み終えたカガミ板は、引出が入る場所に入れておきます。

カガミ板の裏側、底板が入る場所を昇降盤で欠いていきます。

底板を当てながら、底板の厚みを見て昇降盤の刃の出具合を調整していきます。後ろでは、カンナを研いでいます。

引出しのカガミ板とホテ板の蟻組みを取り、取った場所をノミできれいにしていきます。

しばらく雪のない日々が続きましたが、今日はまた雪。立春と言う言葉に惑わされますが、現実はまだまだこれから…。

桐たんすの組み立て 広島県M様の和たんすを作る5

広島県M様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、昨日は、下台の地板をカンナで仕上げるところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

立側をカンナで仕上げた後、中台の地板の下に朴の木のフクリンを巻き、立側(胴丸)の丸の部分をペーパー(板に貼った紙やすり)で丸の部分をきれいに作っていきます。

上台の地板に貼った朴の木のフクリンも、中台と同じようにきれいに丸く作っていきます。

和たんすの立側(本体)が完成したので、引き出し周りに入っていきます。台車に引出しと衣装盆の材料を積んでいます。

自動カンナで引出しのホテ板(側板)の厚みを決め、各引き出しのホテ板の外側に入る方、内側に入る方を決めていきます。

引出しの底板(内側に入る方)をカンナで仕上げていきます。(木目が美しいです)

衣装盆(丸盆)の底板の内側に入る方をカンナで仕上げていきます。

カンナで仕上げたら、逆目がないかどうかを確認しています。

丸盆の枠をゴムチューブで巻いて固定し、4枚の丸盆を積んでいます。

今日は3分板の地板、中棚の板を組みます。午前中は暖かかったのですが、少しずつ荒れてきました。明日は大雪の予報です。

桐たんすの組み立て 広島県M様の和たんすを作る4

広島県M様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、昨日は、重ね板をカンナで仕上げるところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

下台の裏板をカンナで仕上げていきます。

中台の重ねのサンを重ね板に付けるために、上台の地板からケヒキで幅を取っていきます。

たんす本体を重ねて仰向けに寝せ、長ハタガネで締めて固定し、たんすの前面をカンナで仕上げていきます。

たんす本体が乗る台輪を作っていきます。

上台、中台、下台の本体。

中台の地板に、朴の木のフクリンをシャコ万で締めて付けていきます。

長台のカンナを調整しています。裏金の具合を見ています。裏金の出し入れが逆目の有無に関わってきます。

下台の地板をカンナで仕上げていきます。

今日は引出しのホテ板を組みました。組んだ板は積み上げていくので、これをタワーと呼んでいます。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 広島県M様の和たんすを作る3

広島県M様からご注文頂きました和たんすの制作ですが、昨日は、下台の棚板の風穴を開けるところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

下台の地板の下に巻く部分を、シャコ万で固定し木釘を打って止めていきます。

上台の裏板をハタガネで締めながらドリルを揉んでいきます。

ドリルを揉んだら木釘を打って裏板を止めていきます。

今回のたんすの形は胴丸と言う形ですので、重ねの部分に朴の木のフクリンが付きます。その朴の木のフクリンをカンナで仕上げて面を取っています。

胴丸の台輪のカガミ板をカンナで仕上げています。

台輪のサンの厚みをケヒキで取って、台輪に写していきます。

中台の地板、下台との重なる部分をカンナを掛けて平らに削っていきます。

中台の上板、上台と重なる部分をカンナで仕上げていきます。力が入ると重ね板の部分に乗ってカンナを掛けます。

今日は雪。朝は降っていなかったのですが次第に降り始め、今日明日と大雪の予報です。今日は、裏板の板組。我ながら素晴らしい木目です。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 広島県M様の和たんすを作る2

先日、このブログで制作を紹介させていただきました兵庫県N様から昨日、ご連絡をいただきました。「桐たんす完成したんですね! ありがとうございます!」と。ご注文いただいた桐たんすの制作過程をずっと見て下さっていて、ご連絡を頂いたのです。

これは、正に私がやりたかった事。ご注文いただいたお客様の桐たんすの制作過程を紹介しながら、見て頂けたらと。全てのお客様が見てくれるわけではないのですが、見て下さるお客様のために、こうした制作過程のブログを続けていきたいと思います。私も職人さん達も励みになります。N様、本当にありがとうございました。

広島県M様からご注文頂きました和たんすの制作ですが、昨日は、三ツ割のツカを作るところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

地板に付く、小箱のフタを胴付きノコで切っていきます。

棚板の両端の立側に入り込む部分を、直角の型を当てながら胴付きノコで切っていきます。

ツカの棚板に入り込む部分を、作っています。

棚板に彫り込んだ、忍びが入る溝。

ツカに忍びが入り込む穴をノミで取っています。

上台にタイコを入れ込み、上板を乗せて立側を固めていきます。

下台の立側に重ね板と棚板を入れ込んで、長ハタガネで締めながら木釘を打って下台を固めていきます。

下台の裏側、裏板を打つ前に棚板に風穴を開けるため、ノコを入れていきます。この風穴がないと、引出しの出し入れがスムーズにいきません。

今日も奥様はホットプレス。反りや狂いを直した板を積んでいきます。この積み方、整理の仕方が奥様らしいというか、素晴らしいのです。段取り八分って彼女は言っていました。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 広島県M様の和たんすを作る

今日からは、広島県M様からご注文いただきました和たんすに制作をお伝えしていきます。実は、数年前に胴丸の洋服たんすをお求めいただきましたM様は、納品の時も、弊社の「彩」というモデルも欲しかったのですが、と語ってくれました。それから数年、今回、「彩」上開きの和たんすを胴丸仕様でのご注文でした。M様、ありがとうございます。

まずは、図面をもとに長さ切りで木取りを切り分けていきます。

裏板の内側に入る方を、カンナで仕上げていきます。裏板の木目が美しいです。

立側の地板が入る部分に、昇降盤でノコを入れていきます。

上台は、丸盆が4枚入る小さな観音開き。そのタイコに付けるサンを斜めに面を取っていきます。

下台の立側の内側に棚板が入る溝を溝堀カッターで掘った後、棚板が入り込む総面の部分を、ノミで取っていきます。

留め型を使って棚板が入る部分の斜めの部分を、ノミで取っていきます。

三ツ割の小引き出し用のツカに忍び用の穴を開けていきます。それにしても、後ろにある上板の木目が美しいです。

今日は奥様が、反ったり狂ったりしている板を熱で平らにする作業の「ホットプレス」。この仕事は奥様にお任せです。意外と考える仕事で、何を先にやって、どう置いていくのかと頭を使います。いつも助かっています。ありがとうござます。

桐たんすの組み立て 兵庫県N様の和たんすを作る10

兵庫県N様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、今回が最後です。先週は小引き出しの底板をカンナで仕上げたところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

大引き出しの底板をカンナで仕上げていきます。引出しをひっくり返して中に台を入れ、底板が直接カンナに当たるようにしながら、底板を仕上げていきます。

衣装盆(丸盆)もひっくり返して中に台を入れ、底板が直接カンナに当たるようにしながら、丸盆の底板をカンナで仕上げていきます。

底板を仕上げたら、丸盆の上面をカンナで仕上げていきます。

丸盆は、ある程度まとめてハタガネで締めてカンナで仕上げていきます。

丸盆を仕上げたら、本体に入れてスムーズに入るかを確認していきます。

観音開きの中に入る小引出のホテ板を削りながら、本体に入れていきます。

大引き出しも本体に入れては確認し、出し手はカンナで削って調整する、それを何度も繰り返し行うことで、引出しを入れると他の引出が出てくるような、密閉度の高い引出が完成します。この密閉度が高価な桐たんすの命です。

左の引出しを入れたら、右の引出が飛び出て来る密閉度の高さです。

観音開きの扉を仕込んで、カンナで仕上げて生地の完成となります。

先日、この桐たんすをご注文いただきました兵庫県N様にご連絡をさせて頂きましたら、このブログをご覧になっているとの事。本当にありがとうございます。完成した写真もアップさせていただきました。新型コロナウイルスの影響で、お届けを見合わせて頂きますが、落ち着いたらお届けさせていただきますので、今しばらくお待ちくださいね。

今日は「柾組」。ご注文いただきましたたんすの引出、扉の柾を組みます。これも神経を使う作業です。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 兵庫県N様の和たんすを作る9

桐の蔵の今年の展示会は3月5日(金)~7日(日)の東京・代官山の展示会から始まるのですが、現在、緊急事態宣言が出ている現状を踏まえ、展示会は「完全予約制」とさせていただきます。ご来場予定のお客様は2週間前までにお申し込み下さい。

また、感染状況により「中止」する場合もございます。その際は、HP等でお知らせいたします。

兵庫県N様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、昨日は、丸盆の底板を木釘で打つところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

引出しのホテ板のホゾ組の部分を昇降盤で取っていきます。

引出しのカガミ板の蟻組みを取った後、ノミできれいに取っていきます。

丸盆の底板を木釘で打っていきます。丸盆が12枚と枚数が多いので底板を打つのも大変です。

引出しの枠を固めました。

引出しの底板を木釘で打って止め、先板をカンナで仕上げていきます。

小引き出しの底板をカンナで仕上げていきますが、定規を当て、底板が平らになっているかを確認しています。

引出しにねじれがないか、平らな盤に置いて確かめています。

小引き出しの枠を固め、底板をカンナで仕上げていきます。

今日は穏やかな一日でした。そんな日は板を切ります。3分板の引出しの底板を切り続けました。明日も全力で頑張ります。

長岡市まで桐たんすのお届けでした。

今日は朝から曇り空。雪が降らないだけいい日です。今日は、長岡市まで桐たんすのお届けに行って来ました。

昨年、桐の蔵のショールームにお出かけいただき、和たんすをお求めいただきました。和たんすの基本の形。観音開きの中には、桐の蔵オリジナルの「受け盆」も完備し、使いやすさも増しています。H様、本当にありがとうございました。

H様のご自宅を後にし、そのまま同じく長岡市のS様のご自宅に再生させていただきました桐たんすのお届けに行って来ました。急なお届けにも関わらず、快くお迎えいただきましたS様、本当にありがとうございました。

今日は長岡市に2軒お届けさせていただきました。ありがとうございました。

穏やかな一日で何よりでした。