2019年 1月 の投稿一覧

桐たんすの組み立て 福島県A様の和たんすを作る その4

昨日の夜から雪がチラホラ降っていて、今朝は積っているかな?と思えば、以外とそうでもなく、ほんの少し積っている程度でした。

そんな午前中、私は柏崎市まで再生する桐たんすのお引取りに行ってきました。長岡市や柏崎市の方は雪が多いと思い早めに出たのですが、何のことはない三条、加茂の方が雪が多かったのです。里雪でしょうか。


桐たんすを引き取りに行く道中、道路は雪でした。

さて、昨日は小袖和たんすの立側が立った所までをお伝えしました。今日はその続きです。

上台、下台の立側が立ったら、下台に足を付けます。足とは、下台と台輪を繋ぐ部分の事で、直接、下台の下に台輪を付けても良いのですが、今回は桐たんす本体が四方丸ですので、足を付けて本体を少し浮かせて、下台の両角を丸くします。


下台にシャコ万で足を付けます。

その後、足を付けてのりが乾く時間に、台輪を作ります。台輪とは桐たんす本体が乗る台の事を、「台輪」と呼びます。高さが3寸(約9cm)の高さの台の上に、桐たんす本体が乗ります。


台輪を作ります。

その後は、2つ重ねの桐たんすの重なりを合わせていきます。下台を上下逆に置き、その上に上台を乗せて重ねて、重なりが合っているかを削りながら見ていきます。


たんす本体を逆さにして、上台と下台の重なりを見ます。

重なりはとても重要で、重なりが合っていないと、桐たんす自体がガタガタしたり、観音開きがきちんと閉まらなかったりで、とても支障が出てきます。ですので、長い定規で真っ直ぐかどうか確認しながら、念を入れて仕上げながら重なりを合わせていきます。


重なりがまっすぐかどうか、定規で見ながら削ります。


重なりを削ります。

この作業を終えると、桐たんす本体をカンナで仕上げます。重ねを合わせた桐たんす本体をずれないように長ハタガネで固定し、そのまま本体を寝せて立側をカンナで仕上げていきます。


たんすを長ハタガネで固定して横にし、一気にカンナで仕上げます。

立側を仕上げたら、本体を寝せて前面を仕上げていきます。この時も、長ハタガネを付けて固定しながら前面を平らに仕上げます。上台と下台を乗せた状態で、前面がピシッと合うようにここも念を入れて仕上げます。


裏板を下にして、たんすの前面を平らに仕上げます。

その後は、上板、立側、地板、全ての外側を面取りカンナで面を取っていきます。そして、昨日もお伝えした四方丸の部分、内側の丸は外側の丸に合わせて小刀で、丸を作っていきます。


面取りカンナで外側の面を取っていきます。


内側の丸を小刀で作っていきます。


外側と内側の丸を手作業で作っていきます。見事な職人技です。

こうして立側がやっと立ちました。今日はここまで。明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福島県A様の和たんすを作る その3

今日も親方が工場に来て、昨日の続きの柾割を行いました。今日の柾は長い柾でしたので、少々大変そうでしたが、まだまだ現役、体調も良さそうで仕事を終えて元気に帰っていきました。

今日の親方。 

さて、昨日はタイコにサンを木釘で打っていく所までをお伝えしました。今日はその続きで、タイコにサンを打ったら、それをカンナで仕上げます。

タイコに打ったサンをカンナで仕上げます。

その後は、タイコ、中棚、ツカを組んでいきます。中棚とツカを組んだ後に、タイコも組んでいきます。そして、立側、上板、地板の順に組んでいきます。

タイコ、中棚、ツカを組んでいきます。

立側、上板は、ホゾとホゾをしっかりと組んでいき、その後、木釘(3寸)で、ホゾの間をしっかりと打っていきます。

上台の立側。上板、側、地板、タイコ、中棚を組み、長ハタガネとシャコ万で固定します。

上台を組んだら次は下台を組んでいきます。下台も、地板と立側はホゾとホゾをしっかりと組んでいき、ホゾの間は木釘(3寸)でしっかりと打っていきます。

下台も組んでいきます。

上台、下台共に、立側を立てたら、内側の丸を付けます。今回のたんすは「四方丸」という、桐たんすの四方が丸くなっている作りで、内側、外側共に丸くなっています。

その内側の丸は、丸くするために内側に桐を貼り、それを削って丸くします。その角に丸くするための桐材を貼ります。

内側の丸を作るため、内側に桐を貼ります。

その後は、上台の裏板を打っていきます。立側、上板、洋地の内側にのりを付けて、裏板を打っていきます。

上台の裏板を打ちます。

下台は、裏板を打つ前に、引き出しが入る棚板が真っ直ぐなのかを目で確認し、少しでも曲がっていると、引き出しがスムーズに入らないので、つっかえ棒を立てて、棚板の曲がりを直して、それから裏板を打っていきます。

棚板が真っ直ぐか目で確かめます。まっすぐでなかったら、つっかえ棒を入れて、真っすぐにします。

上台、下台共に、ドリルで穴を開け、木釘を打ち、釘きりで切って、水を拭いておきます。水を拭くことで、桐が膨張し、釘切りノコで切った傷や、玄能で叩いた跡も、カンナをかければきれいになくなります。

下台の裏板を木釘で打っていきます。

今日はここまで。

今日の私は、注文が入った桐たんすの、立側、裏板を切っていました。背の高い注文があり、長い板を倉庫から取り出して切っていました。

今日の私は木取り。裏板、立側の板を切っていました。

明日も、全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福島県A様の和たんすを作る その2

三連休も終わり、気がつけば今日はもう15日。昔で言う「小正月」です。今は小正月も忘れ去られるようで、寂しいです。

今日は、3連休のうちに親方の仕事を作っておきましたので、親方が工場にやってきて仕事です。柾割機に柾を通して、柾を割るという工程を行います。今回は、結構な枚数の柾を私が切りましたので、今日明日と二日間に渡って工場で仕事です。

親方が柾割機で柾を通しています。

さて、先週末は福島県からご注文いただきましたA様の小袖和たんすのホゾを取り、留めを作り、タイコ(衣装盆の入る所)の印をつけ、隠し小箱の蓋を切る所までをお伝えしましたが、今日は、上台の地板の入るところを作っていきます。

上台の地板が入る部分を作ります。

予め昇降盤でノコを入れて、そこから胴付きとノミで地板の入る場所を作っていきます。その後、棚板に毛引き墨(線)を入れ、立側に入る部分を作っていきます。

立側に入る部分を毛引きで引きます。

細かい部分をお伝えすると、今回は総面取りですので、毛引きを引く時に、一枚薄い板を毛引きに噛まして、面の取れる部分だけの線を引いていきます。

毛引きに薄い板を一枚噛まして、総面の面の部分を毛引きで引きます。

そして、上板にタイコ(衣装盆が入る部分)が入る溝を掘っていきます。次に観音開きの中にある、小引き出しが入る部分の中棚とツカを作ります。ツカには、忍錠(しのびじょう)と呼ぶ、隠れた鍵が付いています。その部分を作ります。

上板にタイコが入る溝を掘っていきます。


観音開きの中の小引き出しのツカ。忍錠の入る部分を作ります。


詳しい説明は省きますが、これが忍錠です。


観音開きの中の、中棚とツカを組んでいます。

ここまで出来たら、タイコ(衣装盆が入る場所)のサンを作っていきます。タイコのサンは、4分板で盆と盆が入る間隔の板です。サンは、先の方を細く削り、盆が当たらずに入りやすいようにしていきます。

タイコのサンを作ります。先の方を削って、盆が入りやすいようにします。

その後は、衣装盆の型を当てながら、サンをタイコに木釘で打っていきます。今日は、ここまで。

衣装盆の型を当てながら、タイコのサンを付けます。


ドリルでタイコのサンに釘穴を開けます。


木釘で打って、カンナで仕上げます。

今日のこの工程も結構な時間がかかっていますが、今日はここまで。明日も、全力で頑張ります。

三連休ですが・・・。

今日から三連休のところも多いかと思いますが、桐の蔵も三連休。私は誰もいない工場で、一人仕事です。

今日は、午前中は出荷前の桐たんすの調子を見て点検。その後は梱包に入り、合計2本の桐たんすの梱包で午前中が終了。

再生たんすの点検です。


出荷のため、梱包中です。


午前中で2本、梱包でした。

午後からは、今、懸案になっている新作の金具付けを行いましたが、これがなかなか大変。今までやったことがなかった金具もあり、試行錯誤の連続です。まぁ、これが試作品ですから失敗も許せますが、この精度を高めて行かなければなりません。

初めて取り組むものは、やはり自分がやらないと気がすまないタイプですので、他の人には任せられません。自分がやって、どこをどうすればいいのか、どんな具合なのか?を体験しないことには、他の職人さんにも伝えられないからです。

まだまだ途中ですが、少しずつ形になってきました。あと少し、全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 福島県A様の和たんすを作る。

今日からは、福島県からご注文をいただきました和たんす(小袖たんす)を造っていきます。桐の蔵の一般的な桐たんすの基本の高さは5尺7寸(約1m73cm)ですが、小袖たんすとは、背が低いたんすの事を指す呼び方です。

今回ご注文いただきました和たんすも、2つ重ねの和たんすですが上台が少しだけ低い型になっているのです。
(その分、衣装盆が少ないタイプです)

まずは図面と木取り一式を出して、台車に積んでいきます。そこからは、長さ切りで各部材を各々の長さに切り分けていきます。

木取り一式を台車に積んで長さ切に向かいます。

次に、各部材のカンナ掛けです。いつものように、たんすの内側に入る部分の各部材を手カンナで掛けていきます。

カンナで棚板を仕上げます。

その後は、洋地(上台の地板)の板を四方、巻いていきます。次に上板、立側(左右)、地板のホゾを取っていきます。
これは、機械で取ります。

洋地の裏側にシャコ万で桐を巻いていきます。

ホゾを取ったら「木殺し」と呼んでいますが、ホゾの部分を玄能で叩いて、ホゾとホゾが付きやすいようにする隠し技を使います。

ホゾを玄能で「木殺し」します。こうすることで、ホゾとホゾが良くくっつきます。

次に、立側と上板をホゾで組み時に、お互いの板が直角で組み合うように、留め(45度))にするために、胴付きを入れていきます。

留め(45度)を作るため、胴突きを入れていきます。

その後は、衣装盆が入る「タイコ」と呼ぶ位置を計算し、、直角定規で位置を見て、シラガキで印をつけていきます。

そして隠し箱を造っていきますが、これはカタログ、ホームページどこにも出ていない隠し機能です。その隠し箱の蓋を胴付きで切っていきます。一枚の板をくり抜いていきますので、木目はそのまま繫がっています。

今日はここまで。明日からは桐の蔵は三連休ですが、私は明日は仕事。また、週明け全力で頑張ります。

桐たんすの木取り  底板を組む

今朝は、水を入れるポリタンクを用意して、少し早めに自宅を出て工場に向かいました。工場の前にはすでに給水車が待機しており、工場に行く前に給水させていただきました。

その後、工場につき水道の蛇口をひねったら、水が出て来て、何とか、予定時間の7時を前に普及したようです。ホント、水がない生活は困ります。

今日の私は、昨日、水道が止まって出来なかった引き出しの底板の続き、底板を組んでいました。荒削りした底板の木目を見ながら、幅尚広い板を中心に、左右にその木目に見合った板を配置するように組んでいきます。


幅の広さに応じて板を分けて積み、そこから板を取って組んでいきます。

その際には、木裏、木表を確認し、全体の寸法を確認して、幅が足りなかったり、長過ぎたりしたら、足したり引いたりの調整をしながら、底板を組んでいきます。


幅の広い板を3枚に隣り合わさるように、組んでいきます。

幅の広い桐たんすの4尺用の底板、3尺6寸、5寸用の底板、そして3尺3寸用の底板をまずは組みます。今日は、その3種類の底板だけで72枚の底板を組みました。


最終的には、積んだタワーが2つ。72枚の底板を組みました。

その後は、三割の小引き出し用の底板を、4尺用と、3尺6寸用の2種類を組み、終わったのは夕方近くでした。
午前中は、隣で奥様が板を貼っていましたので、その貼った板を削ったりの仕事をしながらでしたので、意外と時間がかかってしまいました。


板を貼る奥様と貼るのを待つ板。

その後は、明後日出荷の再生たんすの梱包と、完成した桐たんすの点検などをこなし、終業を迎えました。

明日終えれば、またまた3連休。明日も、全力で頑張ります。

桐たんすの木取り   底板を作る


今朝の工場。雪が積りました。

天気予報では今日は大雪の予報。昨日の夜から、チラチラと雪が降り始め、今朝起きたら、少しだけ積っていました。
自宅から工場に来ると、自宅周辺よりは雪が多い。でも、午前中は降ったり止んだりを繰り返していましたが、午後からは落ち着き、積っていた雪も溶けてしまいました。

今日の私は、引き出しの底板と、特注たんすの底板を作りました。年末に奥様がホットプレスを掛けてくれていた底板を、自動カンナに掛けて、荒削りしていく所から始まります。その後は、手押し(手押しかんな)を掛けて、アイバを擦っていくのですが、その最中に、弟が、「二階の水道が出ない!」と言ってきました。


底板を台車に乗せて始めます。


桐の蔵で一番古い自動カンナに、底板を入れていきます。


自動カンナで荒削りしていきます。

水道メーターを確認し、問題なし。その後、一階の水道を確認しましたが、その時点ではチョロチョロと出ていましたが、その後は、全く出ず。

我が社だけなのか、断水なのか?役場に電話したら、「すみません、断水しています」との事。工場のある田上町は、地元の水道ではなく、遠く、三条市から水道を引いているとのこと。その途中で、水道管が破裂したとの事でした。
幸い、工場の前に給水車が来ており、バケツを持って人生初めての、水を貰いに行ってきました。


この後、水が止まりました。

トイレ、手洗い、かんな砥ぎ、食器洗い、全てにおいて水がないと仕事になりません。何度かバケツを持って水を貰いに行ったりで、今日は仕事が進みませんでした。

何と、復旧の予定は明日の午前7時の予定とか。今日の雪なんて大した事なかったのに、なんで破裂したんだろうか。

明日は、ポリタンク持って工場に行きます。明日も、全力で頑張ります。

桐たんすの木取り  柾を切る

今日は、年始の挨拶にと言うことで、親方が工場にやってきました。工場の階段を登り、二階で作業をする職人さんに挨拶に行っていました。今年で83歳、まだまだ元気です。


事務所で休憩中にお茶を飲む親方。

今日の私は、「柾」を切りました。柾板は、約6mm程の厚みの板ですが、柾目の部分が多く取れる桐丸太を、製材所で柾挽きにして(それが厚さ約6mm)、それを職人さんの手で一枚一枚干していくのです。


柾板を切ります。

約1年間干して、渋を抜き乾燥させた柾板を倉庫から取ってきて、注文のある桐たんすの図面を見ながら、柾板をそのサイズに切っていくのです。

柾板はいろいろな場所に使います。観音開きの扉の表と裏。引き出しの表と裏。引違い戸の表と裏。そして、古くて修理を依頼された桐たんすにも使います。今日は、そんな修理を依頼された桐たんすに使う柾を切っていました。
その他に、昨日の続きの4分板を組み、奥様が貼った板を削ったりの仕事でした。


奥様が貼った板は、私が削ります。

実は、今年から新たな事を始めているのですが、それを担当している弟と、進行中に、いろいろと話し合うのですが、それがとてもワクワクします。こんな感じになるのは、ホント、久しぶりで、この仕事をやっていて良かったなぁと感じる瞬間でした。

この新たな取り組みは、今現在、まだ言えないのですが、この分野、私はホント好きで、今後の新たな柱になると思っています。休憩中にも、弟、奥様、私の3人で、話し合ったのですが、奥様も好きな分野みたいです。

まだまだ完成まで時間が掛かりますが、作り手がワクワクする事って大切ですよね。
明日も、全力で頑張ります。

仕事始め

12月28日からお休みに入った、桐の蔵のお正月休みは10連休。毎日のように工場に来ていた私ですが、さすがに10連休は体がナマってしまいました。

今日、仕事をしていても何だか体が付いていかない感じ。休日は、ほどほどに。やはり現場での仕事が一番です。


板も貼ります。

今日は、4分板(地板)の板組と、板貼り。そして、観音開きの扉を作っていました。徐々にナマッた体も回復し、全開モードに。明日も、全力で頑張ります。


4分板(地板)を組みます。

それにしても今年は、雪が積りません。今日の午後は、日が差していましたから。

雪のない工場。明後日は雪の予報ですが・・・。

明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。昨年中は、お世話になりましてありがとうございました。

年末に帰省した長男、長女も、それぞれの住処に戻り、いつもの次女、次男との4人家族に戻りました。今年は、あと数ヶ月すると、次女ゆうちゃんも就職で新潟を離れますので、段々と、家族が少なくなり、寂しくなってきます。

今年も毎年のことながら、元旦には嫁さんと弥彦神社に初詣に行き、午後からは工場に神主さんにお越しいただき、お祓いをしていただき、一年のスタートを切りました。

今年も新たなことに挑戦しながら、壁を乗り越えて行きたいと思います。今年も、宜しくお願い致します。