桐たんすの組み立て 福井県T様の和たんすを作る その5

昨日は、小袖胴丸の和たんすの立側(本体)が立ち、次に引出し周りに入っていくところまでをお伝えしましたが、今日は、引出しと衣装盆を作っていく工程です。


引出しと衣装盆の木取りです。

まずは、引出しの木取りから各々の部材をそれぞれの長さに切り、その後は、カンナ掛けです。引出しの底板、衣装盆の底板、先板、ホテ板、そしてカガミ板の内側に入るところをすべて、カンナを掛けて仕上げます。(組んでしまうと内側はカンナが掛けられないですから)


引出し周りの木取りの部材を切ります。

その後は、引出しのカガミ板を仕込んでいきます。「仕込む」とは、引出しが入る所に、カガミ板を当てて、隙間がない位に、引出しがしっかりと入るように合わせていくことを「仕込む」と言います。カガミ板を結構、キツめに入れながら入る場所に合わせていきます。


カガミ板を引き出しが入る場所に当てながら、仕込んでいきます。


カガミ板の幅を引出しの幅に当てながら、墨をしています。

その後は、引出しには行かず、衣装盆に入ります。今回は「丸盆」ですので、接着に時間がかかるため、乾く時間を計算して、引出しのカガミを仕込んだら、衣装盆に行きます。

「丸盆」とは、全てにおいて丸く作られている衣装盆のことを「丸盆」と呼びます。衣装盆は、大きく分けると「丸盆」と「ヘギ」(角盆とも呼びます)、板盆や、前くくり盆などがありますが、多くは、「丸盆」や「ヘギ」(角盆)が一般的です。


外側、内側、上面、全てが丸く作られる丸盆です。

角盆は、外側が角、上面は平ら、内側のみ丸(弊社の場合)に対して、丸盆は、外側、内側、上面すべてが丸く作られている衣装盆です。また、塗装も、ヘギ(角盆)は、前面のみ塗装するのに対して、丸盆は四方全部塗装するので、手間がかかっており、価格もワンランク上の衣装盆です。

まずは、昇降盤で衣装盆のカガミ板、先板、ホテ板を留めに切ります。その後、底板が入る部分をカキます。そして、接着剤を付けて、衣装盆を接着しますが、このときは、弊社では昔から自転車のチューブを使って丸盆を留めに接着していきます。
自転車のチューブはちょうど良く伸びてくれ、縮む作用もあり、丸盆を接着するのにはうってつけの素材です。


留めで合わせた丸盆。美しいです。


留めの部分に接着剤を付け、チューブを回して固定します。

一枚ずつ、チューブで接着すると、留め(45度に合わせること)の部分から接着剤がはみ出ますので、それを刷毛で拭いて、きれいにするのも忘れてはいけません。


接着剤がはみ出たら、刷毛でしっかり拭き取ります。

丸盆のカガミ板、先板、ホテ板、全てにおいて「細かい柾目」を使っていますので、高級感も漂います。今回のご注文は、丸盆が8枚ですので、8枚しっかりとチューブで接着し、今日はこれまで。


8枚の丸盆をチューブで固定しました。積む姿も美しいです。

明日も、全力で頑張ります。

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