板を組む

桐たんすづくりにおいて、桐たんす本体を組み立てて作っていく作業が
とかく注目されますが、それと同様に木取りと板組みという作業があります。
この木取りと板組みというのは、注文を頂いたたんすのサイズに合うように、
桐の板を切っていくという工程が木取りというものです。
簡単に言いましたが、これがたんすの良し悪しを左右すると言っても過言ではありません。
どの板をどこに使うか、という見極め。
桐の蔵では親方の仕事です。
そして、切った板を使って組み立てる前のパーツを作っていく工程を板組みと呼びます。
これも簡単に言ってしまいましたが、この工程も重要です。
板には木表と木裏があり、これを間違うと板を反って使い物にならなくなるのです。
また、板の木目と柾目を組み合わせて、美しい表情を作りだしていくのも、この板組みと
呼ばれる重要な仕事です。
私は、今日、板組みをやっていましたが、いかに、美しい桐の表情を作り出すか。
それはセンスと創造性に頼るところが大きいと思います。
ムクの板には傷は節もあります。
それを、神経を集中させて取り除き、美しい木肌を再現するには、それなりの
経験が必要です。
ただ単に作業が出来ても、いかに美しく見せることが出来るか。
職人は10年経っても一人前にはまだまだ。と言われるのはこの辺にあるようです。
木取りも板組みもどちらかというと地味な作業です。
でも、この地味な作業なくしては桐たんすづくりはありえません。
こうした地味な作業が、桐の蔵のモノづくりを支えている事は、言うまでもありません

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