一寸、一尺、一分

今日は一日中、桐たんすの引出しの底になる部分の板を作っていた。
通称3分板と呼ばれる厚さ約1cm、長さ45cmに切った板をずっと削って、かんなを掛けていた。

桐たんすの業界で使う寸法は、センチではなく一寸、一尺、一分を使うところが多い。
最近は、センチを使うところも増えてきたけれど、桐の蔵は今だに寸、尺、分。

私自身はどちらでも使うことができるが、職人さんはセンチはダメ。
昔ながらの寸、尺、分なのだ。

正確に言うと一寸は3.03センチ、一尺は30.3センチ、一分は3.03ミリ。
これだから、尺をセンチに直すととても半端。

今はお客様との図面のやりとりはセンチで行い、それを寸、尺、分に直した図面を職人さんに渡す。結構手間取る。

職人さんは昔から、この単位で仕事しているので、センチで言われてもピンとこない。
親方なんかは、普通の会話でも、センチでなく、寸を使っているくらい。

この寸法、他に使っているところはあるんだろうか。桐たんす業界と比較的、似ている業界は桐下駄屋さん。でも、今は桐下駄屋さんもとても少ない。

県内でも専門にやっているところは一軒くらいかな。桐を扱うところは、こうして段々と少なくなっているのが現状かも。そのうち、寸、尺、分なんて寸法も絶滅するかもしれない。

必要かと言われれば、そうではないかもしれないが、たんす業界で使われてきた寸法。こんなところも、大切に伝えていきたい一つだ。

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