裏を出す。

刃物を研いでいくと、次第に裏がなくなってくる。
いつも良く使うカンナの裏出しは良く行うが、今日はノミ。
ノミの裏がなくなっていた。
昔から、カンナの台直しと、裏出しが出来なければ一人前とは言わない。と言われる。
刃物は、地金と鋼で出来ているので表と裏があるのです。
普通に研いでいくと、刃物が段々と減っていくと同時に、裏もなくなってくるのです。
そうなると、刃物は切れません。
そこで、裏出し開始です。
刃を表から金槌で叩いて、裏を出します。
この作業が肝心。ここで全てが決まります。
カンナだったらカンナ台に当て、裏が出ているか確認。まだだったら、こまめに見ながら、叩きます。
次は、金属の板に裏を押し当てて、こすり合わせて叩いて出てきた裏を出していきます。
(う〜ん、言葉にすると難しい・・・)
この作業、全身の力を入れて行うので、結構、力がいります。
夏は汗だく、冬は暖かくなる作業。
カンナの刃や、のみ、けひきの刃など、刃物をこうして、裏を出して、使い続けていくのです。
なんでも、表と裏でひとつ。
表も、大事だけれど、裏も大事なのです。

一寸、一尺、一分

今日は一日中、桐たんすの引出しの底になる部分の板を作っていた。
通称3分板と呼ばれる厚さ約1cm、長さ45cmに切った板をずっと削って、かんなを掛けていた。

桐たんすの業界で使う寸法は、センチではなく一寸、一尺、一分を使うところが多い。
最近は、センチを使うところも増えてきたけれど、桐の蔵は今だに寸、尺、分。

私自身はどちらでも使うことができるが、職人さんはセンチはダメ。
昔ながらの寸、尺、分なのだ。

正確に言うと一寸は3.03センチ、一尺は30.3センチ、一分は3.03ミリ。
これだから、尺をセンチに直すととても半端。

今はお客様との図面のやりとりはセンチで行い、それを寸、尺、分に直した図面を職人さんに渡す。結構手間取る。

職人さんは昔から、この単位で仕事しているので、センチで言われてもピンとこない。
親方なんかは、普通の会話でも、センチでなく、寸を使っているくらい。

この寸法、他に使っているところはあるんだろうか。桐たんす業界と比較的、似ている業界は桐下駄屋さん。でも、今は桐下駄屋さんもとても少ない。

県内でも専門にやっているところは一軒くらいかな。桐を扱うところは、こうして段々と少なくなっているのが現状かも。そのうち、寸、尺、分なんて寸法も絶滅するかもしれない。

必要かと言われれば、そうではないかもしれないが、たんす業界で使われてきた寸法。こんなところも、大切に伝えていきたい一つだ。

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