桐たんすの木取り  「柾を組む」

今回は「柾を組む」

以前に「柾の目直し」で書かせていただきましたが、曲がっている柾板を、柾割機に通して切込みを入れ、細かく割った柾板を
ハタガネを締めて真っ直ぐに伸ばしていく作業を経て、細かい柾目だけの真っ直ぐな柾目の板が完成するのです。


ハタガネで真っ直ぐに伸ばした柾目。

その柾目の中から、特別に良いものを「観音扉用」に、そしてそれ以外のものを「引き出し用」に振り分けます。

観音開き(扉)の柾は、細かな柾目でまっすぐに伸びたものを使い、傷などはもっての他で、少しの隙間や曲がった柾目などが入っていれば除くなど、細心の注意を払って、柾目を揃えるのが、「柾を組む」なのです。


真っ直ぐに伸ばした柾目を、目を合わせながら組んでいきます。

ただし、柾を組む段階において、柾の木肌はまだ削っていませんのでグレー色で、良く柾目は見えません。そこを何とか目を凝らしながら、勘も含めて柾目を揃えていくのです。


削って白い木肌なった柾目。 ○の部分が不良の柾目のため、この部分を抜きます。

一本分の扉と引き出しの柾を組んで、接着剤で貼り終えたら、桐たんすの扉と引き出しになるのですが、そうなって初めてカンナをかけて白い木肌が見えるのです。そこで傷があったり、柾目が揃っていない場合も多々あり、そこからは、一つ一つ、傷や不良の柾目を抜いていくのです。

この作業がまた大変で、私は我慢との戦いでもあります。
そこには、「いい桐たんすを作る」という、プライドだけがこの作業を支えていると言っても過言ではありません。

「柾組」はどこの工場でも、その会社の一番偉い人(社長さんや工場長)が、昔から担っていた、一番大切な仕事です。
この仕事によって、たんすの良し悪しが決まると言っても過言ではない位の仕事です。桐の蔵でも、少し前までは親方が担っていました。

桐たんすの「顔」である、観音開きの扉と引き出しは「柾目」で出来ていますから、これが良くなければ、きれいな桐たんすとはならないのですね。

桐たんすの「顔」を作るのには、本当に多くの手間と時間がかかっているのです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

オリジナル無料カタログ・プレゼント

桐の蔵の商品をいつでもどこでもゆっくりとご覧になりませんか?
桐たんすの違いや仕様まで、わかりやすく細かく説明しています。

・桐たんす・桐チェスト 全74竿掲載
・A4版 全95ページのボリューム
・豊富な写真と細かな説明でわかりやすい

お申し込み後、1週間ほどでお届けいたします。
ぜひ、あなた様の桐たんす選びにご活用して下さい。


無料カタログ請求