今回は、「板を組む」
板を組むとは、簡単に言えば、「木目をきれいに合わせていく作業」ではないか、と私は思います。
様々な部分の板があるので、その都度説明したいのですが、今回の先板であれば、引き出しの先に使う板ですので、出来るだけ
木目(柾目)を中心に違和感のないように、柾目の板を順番に並べていきます。
この時、同時に板の木表と木裏を確かめながら、互い違いにならないように並べて、そして、その並びでハタガネを使って貼れるように、印をつけて置いておく事を、「板を組む」と呼んでいます。
これが本体の側板であれば、真ん中に「大きな板目」を持ってきて、両側に柾目を並べて、出来るだけ一本の木に見えるように並べたりします。また、柾目で板を組むのであれば、柾目の細かい方から荒い方へ流れるように柾目を並べていきます。
昔から板を組む時は、組む板の前にあぐらをかいて、一枚一枚板に墨を付けて(印をつけて)作業をしています。
私もこの作業を、修行先から桐の蔵に帰って来てから、川崎さんという職人さんから教わり、その教えをずっと守って今も行っています。
組んだ板は、この順番でハタガネで貼るように印を付けます。
板を組む枚数が多いと、半日ほどこの作業をずっとやっていますが、どうしたら木目
(柾目)をきれいに見せられるかを考えながら板を組んでいくので、かなりセンスが問われる作業です。
今回は「先板」でしたが、様々な部分の板があるので、その都度、「板を組む」パターンも紹介したいと思います。