一年と二ヶ月のプロジェクト。

    曇り時々、雨。   でも何とか持ち直しました。

やっと、やっとギリギリで完成しました。
このお話が舞い込んだのは、昨年の春の頃だったと思う。
その後、昨年の8月頃に京都に伺い、顔合わせというか、
とりあえず具体的な話を聞きました。

その時は、出来るかどうか?不安でした。
そして、お見積もりもなかなか出せず。(箱でもなく、たんすでもないのです)

最初の話では、奈良県にある国宝のお寺の
国宝を仕舞う書箱(でも、タンスでもなく箱でもないすごく大きい!)
を作ってくれないか?と・・・。

普通の人では入れない、何度となくセキュリーティーを受けるような
建物の中で、その仕舞われる国宝を目の当たりにして、
担当者から説明を受けたのです。

そして、その後、本当に本当に大切な国宝だから、
それを仕舞う箱(たんす?)も、300年持つような作りと、材料で
お願いしたいと言われたのです。

それから、何度、京都に足を運んだだろうか?
今年の2月には、職人小池さんと共に、打ち合わせに。
その後、4月にも。そして担当者の方も桐の蔵に来ていただいたり。
そして数々の図面のやり直しも・・・。

この担当になったOさん、本当に細かい!というか、
その細かさは、完全に常識を越えていました。

でも、そんな事にも耐えながら、数十回の変更を繰り返し、
その都度、図面を書き換えながら、少しずつ進んできました。

その間、親方は材料を選び、選別し、組み立てにかかるまで
神経を尖らせていました。

そして最終的な打ち合わせが、今年の7月頃。
それでも、まだ決まっていないところもあり、それはそれは
いつ出来るのだろうか?と焦り始めた頃、
私たちは、試作品に取りかかりました。

普通、桐たんす屋は、試作品なんて作りません。
しかし、納めるものが納めるものですので、間違っていたら大変。
そして、まだ決まっていなかった箇所もあったため、
試作品で、見て決めてもらおうとの事でした。

結果的には、この試作品が大正解。
これがなかったら、今がなかったでしょう。
しかし、試作品の完成に約2週間。

そして、今日、出来上がった作品の完成に約一ヶ月。
今までで、一番大変だったと言っても過言ではない
作品が、完成しました。

そして、これからお届けに行って来ます。
まずは、事故もなく、怪我もなく、無事にお届け出来て
帰ってこれますように。

職人・小池さんをはじめ、桐の蔵の職人の皆さん、
大変でしたが、本当にありがとうございました。

まずは、気をつけて行ってきます。

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