桐たんすの組み立て 東京都S様の桐チェストを作る その2

昨日は、東京都S様からご注文いただいた桐チェストを作り始めて、立側(両側)に棚板が入る溝を掘る所まで行きました。今日は、その続きです。

ご注文いただいたチェストは、引出しが入る「棚板」と引出しを左右に分ける「ツカ」があります。ツカは、一段の引出しを左右に分けたり、いくつかに分けたりする時に仕切りになる板のことを「ツカ」と言います。そのツカが入る所にも溝を掘ります。


ツカが入る場所に印を付けます。

そうして、全ての溝を掘ったらまずは、棚板にツカを入れていきます。最初に溝に接着剤を入れ、ツカを立てて棚板の上から木釘を打ち込みます。この時に打ち込む木釘は2寸(約6cm)、ツカの前と後ろの2箇所に打ち込みます。


ツカにも溝を掘ります。


棚板にツカを入れ込み、木釘で止めていきます。

その後は、立側を立てていきます。(本体を組み上げていきます)立側を寝せて、棚板、ツカを入れ込み、上板のホゾを組んで全体を固めていきます。


立側に棚板、ツカ、上板を入れ込み、長いハタガネで締めていきます。

この時に、「打ち当て」という木を叩きたい場所に当てながら、玄能で叩き、各部材を溝に入れ込んでいきます。
そうして、ホゾ組の上板と立側を組み、長バタ(長いハタガネ)で左右を締めながら、ホゾをしっかりと組んでいきます。

その後は、ホゾとホゾの間に、3寸(約9cm)の木釘を打ち込んでいきます。ホゾ組、接着剤、木釘の三点セットで、強度をしっかりと作っていきます。


ホゾとホゾの間に、3寸の木釘を打ち込んでいきます。

木釘は、木釘の径に合わせた専用のドリルの刃でまずは穴を開け、そこに、その場所にあった長さの木釘を使います。木釘を打ち込んだら、釘切りノコで木釘を切り、再度、叩いて頭を埋め、そこに水を拭きます。


木釘の径に合った、専用のドリルの刃で、穴を開けていきます。

なぜ水を拭くのか。それは、木釘やドリルで開けた桐の穴が、水分によって膨らみ、より木釘が抜けないようにするためなのです。ですので、桐たんすづくりに於いて、木釘を打ち込む際には、必ず、打って、切ったらそこに水を拭くのです。

その後は、全体がねじれたないか、かしがってないか、定規で確認しながら、かしがりを直していきます。こうして、東京のS様の桐チェストの立側が立ちました。この後は、裏板を止めていきますが、それはまた明日。

そして、今日の午後3時過ぎ。先日、買い付けてきた新潟県津南町産の桐丸太が、製材を終えて、やっと工場内の板干し場にやってきました。


製材を終えて、工場にやってきた津南町産の桐丸太

天気予報では、明日、明後日が晴れの予報。この2日間で、何とか干したいです。明日も、全力で頑張ります。

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