秋の板干し。

    晴れ。   ここ数日は天気がいい!

春に製材した桐の板は、工場の板干し場の三分の二位を占めたが、
残りの三分の一の場所は、何も干さずに空いたままだった。

で、そこで親方。
どうも空いた場所が気になっていたし、4分板が少なくなってきたと言い
桐の丸太を仕入れてきた。

早速、製材し、一昨日、桐の蔵に届いた。
そうなると、職人・横山さんが黙っていない。
すぐに、「板干すぞ!!」と、言ってくる。

私にも段取りがあるのだが、そこは職人・横山。
一歩も譲る気配がない。

幸いにも、昨日は朝から快晴!!
朝礼の前に、「早よ、板干それ」とたたみ掛けてくるので、
ついつい根負けして、朝礼後、すぐに板干しにかかった。

製材された板の山は3つ。
まあ、軽く午前中には終わるだろうと読んで、全員で板干し。
早朝は、冷たい風だったが、生の重い桐板を担いで干していると
すぐに、暑くなってくる。

先回の板干しは、8月の真夏だったのでヘトヘトだったが、
今回は何と楽なことか・・・。
で、意外にも10時前には終わってしまった。

工場の2階から見下ろすと、板干し場には、まだ少しの余裕があるが、
それでも桐板で埋められた。
これで、みんな安心だろう。

昔から、桐たんす屋の板干し場に「桐板」がないと、同業者からは
いろいろと言われるみたい・・・。

でも、桐は「板干し」という作業をしなければ使い物にならないし、
天日で渋抜きして干している産地なんて、ここ加茂くらいだと思う。
(私の修行の地も、天日ではなく人工の池で渋抜きしていましたから)

でも、何てったって天日にはかなわないだろう・・・。
そりゃ、板を返したりの手間はかかるが、数年間もの間、
ずーーーと干して、渋抜きするのですから、
その効果は計り知れないはず。

新潟は、これから雪の季節を迎えます。
でも、桐板はそのまま。

昔の人は言っていました、「雪ざらし」って。
昨日干した板、まだまだ、当分は使えません・・・。

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