時代の反映。

     晴れ。     秋晴れと気持のいい風でした。

今年に入ってから、ずーーーーーと、桐たんすの修理・再生の
ご依頼が続いている。
この部門は、確かに、ずーーーと切れ間がないくらい
お客様からのご依頼が多いのだが、ここのところは、
本当に多くのご依頼を頂いている。

今日も、愛知県から3本、神奈川県から1本と、
工房の玄関前は、修理の桐たんすでいっぱいになっていた。

お陰様です。
こうして、全国各地から、送料を使ってでも、桐の蔵に
ご依頼いただけることを、ありがたく思っています。

そんな中、今日、届いた桐たんすは、まだ、修理したばかりと
思う桐たんす。
でも、どこかが違う・・・・。

確かに、全体的には新しくなってるのだが、
裏板は、桐の木目を印刷した合板を張ってあったし、
ところどころの傷は、木工用のパテで埋めてあるだけの
粗末な仕事。

本当に、これでお金を頂いたのだろうか?と
思ってしまうほどの、仕事でした。

私たちの仕事が一番なんて、おおそれたことは言えませんが、
職人が見て、恥ずかしい仕事はしたくない。
まずは、それが基本です。

桐たんすの修理・再生の仕事は、手間が本当にかかるのですが、
それ以上に、お客様に喜んでいただけることが、
その仕事を続けられる意味があるのです。

それには、手間がかかるが、決して手を抜かず、
喜んでもらえる仕事をするしかありません。

ここに、損得(限界はありますが)が見え隠れするようになると、
ご依頼いただいた、お客様の信頼を裏切るようになるような
気がするのです。

基本的に、私たちは職人ですから、まず、第一に考えることは、
きれいにして、お届けすること。
そして、お客様に喜んでいただけることを一番に考え、
桐たんすの修理・再生を行っています。

こんな時代だからこそ、古いたんすの修理・再生が増えている
気がしますが、新しい桐たんすも、古い桐たんすの修理も、
職人の気持や、取り組み方は、全く一緒です。

最後には、お客様に喜んでいただけるように。
ただ、それだけを思い、仕事に打ち込んでいます。

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