確実に、少しずつ・・・。

    雨。    夜から雪。

三連休明けの今日の朝礼前の雑談で、職人・横山さんは、
いつものように、「休みすぎだな・・・・」とつぶやく。

今でこそ、三連休なんてお休みが多くなったが、
昔は、三連休なんて、それこそお盆休みか、お正月くらいしか
なかった時代に、彼らは必死になって、一人前の職人を
目指して、修行していたのだ。

確かに、私も、三連休は休みすぎだと思うが、
時代が、こうなってしまっては・・・。

今は発表されないが、長者番付で、何年間も一位だった
「斉藤一人」さんが言った言葉を、私は、今でも忘れない。

「働き者は、働いていないと具合が悪くなる」と・・・。

私は、とってもその境地には行けないが、本当の働きもの
とは、そんな人なのだろう。
私も、少しでもそんな境地に近づきたいと思うのだが・・・。

そして、連休明けの今日から、桐の蔵の新人、石山君にある程度、
仕上げの工程を任せた。

でも、やれるかな?と思って、任せたほうが心配になる。
自分の仕事をしつつも、なぜか、気になってしまう。
ちょくちょく、目配せをするのだが、そこは、確実に、少しずつ
進歩していた。

今日の仕上げの工程は、ほとんど一人で仕上げてくれた。
まだ、4ヶ月にしては上出来だと思う。

でも、あまり褒めると失敗もするからこれくらいにするが、
彼が、こうしてやってくれるお陰で、私は、かなり助かっている。

今年に入ってから、多くのお客様のお陰で、いいご縁を頂き、
いいご注文をいただける。

現場は、私一人では、当然回らない。
職人さん、一人一人の力で、この工房が生きているのだ。
だから、新人の石山君の歯車も、今では、少しずつ、確実に
一つの歯車になってきている。

仕事でも、家庭でも、人生でも、一人で出来ることには限界がある。
みんなが、助け合ってこそ、その力は、数倍にも膨れ上がる。

一歩一歩、少しずつ、そして確実に。
人間の成長は、スパイラルに成長していくものらしい・・・。

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