2020年 4月 の投稿一覧

桐たんすの組み立て 東京都S様の和たんすを作る2

先週から始まりました、東京都S様からご注文いただきました和たんすの制作ですが、先週は、タイコのサンを仕上げたところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

タイコにサンを木釘とのりで接着し、はみ出たのりをブラシで拭き取ります。

タイコにサンをしっかりと接着させるために、プレスで少しの間押さえます。

上板に戸渡り(観音開きの扉がこれ以上入らないようにする桐の部材を戸渡りと言います)を木釘で打っていきます。

観音開きの中に付く、小引き出しが入る部分、中棚とツカを組み立てます。

棚板が立側に入る部分を作るため、胴付きノコで切っていきます。

タイコに付けたサンをカンナで仕上げていきます。

タイコに、先程の中棚とツカを組み入れ、木釘を打って止めていきます。

下台の立側の溝に棚板を入れ込んで、立側からドリルで穴を開け、木釘を打っていきます。

タイコと中棚とツカを固めたものを、立側に入れ込んでシャコ万とハタガネで固めます。

今日の私は、柾を割ります。いつもは親方にお願いするのですが、今日は私が担当です。昔、和歌山県での修業時代にこの「柾割」の仕事は、ずっとやっていましたので、体に染みついています。ですので、自然と体が反応しますね。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 東京都S様の和たんすを作る

今日からは東京都S様からご注文をいただきました和たんすの制作をお伝えします。

この図面をもとに桐たんすを作っていきます。よく考えると、この一枚の図面だけで職人さんは、桐たんすを作っていくのです。すごいことですね。

この後、長さ切りでそれぞれの長さ、幅に木取り(部材)を切りそろえます。

各部材にカンナ掛けを行い、立側、上板、地板のホゾを取ります。

タイコ(衣装盆が入るところ)に入る中棚が入る溝を掘り、最後の前の部分をノミできれいに取っています。

タイコに小引き出しが入る部分の「ゲス板」が入る部分をケヒキで線を引いていきます。

(ゲス板とは、引き出しが入る部分に地板に直接、引き出しを入れれないので、板一枚敷いて入れるのですが、その敷く板をゲス板と呼びます)

タイコのサン(衣装盆を支える部分の板)を自動カンナで削って厚さを決めています。

タイコのサンの厚みを決めたら、まとめてカンナを掛ける準備をしています。

タイコに中棚を入れる溝と、溝の下に付けるタイコのサン。

そしてタイコのサンをまとめてカンナで仕上げていきます。

今日も私は板を組みます。今日は7分板、各引き出しの先板に使います。

今日は時折、あられも降り季節が逆戻りです。今年の春は、なかなか暖かくなりませんね。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て宮城県M様の整理たんすを作る6

宮城県M様からご注文いただきました整理たんすの制作ですが、今日が最後です。一昨日は、引き出しの枠を固めましたが、今日はその続きです。

引き出しの底板を木釘で打っていきます。その後、底板の付きが悪い時に、ハタガネで挟んで底板を付けます。

引き出しの枠を固め、底板を打ったら、先板をカンナで仕上げていきます。

引き出しの底板をカンナで仕上げていきます。底板を仕上げるときは、引き出しをひっくり返して、中に台を置き、直接、底板が当たるようにしてカンナを掛けていきます。

底板をカンナで仕上げたら、端の部分をペーパー(紙やすり)を掛けて、滑らかに仕上げます。

仕上げる時は、カンナを研ぎ、カンナの裏金とカンナの刃を調整します。

外の光の方を見ると、裏金が見やすいので、外の方を向いてカンナの刃と裏金を合わせます。

引き出しの上面をカンナで削っていきます。

引き出しを入れながら、どこが当たっているのかを確認しています。この時、引き出しを出し入れするのは、大きな吸盤です。

引き出しのホテ板(側板)を削りながら、入れては確認し、出しては削るを、何度も行い、確認し、引き出しを入れていきます。こうすることで、引き出しを入れると、他の引き出しがぴゅーっと出てくる、密閉度の高い引き出しになります。

引き出しを全ていれると完成です。

この後、塗装、金具付け、調整、検品、梱包して、お届けになります。

今日も私は板を組みます。チェストのホテ板、ヘギホテ、丸盆のホテ板と7分板の板組でした。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 宮城県M様の整理たんすを作る5

宮城県M様からご注文いただきました整理たんすの制作ですが、昨日は、カガミ板(前板)を仕込んだところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

昇降盤でホテ板のホゾを取る部分に、ノコを入れます。(2本の線がノコを入れたところ、ノコを入れた上下の部分を、昇降盤で取っていきます)

昇降盤で取っても、際(ギリギリ)の部分までは取れないので、最後は、ノミできれいに取っていきます。

カガミ板とホテ板、そして先板。カガミ板は蟻組み、ホテ板は蟻組みとホゾ組、先板はホゾ組を取ります。

ホテ板のホゾ組を取って残った凸の部分の頭(先)の部分を、入れやすいように玄翁で少し叩きます。

引き出しの枠を固めていきます。カガミ板とホテ板の蟻組みを組み合わせますが、まずは玄翁で少しずつ叩いて入れていきます。

その後は、打ち当てを当てて、玄翁で叩いて入れていきます。

引き出しの枠が固まりました。

直角の定規を当てて、角がしっかり直角になっているかを確認していきます。

直角になっていないと、引き出しが本体に入りません。

修理中のたんすの上に置かれた道具。何だか絵になるなと思い撮りました。

明日も全力で頑張ります。

宮城県まで桐たんすのお届けでした。

今日は、宮城県石巻市まで桐たんすのお届けに行ってきました。起床は、午前5時。もう、空は明るいです。

久しぶりの磐越道と東北道、高速道路沿いの桜は満開!愛でる余裕もなく、東北道をひた走り、菅生SAで休憩。

その後、仙台南部道路を走り石巻市まで。この辺りまで来るとまだダンプカーが多いんですよね。大震災の復興がまだ続いているのでしょうか。

そして今日の目的地、M様の素敵な新築のご自宅に整理たんす3本をお届けさせていただきました。

1本は普通サイズの小袖たんす、2本目は置かれる場所にピッタリの80cm幅の小袖たんす、そして3本目は、1本目の隣に置く、これまたぴったりサイズの55cmの小袖たんすでした。

金具もこだわりの桐の蔵オリジナルの「漆金具」お部屋にぴったりと収まりました。

M様、本当にありがとうございました。

その後は、仙台市まで戻り、再生のご依頼をいただいていましたお客様のご自宅に伺い、再生する桐たんすをお引取りさせていただき、夕方、工場に戻りました。

今日は、ホント小春日和。運転していると暑いくらいでした。

新潟も桜はもう少し楽しめそうです。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 宮城県M様の整理たんすを作る4

宮城県M様からご注文いただきました整理たんすの制作ですが、先週は本体の立側をカンナで仕上げたところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

本体外側(四方丸)の外側の丸をカンナで削って作っていきます。

本体の上板をカンナで仕上げていきます。

本体が完成したら、引き出し周りに入っていきます。

長さ切りで、引き出し周りの材料(底板、先板、ホテ板、カガミ板)を、それぞれの長さ、幅に切り分けていきます。

長さを切り分けたら、それぞれの部材をカンナで仕上げていきます。

整理たんす本体に立てかけた底板。底板をカンナで仕上げていきます。

カガミ板(前板)の上口を削って、カガミを仕込む準備をします。

カガミ板(引き出しの前板)を仕込みます。仕込むとは、引き出しが入る場所に、カガミ板を当てて、引き出しがぴったりと合うようにしていくことを仕込むと言います。

カガミを仕込んだら、ホテ板のカガミ板が入る部分をケヒキで取っていきます。

今日の私は板を組みます。立側、衣装箱のフタ、裏板などなど。

明日も全力で頑張ります。

板干し完了。

今日は「板を干そう!」と数日前から決めていました。天気は今日迄って、天気予報も言ってましたし、運よく、製材も終わって板も来ましたので、今日は朝から職人さん、みんなで板干しを行いました。

工場から少し離れたお借りしている場所に板を干します。

製材所で指示通りの厚みに製材された板を、一枚一枚、職人さんの手で干していきます。

3月に製材所で親方と「木はずみ」する時にあった大きな丸太、直径2尺8寸(約85cm)の丸太が製材されてきたのですが、厚さ1寸1分、長さを切らずに1本もので製材したものですから、1人、2人では持てず、4人で持ってやっとで干しました。

職人・横山さんからは、40年やってるけどこんな板、今度からはよく寸法を測って、今度からは、測って切ってから干しますね。

この丸太が、上のような大きな幅の広い板に製材されました。

午後からは、別の場所で「柾」板を干します。今回は「柾」用にはあまり本数を取らなかったので数少ないので、約2時間ほどで終わりました。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 宮城県M様の整理たんすを作る3

宮城県M様からご注文いただきました整理たんすの制作ですが、昨日は、立側が立ったところまでをお伝えしましたが、今日はその続きです。

これから裏板を木釘で打つために、棚板の裏側を裏板が付きやすいように、カンナで仕上げていきます。

裏板を木釘で打っていきます。その後、釘切ノコで木釘を切っていきます。裏板も木目が美しいです。

本体の四方丸を作るため、内側が丸になるように、内側に桐を貼っていきます。

外側の丸をカンナで削って作りました。

台輪と本体を繋ぐ、「足」という部分を長ハタガネとシャコ万で付けていきます。

長ハタガネのアップ。当て木を当てて、足を付けます。

次は台輪の制作に入ります。台輪のホテ板(側板)と先板を木釘で止めていきます。

本体を寝せて、立側をカンナで仕上げていきます。

今日は、奥様がホットプレスです。(反りや狂いのある板を熱を当て直していく作業です)少しだけですが、足りない板があり、急遽、やってもらいました。

明日も全力で頑張ります。

桐たんすの組み立て 宮城県M様の整理たんすを作る2

昨日から始めました、宮城県M様からご注文いただきました、整理たんすの制作ですが、昨日は、棚板の入りの部分をペーパーをかける所までをお伝えしましたが、今日はその続きです。

整理たんす(小袖たんす)の上板と棚板。上板はホゾを取り、棚板は立側に入る「入り」の部分を取りました。

棚板の入りの部分にカンナで面を取っています。こうすることで、棚板が入る溝に入りやすくなります。今回の整理たんすは幅が55㎝なので、棚板も狭いです。

棚板の前面部分に、面取りカンナで面を取っていきます。

棚板の「入り」の部分のアップ。ケヒキの線が引かれているところまで、立側の溝に入ります。

立側(内側)に引き出しが入る棚板の溝を掘るために、モノサシで計ってシラガキで印を付けていきます。

木取りの切り組みが終わると、本体を固めに入ります。立側の溝に棚板を入れ、反対側の立側の溝にも棚板を入れて、外側から木釘で打っていきます。

地板のホゾと立側のホゾを組み、地板側から木釘で打って止めていきます。

木釘で棚板、地板を打ち終え、立側が立ちました。

今日も私は、ホテ板を組みます。かなりの枚数のホテ板を組みましたので、積み上げました。

明日も全力で頑張ります。