桐を見極める職人 高野材木店 店主 高野信行
桐を見極める職人 桐の蔵の桐たんすにはなくてはならない職人です。
新潟県十日町市
長野県との県境に位置し、周りを山々に囲まれた日本有数の豪雪地帯として知られ、真冬には毎年3mを越す
雪に覆われるこの町で、桐の蔵で使われる「桐」は育ちます。
ここに育つ桐は、木目が太く、木目の間隔が細かい。
それは、年輪の間隔を見れば一目瞭然である。
3mを越す大雪の中で春が来るのをじっと待ち、雪解けと同時に少しずつ成長する。
その証が、一年に数ミリしか成長しない年輪の間隔である。
ここ新潟県十日町市の気候は、「長い冬」と「短い夏」が特徴の典型的な雪国。
しかしこれが、桐を良木にさせる大きな原因の一つなのである。
間隔の細かな柾目は、年輪の間隔である。
その一つ一つは、木の生長の証でもあるから。
この新潟県十日町市で、創業95年。
三代に渡って「桐を育て」、桐と共に人生を過ごしてきた高野 信行(54歳)
自ら桐を植えると共に、近郊に育つ「桐」を取りまとめ、地元では唯一、存在する老舗の
桐材店を三代に渡って受け継いできた。
高野さんの桐の特徴は、まず大きい。そして太い。
とにかく、「良くここまで大きくなった」、というほど大きく、太い桐が多い。
桐は成長が早い木と言われるが、さすがに高野さんのところに集められる桐は、
30年以上経ったものが多い。
そのどれもが、きちんと高野さんの目が行き届いた素晴らしい桐ばかりだ。
桐の蔵の親方(桑原 賢)も、一年に二度(春と秋)に、高野さんと一緒に山に入る。
そこで集められたきりの原木を一山単位で、二山、三山と仕入れてくる。
さすがに大きく、太い木ばかりではないが、地元、新潟県で育った桐は、木目が太く、桐の色艶がきれいだ。
最近では、海外から入ってくる桐が多いが、私達が地元、新潟産の桐にこだわるのも、この高野さんの影響も大きい。
数十年かけて育った桐を、山に入って自らの目で直接確認し、目にかなったものだけを一山単位で仕入れる。
その後、地元の製材所で製材された桐板は、工場内の板干し場と呼ぶ、広い土地で、桐の蔵の職人の手によって 、一枚、一枚、干されます。
その干された板は、半年後とに裏返しを繰り返すこと、一年から二年の間、雨風や雪にさらされながら桐独特の渋を 抜き、天日でじっくりと天然乾燥させた後、板小屋に入れてまた、一年じっくりと落ち着かせるのです。
そうした過程を得て、やっと使うことの出来る材料となっていくのです。
こうした気の遠くなるような年月と、多くの手がかかった桐は、最高の状態で、「桐たんす」へと姿を変えることが出来るのです。
このどちらが欠けても、最高の「桐たんす」にはなり得ないのです。
「高野 信行」
「高野材木店・店主」
地元産の桐を植え、また、近隣の桐を取りまとめる、地元では唯一存在する「桐」専門の材木店。創業95年 三代続く老舗桐材店である。
昭和28年 6月12日生まれ
新潟県十日町在住








