ちょっと、ひどい・・・。

    雨。    今週は、雨が多そうです。

今日は、以前からご依頼をいただいておりました、
新潟市のお客様のご自宅へ、修理する古い桐たんすを
引き取りに、午後から行ってきました。

事前にお電話で、修理する桐たんすの状態は聞いていましたので
ある程度は予想していったのですが、そのたんすを目の前にして
さすがに、ビックリしました。

以前に一度修理したというそのたんすは、
タンスの前面(引き出しの前板、扉の前板、全ての前の板)には、
木目がプリントされたベニヤ板が貼られ、桐たんすの本体は、
全てがウレタン塗装(石油系塗装です)

ご依頼のお客様は、「亡くなった母親の形見のタンスだったのですが、
修理に出したら、こんなになって帰ってきましたと」・・・。

しかし、本当にひどいと思いました。
プリントしたベニヤ板を貼ったことも、ウレタン塗装をしたことも、
その全てが桐たんすとしての機能(特徴や命)を、全て消され
修理業者さんの、都合のいいままに直されたと言っても過言ではない
そんな仕事に、ちょっとビックリしました。

さすがにここまで来ると、お客様も気づいていて、
どうしようもなく、桐の蔵さんなら直してくれると思い、
お願いしました。とのことでした。

何とかして、治したい。
ただ、もう、それだけです。

できる限り、前の状態に近いように、再生したいと思っています。
手間は掛かりますが、それよりも、こういうタンスは、
損得ではなく、職人の意地みたいなものです。

そんな思いのまま工場に帰ってきたら、そこには
千葉県から届いた、修理依頼の桐タンスが・・・。
その桐タンスも、裏板はベニヤ板が貼られ、引出しも
底板も、全てがベニヤ板でした。

うーーーん。またか・・・。
絶対に、良いように再生しますから。
待ってて下さいね。

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