得意と不得意。

     晴れ。   秋晴れです。でも、明日からは下り坂みたい・・・。

もう、新人とは呼ばせない石山君。
彼の仕事振りは、最近、本当に頑張っている。

いや、頑張っていると言うよりも、「慣れてきた」、いや、
「出来てきた」、「職人になってきた」と言う感じかもしれない。

来月で桐の蔵に来て一年。
でも、まだ一年なのに、その吸収はすごいと感じている。

そりゃ、まだまだ、ミスもするし、失敗も多い。
でも、そんな中でも、桐たんすの観音開きの戸を
付ける作業は、私の手直しが全く要らないほど
完璧な仕事である。

誰でも、得意不得意があるように、石山君は
仕上げの工程の「ロウ引き」と、この「戸」のつけ方は、
彼の得意としていることだろうか。

彼の「ロウ引き」なんて、ホント、芸術品に近い領域だ。
つい最近までは、ロウの塗りすぎで、仕上げの色に、
ロウの色が付いて、少し濃い色に仕上がっていたが、
そのことを伝えると、すぐに修正してくれた。

その辺の素直さが、いい職人の第一歩だ。
その後は、桐たんすの仕上げの色も、ロウの
塗り具合も安定している。

その陰には、彼なりの努力があるのだと
感じている。
いつも淡々と、仕事をする彼は、まだ、一年目の
職人とは思えないくらいに、技術を身に付けてきた。

あまり褒めないが、でも、よくやってくれている。
これからも頑張ってね。
宜しくお願いいたします。

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