一期一会。

   晴れ。  でも、今朝は、ホント、寒かった・・・。

週末の山形市のでの展示会は、厳しかった。
でも、そんな事は分かっていたし、ある程度、
予想もしていた・・・。

でも、そんな中、ありがたい出会いもあった。

このお客様と出会ったのは、もう、4年前位だったと思う。
その時は、別の用事で、この会場を訪れ、たまたま、
行っていた私たちの展示会に足を運んでくれた。

その時の記憶も、今だに鮮明に覚えている。
その時は、「洋服たんすが欲しい」と、お話を聞いた。
ただし、もう少しで、家を新築するのでその時に
洋服たんすを作ってもらう。との事だった。

その後、山形に展示会に行くたびに、ご案内状を
出させていただいた。
でも、それが、お客様の心に引っかかっていたらしい。

今回、最終日にこのお客様は、わざわざ、遠方より
来ていただいた。
そして、「家族の反対があり、洋服たんすは・・・」との
事を、わざわざ言いに来てくれたのである。

私は、顔を見た瞬間、すぐに分かったし、そのお客様も
同じだった。
そして、すぐに話を切り出され、私にお詫びする。

ホント、来てくれるだけでも申し訳ないのに、
わざわざ、そのことだけを言いに、足を運んでくれたのだった。

よくよく、話を聞くと、最初の出会いから、2回、
山形から、桐の蔵の工場にも直接お出かけいただいた
事も分かった。

それが、二回とも日曜日だったために、会えずに
帰ったとの事。
そんな話を聞くと、尚の事ながら、申し訳なかった。

このお客様は、白髪の初老の紳士。
洋服たんすを数年後に求めたいと言った、自分の
言葉が、ずーーーーと胸に引っかかっていたと言う。
そのことを目に涙を浮かべながら、私に話してくれる。

もう、十分です。
わざわざ、1時間半もかけて、そのことを私に伝えたいために
時間を作って来てくれた。
それだけでも、申し訳ない気持だった。

世間では、こんな時代なんて言うが、まだまだ、
このようなお客様もいるのです。

このお客様は、桐たんすは買っていただけませんでしたが、
この出会いからは、それ以上のものを学んだような気がしてなりません。

こんな人になりたい。
本当に、素晴らしいお客様でした。

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