52年間の歴史。

   晴れ。    今日は暑かった。梅雨明けはまだですね・・・。

昨日の金曜日は、午前中、集中的に仕事をして、
それから、数十年、お付き合いをさせていただいている
家具屋さんへ、桐たんすをお届けに走った。

その家具屋さん。
私が飛び込みで営業をして、お付き合いが始った、
私の中でも、重要なお店の一つです。

お店はそんなに大きくはなく、でも、個性的な
品揃えのお店。

そのお店には、何と!、お店に勤めて52年という、
大番頭さんがいる。
私、その方に結構、可愛がられて、今では何でも言える間柄だと、
思っている。(私が勝手にだが・・・)

そのお方は、大番頭といえども、お店に出ているわけではない。
桐たんすを中心に、修理や、出荷前の点検などを、担当している
陰の力持ちなのです。

ちょうど、私が伺ったのは、配送の方々との会議の真っ最中。
でも、私の顔を見つけてわざわざ、出てきてくれた。(ありがたい)

それからの会話は、もう、歴史を物語っていた。

このお方。
そのお店の会長と同じように育ち、今の社長よりも、
このお店の歴史を知っているし、
このお店に勤めてきた数々のスタッフの方々も、ずーーーーと
知っている、このお店の生き字引と言ってもいい。

その方が、言う。

今の若いスタッフで大丈夫か?と・・・・。
カッコばかりで、何にも知らないと・・・。

「この木?なんだ?」って聞いても、
答えられない。って言う・・・。

でも、今の家具店の若いスタッフはそんなものかな?
って言うと、「それじゃ、困るだろう!」って、言葉を荒げた。

確かにそうなのだ。

今の家具屋さんには、自分のお店に置いてある商品の
事を、詳しく、何から何まで知っているお店の人は少ない。
これが現実かもしれない。

それをこの大番頭さんは、嘆くのだ。
このお店に勤めて、52年。
今でも、お客様と向き合い、自分の知っている限りの
知識と経験をお客様に伝える。

私だったら、こんな方から商品を買いたいと思う。
損得無しに、本当の良い、悪いを知っているから。

でも、今のお店の若いスタッフには、そうした知識は少なく
全て、「デザイン」や、「カッコよさ」、または「価格」の
良し悪しで、片付けられてしまう。

私は、この大番頭さんの言いたい気持は痛いほど分かる。
この人、ずーーーーと、桐たんす職人だったから・・・。

でも、ホント、こんな人いなくなってきている。
こんな人こそが、今の時代には、必要なのではないだろうか。

家具業界の、寺内貫太郎みたいな人が・・・。

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