整理整頓と、職人の質。

職人に限らず、仕事の出来る人の場所は、きちんと整理整頓が
されている場合が多い。
今日、職人の小池さんが、ほぞ組みの工程を終え、その
作業で出た、木くずを丁寧にほうきで掃き、自信の仕事場を
きれいにしてから、次の作業に入っていった。
その場所は、作業をする前よりも確実にきれいになっていた。
これこそが、できる職人である(と私は思う)
私たちの仕事は、手作りである。
自分の持ち場の、作業場が汚ければ、作り出す作品が
きれいに出来るはずがない。
その上、効率は悪いに違いない。
段取りは、もっと悪くなると思う。
そして、何よりも、気分が悪い・・・
桐たんす職人の仕事は、手作業が多いので、出る木屑などは、
知れている量だ。
でも、工程の節目、節目には、必ず木屑を掃いて、きれいにしてから
次の作業に入るのが、できる職人だと私は思う。
桐の灰汁を抜くために外に干してある、桐の板もそうだ。
やはり、見た目にもきれいに、そろえて干してある方が、気持ちがいいし、
効率よく、雨に当たり、灰汁が抜け、乾燥の度合いも平均にいくと思う。
プロの仕事って、見ていても美しいものだ。
これは、桐たんす職人だけでない。
ケーキ職人でも、パン職人でも、いい店はきれいだし
美味しい。
きれいって、大事なことだと、私は思う。
きれいな仕事をする職人って、気の使い方が違う。
いろいろなことに、気が付くし、気の付き方は作業の工程の
はるか先を行っている。
これが、本当のプロだ。
当たり前のように言われるが、整理整頓はプロの基本。
ベテランになれば、なるほど、当たり前をきちんとこなしている。

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