やさしく、赤ちゃんを抱くように。
桐ってとてもデリケートだ。
扱い方が荒いと、すぐに傷がつくし、へこんだりもする。
でも、その反面、軽いし、湿気に強かったりと利点も多い。
展示会などで、初めて桐たんすを手にする方は、大方、
引き出しを引いて、押すと、また別の引出しが出てくる
精巧さに驚いたり、笑ったりする。
でも、そこで引出しを勢い良く押したり、引いたりしてしまう
お客様も多い。
そうすると、引出しが引っ込んだり、つめが当たって、傷になったり
する場合が多い。
桐たんすはやさしく・・・。です。
私たち職人は、当然ながら引出しなどを「ダン!」って置かない。
ましてや、勢い良く、引出しを押すこともない。
作っている職人さんの動きを良く見ていると、引出しなどは
すらせる(あて板をすらしていく)動きが多い。
それは、衝撃を与えないように、細心の注意を払いながら
かつ、早いスピードで作業をしていく、職人として身に付けた
技の一つでもある。
私の修行時代は、ホント、桐の扱い方には神経を使うように
親方から言われた。
それは、まるで「赤ちゃんを抱くような」神経の使い方
だった。(今でこそこのような表現が出来ますが・・・)
桐に触れる最初の方は、ホント、神経を使うのだと
思うのですが、プロでも、細心の注意を払っていますから。
でも、それが代々使っていける理由でもあると思うし、
「粗末にしない、大切に使っていく」という、特別なもので
ある。(と私は思う)
職人の手から生み出される、世界に一つの桐たんす。
やさしく、丁寧に扱っていただきたい。
そんな思いで、私たちも仕事をしています。



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