桐の蔵の前身、桑原たんす店は、私の祖父がその弟と2人で
立ち上げた工房。
祖父は独立する前は、老舗のたんす工場の工場長だった。
その頃のことは、まったく知らないが、父から聞いていた。
祖父は、私が高校のとき、75歳という年齢で他界した。
創業の頃の苦労したであろう事などは、私は知らないが、
つくづく、最近どんな気持ちで創業したんだろうと思ってしまう。
私たちの町は、たんすが地場産業の町で、至る所にたんす工場
がある。
今でこそ、少なくなったがその頃は数百もの工場があったという。
独立、創業するにはそれなりの覚悟があったに違いない。
そして、それ以上の野望もあったと思う。
祖父が築き上げた伝統や技術は、父から私、そして弟へと受け継がれていく。それが、桐の蔵の歴史となって、また、次代へと受け継がれていくのだ。
創業者である祖父が、今、ここにいたらどんな話をするのか。
ふと、そんなことを考えてしまう。