弟の進の使っている、カンナやノミなど職人の命とも
言うべき道具が古くなってきた。
彼の道具は、職人の横山さんから譲ってもらったものなども
多く、かなりくたびれてきている。
当然、たんすの出来は、道具の良し悪しによっても
左右される。
職人の小池さんの道具は素晴らしい。
どれも、見ただけでも切れそうな感じが伝わってくる。
道具を粗末にする職人や、道具に興味がない職人はの腕は
仕事を見なくても、察しがつく。
道具を大切にする人や、道具に興味を寄せる職人は
腕がいい。
桐の蔵の親方は、道具にはお金をかけてくれる。
他の工房はどうか知らないが、職人の道具の要求には
以外とすぐに応えてくれる。
近々、道具屋さんが来るらしいが、カンナやノミを作る職人も
少なくなったという。
いい道具も自ずと少なくなる。
職人の小池さんは言う。
「カンナ買うから来て」というと、まともなカンナがないらしい。
「カンナ見せて」と言って、持ってきた中から選ばないと
ダメらしい。
さすが、ベテラン職人である。