「お母様の桐たんす」
5月の東京での展示会にお出かけいただいた奥田さんは、亡くなられたお母さんの桐たんすを何とかしたい、とおっしゃっていました。そこで色々な提案をさせていただき、今回、古いお母さんのたんすが現代風のチェストによみがえり、弟と2人でお届けしてきた。奥田さんのお宅はビルの4階と5階。入って驚いた。
ビルの中とは思えないほど、きちんとしておしゃれ。5階には、何と、お茶室とその中に庭まであった。ビルのお部屋の中に庭があるとはびっくりした。都会の中の静寂だ。作ったチェストも、お部屋にピッタリと収まった。
手前味噌だが、このチェストは奥田さんと何度もやりとりして出来上がった、力作だ。この作品は、私達と奥田さんとで2人で作ったものといってもいい。絶対に他ではない、世界に一つだけのものだ。それに、お母様の思い出まで残されている。
古いたんすを現代的に直す仕事は楽しい。絶対に、他ではやれない桐の蔵のオリジナルだ。お客様と2人で作り上げていく作業、職人にとってこれほど嬉しいことはない。




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