再生したいお客様からよくこの質問を受けます。ご自身がお嫁に持ってきたもの、または母親のもの、いずれにせよ、数十年経った桐たんすを直そうと考えたときに、「このたんすって、直す価値があるのですか」と聞かれるのです。昔作られたたんすは、材料のない時代が長く、全てに桐を使った、総桐たんすは、高値の花でした。桐に比べ、安い杉材を、引出しの底や裏に使った、三方桐という桐タンスが多く作られていました。多くのお客様はそんな桐たんすを、直す価値があるのかと思っていますしかし、私は思うのです。数十年、家族同様に暮してきた桐たんす。思い出もたくさんあるはずです。そんな桐たんすを、価値がある、ないで決めてしまうのではなく、再生したいか、お金をかけてまでしなくていいか。だと思うのです。今日のお問い合わせの電話もそうでした。一本、一本のたんすには、思い出と物語があるはずです。価値がないわけがないのです。再生すれば、新品のようにきれいになります。しかし、それだけのお金がかかることも事実です。全て再生したほうがいいなんて、無責任なことは言いません。予算が厳しかったら、そのまま使ってもらうだけでいいと思うのです捨てたり、燃やしたりしないで欲しい。私は、そう思うのです。古い桐たんすには、思い出が詰まっているのですから。